Episode:10 決闘
こんどこそ決闘です。
修正:あとがき追加
始めての異世界料理であった、宿屋の夕飯は意外と美味しかった。何が入っているかわからないが、某名前だけの共産主義国の何が入っているかわからない食品よりはずっとマシである。
紫色に黄色の模様がついた皮のついた誰の何処の肉かもわからない肉がシチュー的なものに入っていた時はびびった、ミーアに安全ですと念押しされなければ残していただろう。味は良かった、鳥肉の弾力に豚肉程に出てくる肉汁が美味しい。
恐らくは他の生物に擬態しているのが野生の生態な生物だったのだろう。その擬態先の毒などを出す分の栄養を蓄える性質でも持っているのではないか、と予想したがミーアの返答は無かった。
風呂はなかったがシャワーはあったので、ハガネはそれを浴びた。
この時代に水を温水にする技術もなく、温水にする魔道具が使われていることもなかったので出てきたのは冷水だった。
ハガネは魔法で温水にしたが、この冷たさではそのままでは浴びれたものではないだろう。
鏡があったのでそれで始めて自分の容姿を確認した。
貴公子と呼ばれてもおかしくないくらいの美人である(美女でも美男でもない)
だが、女と思えば女に見える顔だ。なるほど、これならあの二人組が絡んで来たのも良く分かる。
ベッドはバネがない分硬いことを考えたが、いつか言ったがここは農村部の収穫が集まる街だ。動物性か植物性かはわからないが、柔らかい布団などに適していそうなものが市場で売られていて、それがベッドに使われていてもおかしくはない。要するに柔らかかった。
現代地球世界で買ったらいくらになるのか怖くなったがこの時代にしかできない贅沢と思い考えるのはやめた。
質の悪いテントで寝ていたせいで疲れたのか、すぐに眠りについた。
朝になると鶏がコケコッコーと鳴くのは日本の定番だが、アメリカや諸外国は鳴き方が違うらしい。異世界の住民に聞かせたらなんと言うのだろうか。きっと、公平にジャジメントしてくれるだろう。
しかし、この世界の一般的な飼い鳥|(?)は殆ど鳴かなく、地球世界の生物学における発情期に入ると鳴き始めるらしい。
なので、春の訪れを感じさせるのだとか。
薄く切った肉と葉野菜をパンで挟んだハンバーガーかサンドイッチに近い食べ物を朝食として食べて宿を出る。その際、オーナーに鍵を渡すと代わりにトランスファーカードで自分が借りた証明となる実績を貰う。これがこの宿屋の制度なのだろう。
冒険者ギルドに着くと、バルゴがすでに待っていた。
「今度は手加減してやらねぇからな!」
バルゴの手には棘の着いたグローブがはまっている。凶器を使わないのが手加減なのだろう。やはり脳筋である。
見たところ金属製だが動きに支障はでないのだろうか?
バルゴの横に立っているのは審判役だろう、そういえば審判は決めていなかった。
が、ハガネはとりあえずボコればいいだろうと考えていた。
審判に連れられ、冒険者ギルドに併設された決闘場にはいる。
決闘場には観客席があり賭け事をしているらしき張り上げられた声が聞こえる。
審判がハガネとバルゴを向かい合うように立たせ、試合のルールを確認しハガネとバルゴに契約書に同意を求める。
決闘のルールは通常決闘に追加で場外に出た場合も敗北とするものだ。
バルゴがこちらの方をチラチラと見ながら契約書にサインする。
契約書には賠償が書かれていた。
500000ジズ。
盗賊の財産も売れば払えない金額ではない。
バルゴの目線は払えないだろうという挑発の目だろう。これで相手を怒らせ決闘をさせ金をむしり取っているのかもしれないがハガネの知ったことではない。
ちなみにこの契約書はシステムカードのひとつである。これに反した場合の罰則として、賠償が行われるのだ。
数日間猶予があるが、それでも賠償が払えない場合、相手に従属を強制させられる。
これには色々な形式があるが今回は了承ボタンを押し、サインするものである。
ハガネは契約書にサインした。
審判が双方が了承したことを確認し、決闘の合図をしようとする。
合図と同時にバルゴが突進してくる。
それをハガネは今回は闘牛士のように躱した。
バルゴは避けられたことを知り、突進を止め振り返り際に裏拳をハガネに向ける。
ハガネはその攻撃を予期していたように、しゃがみバルゴの裏拳を避けた。
ハガネはバルゴの隙に肘を鳩尾にいれようとするが、バルゴが寸前に左手でガードした。
一瞬の緊迫。
今度は先に動いたのはハガネだった。
バルゴの脇腹を狙った中段蹴り、これをバルゴは伸ばしていた右腕を曲げ、防ぐ。
ハガネは右腕に集中し、バルゴの左手のガードが緩んだのをみて、右拳を叩き込んだ。
バルゴにぎりぎりでガードされたが、次は左脚と、その次左手と、連続でハガネは攻撃を加えバルゴはガードするしかない。
一方バルゴにとってみれば防御しかできない状況を打開したいと思っていた。バルゴは脳筋だが、防御し続けることしかできなければ、いつか集中が切れ負けることをわかっていた。
戦う者にとって防御しかできないという状況は自分を焦らせる。
バルゴは打開策として、相手の動きがある程度端的であることから、攻撃を予測しようとした。早めにガードすることで、相手に攻撃を加え、ハガネにプレッシャーを与えようとしたのだ。
右脚が前に出てたのに、左手は体に引きつけたまま。
これはハガネが左脚で膝蹴りをしてくることを示している。
バルゴはそう、考えた。
さっきまでよりも少し、だが決定的に早いバルゴに攻撃のチャンスを与えるガード。
しかし、ハガネにもそれは察知することができた。そしてこれをハガネは待っていた。
本来ならば勢い良く上がる筈の左膝はゆっくりと上がり、途中から地面に向かいった。
ハガネは左脚で地面を踏む。
ハガネはすぐに体勢を変え、踏み込んだ左脚を軸にして素早く右回転。
その間に持ち上がった右脚の踵が、鳩尾に来るはずの攻撃に備え、下に向かったバルゴのガードを抜け、彼のコメカミに突き刺さった。
緊張から抜け、時間の進みが戻ったかのように観客は錯覚した。
回し蹴りによる脳震盪で思考が働かなくなったバルゴはハガネに突進しつつ殴りかかる。
ハガネはまだ攻撃してきたことに驚いた。
しかし、対応は早かった、しゃがんでバルゴの懐に入り、
殴りかかっていた右腕を左手で掴み、
バルゴの胸の辺りの服を右手で掴む。
そして、ハガネは勢いに乗っているバルゴの体を背負うようにして投げた。
背負い投げ。
ハガネのそれは地球世界で行えばそう判定されるだろうものだった。
ここで達人であれば受け身でもとるのであろうが、バルゴは先の攻撃により思考が回らなかったしもし回っていたとしてもとれなかっただろう。
バルゴはハガネが頭から起きるようした事も有り、そのまま落ちた。
バルゴは気絶してハガネ勝利となった。
戦闘描写が思ったより長くなってしまいました。
ハガネさんは身体能力などの制限解除により底上げされていますが普通に強いです。
紫に黄色の模様の家畜はいつか出てくるだろうか、いやでない。




