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最凶魔王に近しい女三人組は魔王に詰め寄り刃物のような言葉で執拗にボコります

 魔王城は魔王の部屋。無事に帰還した魔王を出迎えたメイガイラは予想外の光景に唖然としていた……。


「な、な、何故アルが此処へ!?パイモン様のお傍を離れるなんて――」


「イーラ様が如何してもって言うから〜」


『そんな事を言った覚えは微塵も無いんだが……?』


 イーラは無表情でアルに抱っこされたままだった。その光景にメイガイラは憤慨している。


「イーラ様を抱っこするのは、わたくしの役目なんです!!そもそもフルブルプル様は何でアルに渡してるんですか!?」


「……渡してない……奪われた」


 フルブルプルは意気消沈、いじけて座り込んでいた。




「メイガイラ……私が誰か分かっていないね〜?」


「……?


 八王パイモン様配下のアル=バーラム・アバリーム……でしょう?」


「だと思うよね〜?


 仕方無いから私が君に教えてあげるね~?


 ふふ……私はイーラ様直属『魔王親衛隊』の記念すべき一人目に選ばれた〜、隊員番号『一』のアル=バーラム・アバリームだよ〜♡」




 『ソレ』を聞いた瞬間、メイガイラはフリーズした。微動だにしない。圧を感じイーラも動けなかった。


「……えぇ……っと?その、魔王親衛隊……というのは……?」


「魔王城だけじゃなくて〜、イーラ様を守る為の特別な部隊だよ〜♡」


「……で、その、隊員番号……『一』……というのは……?」


「私がイーラ様に選ばれた最初の親衛隊員だから『一』なんだよ〜♡」


「……すー……はー……落ち着け……わたくし……。




 ――イーラ様!?何故アルなんですか!?わたくしこそ親衛隊に相応しいと思いますが!?」


 深呼吸も虚しく落ち着く事は出来ずにイーラに詰め寄る。


『……誤解が有るぞ。


 先ず、親衛隊の設立は前々から考えてはいたが、後々パイモンを遠方の拠点に住まわせるに辺り、今後の計画を話した。『ソレ』を聞いていたアルが入隊したいと提案して来たんだ。アルの『空間』は親衛隊には不可欠な程の能力だ。拒む事は出来やしない。


 次に隊員番号とやらはアルが勝手に言っているだけだ。入隊の順番で序列を決めるつもりなど無い。そもそも親衛隊は皆平等だ。前魔王の際の序列等は一切取り払う。それは俺に対しても同じだ。信頼関係が大事だからな』




「イーラ様……本当に素直じゃないよね〜?パイモン様達と一緒に居る時から意識が私のおっぱいに向いていたくせに〜」


「は?」


「……聞き捨てならない」


「分かるよ〜?フルブルプル様は小さいし〜、メイガイラも私より小さいもん……♡」


 抱き抱えられているイーラには見えやしないが、『ソレ』を理解した上でアルがメイガイラに勝ち誇ったドヤ顔をかました。フルブルプルと視線が絡むと胸元を見て哀れみの表情を浮かべる……。


「……イーラ様!!わたくしも親衛隊に入ります!!絶対にです!!」


「……フルブルプルも。……八王はやらない。……魔王城から離れた拠点だなんて耐えられない」


『……メイガイラは「秘密兵器」という話は如何なったんだ?


 フルブルプルは八王として支えて貰いたかったんだが……未だ信頼出来る者が多くもないしな』


「そもそも只のメイドではイーラ様のお近くに常時お供出来ません!!内部にも外部にも親衛隊としてお傍に仕えているという事実が必要なので御座います!!」


「……フルブルプルはそもそもリーダーには向かない。……城主になっても部隊を動かせない」


 二体は正論でイーラをボコボコにぶん殴る。


(確かに……今後もメイドのメイガイラが常に俺と一緒に居ると内部の者にも怪しまれる……。ならばいっその事、親衛隊にした方が誰も気にしないか。親衛隊がイコール戦闘集団とは宣言するつもりも毛頭無いからな。


 フルブルプルは……此方も確かに、特有な喋り始めの間も有るからな……。有能な副官をつければ問題は無さそうだが雷の攻撃も結界もとても有用だ……)


『……メイガイラは分かった。親衛隊に入れる』


「流石はイーラ様♡わたくし一生付いていきます♡」


「でも〜、隊員番号『一』は私なの〜♡」


「別に構いませんわ、親衛隊員は『平等』ですなら♡」


 イーラとアルがバチバチしている……。


「……フルブルプルは?」


『フルブルプルは……他で八王候補が集まれば親衛隊に入れる。先に八王からお前を引き抜くと体裁も悪いからな。新たな八王を据えた上で、だ』


「……じゃあフルブルプルが入るまで誰も入れないで。……せめて『三』が良い」


『……分かった。どのみち他の者達は八王を決めてからじゃないと判断出来ないからな』


「……なら良い」


 フルブルプルは機嫌を直したのか、満足気にしていた。




『それで、フルブルプルには聞いておきたかったんだ』


「……?……何を?」


 メイガイラとアルもイーラを見ていた。一時休戦らしい。


 イーラは少し考えると念話で紡ぐ。




『……前八王とゴエ=ティア七十二柱について』

 魔王親衛隊

 『魔王と共に戦う集団』では無く、『魔王と共に行動する集団』のニュアンス。

 『一』アル。『空間』による移動・攻撃。

 『二』メイガイラ。メイド兼最終兵器。

 イーラの中では欲しい人材の能力は幾つか浮かんでいるらしい。

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