金色の大悪魔が虹色の堕天使をリュミエール王国民の生き残り毎ボコります
「……フン」
突如サーヴナックルギナは光輪を後方の瓦礫へと放つ。
「ハハッ!!バレてたのかよォ?」
ケイオスだった。左腕を切り刻まれた筈のケイオスの腕は健在だった。
「あんなに威勢が良かったッつーのに自分の親をも見頃しとはなァ?隠れてるだけとは、とんだ腑抜け野郎じゃねーか、おい!!」
「クク、戦略的に隠れて待っていただけだぜェ?オレは……いや、オレ様はリュミエール家唯一の生き残りッ!!そしてクソ悪魔を殺しッ!!他の八王も殺しッ!!魔王も殺しッ!!新たなリュミエール王国の国王としてオレ様が君臨するッ!!
――力を貸せッ!!クソオヤジッ!!」
ヘリオスが絶命した山から白金の光がケイオスへと集まっていき、ヘリオスと同じ天使の姿へと変貌を遂げた。
「そして、『虹』を付与ッ!!」
虹色の天使が天使とは思えぬ表情でサーヴナックルギナを見ていた。
「なァ、クソ悪魔ァ……なんでオレ様の左腕が完治していると思う……?オレ様のこの能力はなァ……『継承』に次ぐもう一つの能力、『闇』……!!そしてェッ!!オレ様は闇を纏い最強になるッ!!」
白かった部分が闇へと染まり、虹色の光さえも禍々しく見えてしまう……。
『グハハハハハハハハッ!!!グゾ悪魔ァァァァ!!オデ様ガァァァァ!!ブヂ殺ジデヤルヨォォォォオオオオオオオオ!!』
サーヴナックルギナは呆れた顔で小指で耳を穿っていた。
「あー。もうどっちが悪魔か分かんねェな、コレ」
『黙レェェェエエエエエエエエエ!!』
顔までも悪魔のように変貌し変わり果てたケイオスの口から虹色の光を纏う闇が吐き出されサーヴナックルギナを襲う――ッ!!
しかし、闇が晴れると其処には無傷のサーヴナックルギナが腹を嗅ぎながら眠そうに欠伸を一つ。瞳には涙を溜めていた。
『ナ!?!?バガナァァァァァ!!何ヲジダァァァァァァ!?』
「……もう眠ィ。クソ詰まんねェ。
……テメェ、さっき『虹』とやらが効かなかったの覚えてねェのかよ。全属性の耐性と特効の付与だァ?オレの金色の光は闇との複合だ。ンなモンで耐性も特効も付与なんざされねェよ。
で、テメェの『闇』?金色の光の闇相手に闇が効く訳も無ェ。つーか大悪魔だぞ?大悪魔相手に闇とか舐めてンのか、おい。
挙げ句に王国の天使の力?オレに効かなかった力を嬉々として使って来るなんざ愚の骨頂じゃねーか。それにテメェ自身が言ってただろーが。
得たばかりの力なんかで倒せる訳無ェーだろうが、ボケ。付け焼き刃も甚だしい。
挙げ句、リュミエール王国に使われてたモノを使って天使の力を行使していた。オレは盾と片羽分をブッ壊してる。更には矢と光輪で多くは爆散。劣化版の天使の力で勝てる道理も無ェ」
『グ……マ、待デ、待ッデグレ……』
「待たねェよ、オレはテメェに飽きた。とはいえ皆殺しが命令……逃げ延びた奴等も居やがる。オレが此処へ到着した時点で王国に居て逃げ延びたのは五人か……テメェを嬲りながら殺すか」
『助ケ――』
「散々煽り散らかした相手に命乞いなんかしてンじゃねーぞ、ボケコラァッ!!」
『ブ――――――ッ!!??』
「はぁはぁ、此処まで逃げればっ。……へ?」
瞬間移動からの腹への一撃ッ!!吹っ飛ぶケイオスは逃げ切れたと安堵していた商人へと衝突し、衝撃で脚がもげる。
『ッッッ!?イダッ――』
――ドッ!!
飛ばされた方へと先回りしていたサーヴナックルギナの回し蹴りが背骨を粉砕する。飛ばさたケイオスは別の生存者を押し潰して岩へ激突した。
サーヴナックルギナは『闇』の蘇生を懸念し千切れた脚を光輪で跡形も無く吹き飛ばす。
「……ダメだ。ホント飽きちまった」
『待――』
――グチュッッッ!!!!!
サーヴナックルギナの右腕が金色に光ると再び瞬間移動し、ケイオスの喉を掻っ攫っていた。
『!?!?!?』
「もう喋れねェだろ。じゃーな」
『〜〜〜!!!!』
――ガンッ!!!
助走もつけずに放たれた顎への真下からの蹴り。歯と歯がかち合いあまりの衝撃にヒビ割れ折れ砕け散る。足首の光輪がケイオスの身体を遥か上空へと飛ばす。
サーヴナックルギナの獅子のような金色の瞳の縦長の瞳孔に光輪が現れると、遥か上空のケイオスの周囲に光輪が無数に現れる。その全ての光輪の虚空はケイオスへと向けられていた。
そして、その全てから金色のビームが放たれる――ッ!!
――ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギュィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッッッッッ!!!!!
凄まじい眩しさの中でケイオスは塵となった。
「……後は逃げた三人か」
「ひぃッ!な、なによアレ!」
逃げ出していた王国の使用人の女性は泣きながら駆けるが、何時の間にか地面へと頬が付いていた。何が何かも分からぬままに、首を落とされていた。
最後の二人は共に居た。母と娘だった。比較的若い母親。そして幼い子供……。
「ま、待って……この子だけでも見逃して下さい……っ!」
「……ママ?」
子供は何も理解していない様子だった。それ程までに幼い命……。
「テメェ。こんなクソガキ独り生き残らせた処で生き抜いて行けねェだろーが。二人仲良く殺してやる」
「……っ!!なんでこんな惨い事が――」
「またソレか?テメェ等の王が先に攻め込んで来やがったンだろーがよ」
「そ、そんなの私達には……如何しようも無いじゃない……っ」
涙が零れ落ちる。自分の無力さに、娘を守れない事に。
そして無慈悲にも母親の首は刎ねられた。
娘の顔に鮮血が飛び散るが、何も理解していない。
「……ママ?ママ?」
「安心しろ、今からテメェも送って――」
――ぎゅ。
娘はサーヴナックルギナの脚にしがみついて顔を見上げていた。
「……ママ?」
「あァ!?ッざけンな!!誰がテメェのママだ!!オレは生娘だッ!!」
「……ママ♡」
「……クソ。テメェの処分は他の奴にやらせる」
サーヴナックルギナは娘を抱き抱えると魔王城へと帰って行った。
設定
娘
黒髪ボブ、白と金のリボンを左側の髪に結んでいる。
母親
黒髪のサイドテール。かなり若い。旦那はフルブルプルに殺された逃亡騎士の一人。女手一つでは持って行ける物に限度が有る事と探し物に手間取り、逃げ出すのが遅れて悲惨な最期を迎える。ヘリオス達の侵攻の会話が無ければ、ソレを観測されていなければ助かっていた命。




