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68 四次元のボーイフレンド(1)不思議な夢

コパンたちによるシャトーの修復作業が終わり、シャトーは再び落ち着いた日々を取り戻していた。プリンセスは学圏の管弦楽団でファースト・ヴァイオリンを弾いているが、シャトーに帰ってきてからも練習に余念がない。


最近はベートーベンの交響曲第7番に取り組んでいるが、個人的に好きな曲の練習もしている。こちらは時々マーガレットやコパンたちに聞かせて喜ばれている。


今はパガニーニのカンタービレに夢中だ。そんなある日誰かがテレパシーで話しかけてきた。この地球上でプリンセスとテレパシーできるのはマーガレット、爺とコパンに限られているが、その誰でもない。


もちろん遠く離れたアルテミス星の誰か知り合いがテレパシーを送ることも不可能だ。そのテレパシーはかなり雑音が含まれていて聞き取りにくいものなのだが、かろうじて理解できるのは

「今日は、◯◯◯◯◯です。覚えてる?今度◯◯◯◯◯◯◯と一緒に◯◯◯◯行っていいかしら?」


肝心なところが雑音で分からない。一体誰が、どこから送っているのだろうか。プリンセスは、テレパシーの内容が分からないのと発信元が不明なのとでテレパシーを返すこともできないままでいた。


 ある晩プリンセスが眠っていると、妙な夢を見た。彼女は浅草の花屋敷という古い遊園地でマーガレットとコーヒーカップの乗り物に乗っている。


すると近づいてきた別のコーヒーカップに若いカップルが乗っていて、女性がこちらに向かって笑顔で手を振っている。どこかで見たことがあるような顔だ。


すると次の瞬間プリンセスとマーガレットはコスモスの咲き乱れる花園に立っていて、そこに若い男女のカップルが近づいてきた。女性は笑顔で話しかけてきた。


「どうも異次元からだとテレパシーがはっきり伝わらないようなので、私の魔法であなたの夢の中に入らせてもらっているの。私のこと、覚えていない?」


「ええと、どこかで会ったことがあるような気はするんだけど。あれっ、お好み焼きとか一緒に食べたっけ?」


「そうよ。だんだん思い出してきたようね。ほら、魔法で勝負して、あの時は私が負けたでしょ?」

「あっ、ひょっとしてマグドリア?確か四次元世界に住んでいる?天才的な魔法使いの?」


「ご名答!」

「で、隣の男性はお兄さんとか?」


「私のボーイフレンドのフォレスチエよ。彼はまだ四次元世界から外に出たことがなくて、私が友達がいるって言ったら是非行ってみたいって言うんだけど、ねえ、今度彼と一緒に遊びに行ってもいいかしら。


また案内してくれると助かるんだけど。そうそう、妹のマーガレットちゃんも一緒に。どう?」

「分かったわ。では今度の日曜日の10時に浅草寺の入り口で待ち合わせというのはどう?」

「了解。楽しみにしてるね」

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