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目覚めたらカードゲーム世界!?~やめろ私に近づくなメインキャラ!~  作者: 蒼井茜


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裏側~主人公の活躍の裏もある~

「そういえばあっちの……前世の私ってどうなったの?」


 不意に思った事を口にしていた。

 してしまっていた。

 因果律だなんだで家系が生まれるなら、その逆もまた然りではと言う事を失念していた。


「普通に生活していますよ。スワンプマンですけど」


「聞かなきゃよかった……」


「ちなみに向こうでスワンプマンが集めたカードもここに集積されていきます。言うなればここも道になったわけです。あちらからカードのみの一方通行ですけど」


「え、今後の新弾見られるの? それはありだわ」


 うん、こっちに利があるならそれでいいわ。

 うま味があるんだもん、文句は無いわ。


「格安でお譲りしますね」


「そこはプレゼントとか……いや、価値を考えたらそうなんだけどあっちの私が手に入れた物じゃない」


「スワンプマンですから。それにマスター並みの情熱が無いと精霊も集まらないので実質ただの紙束なんですよ。なのでストレージ価格でお譲りします」


「まぁ、理由があるなら仕方ないし、そこまで負けてくれるならいいけど……」


 いまいち釈然としないけどいいか。

 ストレージ価格なら中学生のお小遣い+拾ったカードの売却額で事足りるだろうから。


「それとこちらを」


 差し出された箱、随分と軽いけど大きいな。

 それを手に取って首をかしげながら開けてみると布と仮面が入っていた。

 広げてみれば黒地のマントにズボンとシャツ。


「これは?」


「精霊の力を存分に使った装備です。ヤミ札の精神攻撃を防げますし、物理ダメージの軽減も可能。ついでに認識阻害で普通のデュエリストはどんな人物だったか記憶できないようになってます」


「便利ねぇ……」


 ヤミ札をはじめとした謎パワーによる特別なバトルは精神ダメージと物理ダメージが当然のように追加される。

 代表的なのはモンスターが受けたダメージをデュエリストも受けるとか、魂を砕かれるとか、精神崩壊とか、なんなら負けた方が死ぬこともある。

 そしてヤミ札によってはその効力が数倍に跳ね上がる事もあるのだ。

 例えば拷問器具をモチーフにしたデッキを使ってくるヤミ札持ちがいたとしよう。

 そいつの攻撃は具現化して、対戦相手の身体を物理的に傷つける。

 なんならダメージを与えたところを闇に食わせるとかもあるけど、拷問器具だけあって死ぬほど痛いのに死ねないという事象が発生する。

 そうなると今度は精神的負荷がかかってきて、普段の実力を発揮できなかったりプレイングミスが多発する事になる。

 だからヤミ札の対策は面倒くさいのだが、これはそれが軽減されるという事だ。


 ついでに正体がバレないのもいい。

 欲しい物がてんこ盛りってところだな。

 問題があるとすればパンクファッションな所……こちとら幼児体型だから似合わねえんだよ!


「ちなみにこの指ぬきグローブとか、シルバーアクセサリーはどんな効果があるの」


「かっこいいです」


「え、いやだから効果……」


「かっこいいです」


 あ、ダメだこれ話聞いてない。

 いや、聞いているんだけど会話にならない。

 まぁ……装備しなければいいだけだし。


「おまけ機能でメイクアップの一言で一瞬で着替えられます。いわゆる一体型装備というやつなのでグローブもアクセサリーも外せません。手動で着替えても勝手に装着されます」


「ファ〇ク」


「あとフードは普通に風でめくれるので髪型とか髪の長さで性別バレは避けられないと思ってください」


「そこもっと不思議パワーで何とかしてほしかったんですが?」


「あ、ナイフはヤミ札特効でヤミ札に突き立てればそのまま破壊できますし、ヤミ札に洗脳された人間に刺せば傷痕残さず洗脳の効果だけ解くこともできます」


「それはグローブにつけてよ……完全に通り魔のそれじゃん……」


「言い忘れてましたが、今秋葉原周辺でヤミ札被害が広がっているので早急に解決していただけると助かります。デッキは是非機械仕掛けの神を」


「オーバーキルになりそうだなぁ……まぁいいや、一応他のデッキも見繕って持っていくけどいいかしら」


「どうぞ、お好きな物をお持ちください。必要ならば倉庫からカードを補充しても構いませんし、店舗のストレージから好きなカードを持って行っていただいても大丈夫です」


「そう? じゃあお言葉に甘えて」


 流石にデウスデッキはオーバーキル過ぎる。

 未来のカード群というだけじゃなく、未来の禁止カード群でもある。

 デウスデッキの根幹と言うか、機械仕掛けの神という名称が存在するカードは軒並み禁止カード行きになってる。

 滅茶苦茶株価下がった時期があったのだが、それがこのカードが刷られてから禁止になってしばらくと言う期間だったりする。

 なのでファンデッキとして作っていた私オリジナルの英雄デッキとか、アカデミアで使えそうなのをいくつかピックアップ。

 ついでに正体を隠すために最強クラスのデッキを二つほどカバンに入れて、デッキケースにはデウスデッキとグッドスタッフデッキを装備。

 そして手渡されたミサンガをつけて完了だ。


 このミサンガ、さっきの衣装が姿を変えた状態らしいので持ち運びも便利である。

 ……無駄にハイスペックなのに身バレの可能性あるのどうにかして?


「言い忘れていましたが、マスターは異なる世界の法則に縛られています」


「ん?」


「特別な能力を持たない一般人と言う事です。なのでここぞという場面でぴったりほしいカードを引いたり、存在しないカードを創造したりと言った事は基本的にできないと思ってください。せいぜいバトルを重ねると身体が鍛えられて頑丈になる程度です」


「基本的にってことは局所的や例外的な場面があるの?」


「そもそもマスターが追いつめられる事態にはならないと思いますが……主人公と呼ばれる方々の覚醒を阻害するようなヤミ札やそれに随する者との裏での戦いですね。あとは世界崩壊の危機に関する際のアレコレ」


「つまり最上級のピンチじゃないとオカルトじみたことはできないと……」


「その代わりに私達精霊がデッキに宿っているのである程度タイミングを見計らって入れ替わる事で引きたいカードを引くこともできますよ」


「インチキ効果も大概にしろ!」


「あとこちら、今はペンダントになっていますが変装時にはディスクになります。専用ディスクですよ! 改造してあるのでとても使いやすい仕様になっています!」


「へぇ、具体的には?」


「自動でシャッフルしてくれて、サーチやリクルートは音声入力、特別なバトルにも使用可能です! バイクとも合体できますよ!」


「最後の情報はいらないなぁ……まだ免許取れないし」


 バイクに乗りながらバトルするルールもあるんだけど……まぁ中学生なので免許は取れません。

 あと5年くらいは待たないとなぁ。


「それ以外だと核爆発でも損壊しないとかその程度ですね。おまけでヤミ札を破壊できる銃弾を発射できます。洗脳も解けますし弾丸も残らない精霊のパワーを打ち出すだけの代物なので銃刀法にも引っかかりません」


「じゃあナイフいらないわよねぇ!?」


「パンクにはナイフですよ」


 謎のこだわりがあるらしい……まぁこの世界じゃマントと仮面で姿を隠している程度珍しくないし問題ないか。

 主人公の髪型からして独特だし、そのライバルたちも大概だ。

 ちょっと変わったデュエリスト程度にしか思われないだろう。

 特に秋葉原にはコスプレデュエリストと呼ばれる類の人が沢山いる。

 ちょっと調べた限りではこちらの世界にはカード相性というのがあり、特定のデッキを使った際バトルの進行がスムーズになったり、強い動きができるようになるというのがある。

 カードとデュエリストの相性と呼んでもいいそれは、逆に言えば相性がそこまでよくないカードなんかを用いると途端にデッキが回らなくなるという側面もあるのだ。

 が、私はその例外だとかで精霊が力貸してくれるから大抵のデッキは使いこなせるらしい。

 それこそ精霊の矢印が別の誰かに向いていない限りは。

 具体的には主人公とかな!

 まぁ私の英雄デッキに関して言えば主人公やライバルが使うカードとは別物で、なおかつ彼ら専用カードみたいなのは一切入れていないから問題ないんだけど。

 一部汎用カードがある意味では主人公専用カードみたいな側面あったからそいつらだけボトム、デッキの底にへばりつくくらいじゃないかな。


「じゃあ肩慣らしにヤミ札を漁ってみるけど……あたり引き当てられる保証はないわよ?」


「大丈夫です、その腕のアクセサリーがヤミ札に導いてくれますから」


「効果あるんじゃない……この調子ならグローブにも何かあるんじゃないの?」


「カードを取り落としたり、シャッフルの時にぐしゃってならなくなります。まぁディスクがシャッフルしてくれるのであまり関係ないですけどね」


「……前世なら微妙に欲しい機能だったわ」


 まぁ前世は前世でマスクと眼鏡で顔隠して大会に出たりしてたし、シャッフルは苦手じゃないんだけど手が小さいから少しコツが必要だったのよね。

 あと一部シャッフルの方法にやたら五月蠅い人がいたので、いろいろなシャッフルの方法覚えたわ。

 ショットガンシャッフルはカードを痛めるからやらないけど。


だいたい魔女アキさんロリバージョン

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