表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/149

41話・竜王陛下の宮殿



「竜王陛下」

「何だ? ロージイ」


「お番さまにあの宮殿はお見せしたのですか?」

「まだだ。これから連れて行く予定だ」


「そうでしたか。余計なことを申し上げました」

「宮殿って?」


 

 ノクティスと、ロージイとの会話で気になる言葉が出て来て、アーシアが隣のノクティスを伺えば、じゃあ、行くかと彼は立ち上がった。



「ノク?」

「邪魔したな。ロージイ、チム」

「また、お越しくださいませ」



 彼は再び、指を鳴らした。またどこかに転移したようだ。次に連れて来られたのは、目も眩むような白亜の宮殿だった。



「ここはどこ?」

「ノースデン山にある我の宮殿だ」

「ノースデン山にこのような壮大な建物があったなんて……」



 アーシアは驚いた。



「普段は結界に覆われていて人の目では見えないからな。ノースデン山の山頂にある」

「あなたと出会ってから驚くことばかりだわ」

「退屈する暇がなくて面白いだろう?」

「それはそうだけど」



 おいで。と、ノクティスに手を引かれ、ある部屋へと案内された。薄絹の天蓋付きの寝室に、クローゼットルーム。応接間などあった。応接間の床はガラス張りで川が流れていて、天井は丸いガラスになっていて空が望めた。



「ここはそなたの部屋だ。我の部屋とドア一枚で繋がっている」

「素敵」


「この城を作ったのもノームだ」

「ええ。あの小人さん達が?」


「彼らは凄い能力の持ち主だからな。食べ物以外は大体の物は石から生み出せる。庭園の庭木も花も蝶や虫さえも石で出来ている」

「もう驚きしかないわ。服や靴も?」

「勿論」



 ベッドに腰かけると、隣にノクティスが座ってきた。



「結婚したらここが新居になる予定だ」

「良いわね。楽しみだわ」



 兄の手でアーシアは、アイオライト公爵との婚約が結ばれていた。三か月後の誕生日に挙式することも決まっていた。




「いま、ロージイ達にはあるものを頼んである」

「花嫁のドレス? 花婿の衣装かしら?」


「それはもう作らせた」

「なあに?」


「おまえのティアラだ。プレゼントすると言っていただろう?」

「覚えてくれていたのね。嬉しい。人生初のティアラね」




 アーシアがノクティスの腕に自分の腕を絡ませると、彼は彼女に顔を寄せた。




「挙式は盛大に出来ないが、せめて身に纏うものくらいは最高の物で仕立てる」

「わたくしはあなたと一緒にいられるだけで幸せ。これ以上のものを望んだら不幸になりそうで怖いわ」



 ノクティスは、この国ではアイオライト公爵の地位を持つ。その彼のもとへ嫁入りするので降嫁となる。ノクティスの国へ行けば、竜王陛下の妃として盛大に挙式をあげることも出来ただろう。そうなると竜人国の王と、ヴィジリタス国の王女の婚姻となり大規模なものとなる。二人はそれを望まなかった。


  ノクティスもこの国では、自分の正体を知られるのを避けるように、人との関わりをあまり持とうとしてこなかったので、「人間嫌いで偏屈者」と思わせてきた。そのアイオライト公爵が実は竜人で、しかもその国の王だ等と知られれば、平穏に暮せるわけがない。

その為アーシアは、自分は王女でも、降嫁する身なのだから臣下の身に相応しい挙式をと、慎ましい形での挙式を望んだ。


  それが一部の高位貴族に称賛を得たようで、王妃が面白く思っていないらしいという話も聞こえてくるが、自分は王宮を去る身なのだから、放っておいて欲しいとアーシアは思っていた。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ