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38話 結局

 仕方がないし特に指示もないので奥さんたちの手伝いをすることにした。

 こう見えても食堂の下働きだ。いや、下働き以外はやってないんだが。

「大変ねぇ」

 おばさんたちはそんなことを言いながら男たちの昼飯を作ってる。長期戦を覚悟の上ということだろうか。



大変よねぇ。まったく。うちの子もふらっと遊びに行っちゃっては困ってるの。

いや。あの子はそんな子じゃないわ。親の言いつけをまもるいい子なんだけどね。

家族が大変でしょう?お父さんは出稼ぎの行商、おばあさんは森の奥。毎朝おばあさんのところに様子を見に行くことにしてるんだって。

ばあさんに朝ゴハンを届けたあとに自分の朝食だなんて孝行な娘よね。


「いやになって家出したなんてことはないんですか」


あぁ、たまにいるわね。でもどうかしら?思いつめてた感じはないけど。

親の言いつけを守るいい子よ。そんなことはないと思うわ。

もしそうなら、族長様と親方様にお願いして外国に留学させて貰えばいいのよ。

そうねぇ。そういう子も多いらしいって聞くわ。親方様もわかって送ってるフシもあるのよね。


「へぇ、勝手に遊びにいっちゃうなんてこともないんでしょうね」


そうね。おとなしい子だからないと思うわ。

言いつけは守るし、どこに行くにもちゃんと挨拶をしてくれるのよね。

いい子ね。うちの領の子なんか男も女もみんなわんぱくよ。


「うーん、すこし、お願いしていいですか。この芋の皮むき」


いいわよ。というかあなた器用ね。もうこんなにできてる。

いやね、私達が喋りながらやってるせいじゃない、彼を見習わないと。

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