36話 ドワーフとエルフのすごさ
ドワーフというのは凄い生き物だ。人とは違う。
何をいまさら、と言われそうだが今この状況を見るとそう思う。
人の駆け足より少し早い程度の牛車と同じ速度とはいえ、森の間に切り開かれた碌に舗装もされてない道を数キロも走って誰一人として汗の一つもかいていない。後ろについてきた奥様二人もそうだ。
むしろ牛車に乗ってる人間たちの方がひどい振動でやつれている始末。
ドワーフ領に向かって事情を伝えに言った奥さんは、この二倍のスピードは出ていただろう。人間離れしている。というか人間じゃない。人間じゃないから当然と言えばそうなんだが。
「そこの一群、止まってくれ」
先ほどのエルフと同じような恰好、ただしこちらは服が赤く染めてある、の二人組が止めた。
「すまないがエルフの子供をみなかったか。金色の長髪。耳長。白いワンピースを着た子だ」
「こっちの道沿いでは見てないな。その話を聞いて、俺たちも手伝おうと思ってきたんだ」
「あぁ、狩りの日だったな。すまない。なら集会場の方に向かってくれないか。そこで指揮してるから」
そういって二人は森の中へ消えていった。
身軽な動き。こちらも人間離れしてる。
「この辺の森は深いからな。森に慣れた連中でもちょっと気を抜くと迷っちまうから何処の餓鬼にも道から外れるなって言いつけてある。その子も妙なところに入り込んでなきゃいいんだが」
ドワーフのおじさんの一人が僕に対してそんなことを言ったが返事をする気力などない。
ケツが痛い。ホントにもう少しどうにかならんのかねこれ。




