64話 亜理子パパ
亜理子パパ、亜理子のお父さん……何度かあった事はあるんだけど、基本的にいい人である。
大企業の社長で凄いお金持ち、だけど人を見る目はちゃんとあるし気取ったところもなく親しみやすい人だ。
何故こんなに亜理子パパさんを褒めちぎっているかといえば、その人が目の前にいるからだ。
普段温和な人が怒ってるのって怖いよね、ま、怒っている相手は俺じゃないんだけどね。
「全く僕の大事な亜理子を誘拐するだなんて……どこの組織の人間かは知らないが後悔させてやる」
ああ、この人親バカなんだけど、我が子可愛さ余ってやらかすような人ではないのできちんと法的に裁く方向なんだろうとは思う。
「しかしなんだね、正吾君……本当にありがとう、君が居てくれなかったら今頃亜理子がどうなっていたか……」
俺が亜理子を連れてきた時既に身代金の要求とかされてたらしいが、俺がその電話の最中に亜理子を背負って来たのでなんとか事なきを得たというか、まあしっかりと警察呼んだ上で逆探知も出来たし時期に犯人グループも見つかるだろうって。
それに俺がどうして行ってもいない遊園地に居たのかとかそういう細かいとこは聞いては来なかった、単に知らなかっただけというよりも俺が除け者にされてたのは知ってたみたいだし、亜理子と一緒に言った面子がそこまで親しい訳じゃないのも知ってたらしく、心配していた俺がつけて行ったとかぐらいに思っているんだろうけど、普通――――子供が一人で遊園地なんて行ける距離じゃないしどうやって入園したんだって話でもあるが、今回のような大事に至ってしまった事で多少錯乱しているんだろう、気にしない方向になっているらしい。
「んん? ……アレ? お父さん、私なんでお家にいるの?」
亜理子が目覚めた、亜理子パパは亜理子を抱きしめながら「怖かっただろう、もう大丈夫だからな」と囁いていた。
「ん? あれ、しょーご君だ。どうしてウチに居るの?」
「ああ、それは俺が亜理子をおぶって帰ってきたからさ」
「そうなの? 私寝ちゃったんだ……他のみんなは?」
「知らん」
そういうと亜理子は「ふぅん」と興味もなさげに呟き。
「そうだ、今日はしょーご君も家でご飯食べない?」
「そうだね、娘を助けてもらったお礼もしたいから親御さんも呼んできてくれないかな?」
親もか、まあそれは別にいいけど俺が遊園地に亜理子を追いかけていったとかバレたら嫌なんだけど――――と露骨に顔に出してしまったのか亜理子パパは。
「ああ、勿論今回の件は黙っておくよ、普通の親御さんなら君の行動を叱るはずだしね」
叱られたくないという意図はわかってくれたみたいで、多分言わないか、もしくは叱らないでやってくれぐらいは言ってくれるかも知れない。
「わかった、父さん達を呼んでくるね」
「いってらっしゃい」
亜理子が手を振って見送ってくれる、さて……今夜は焼肉かな、亜理子の家で食事=大体焼肉であるので俺は急いで家族呼びに、隣にある我が家へと駆けていった。




