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旧:召喚術師の喧嘩殺法  作者: 噛み付き熊さん
高校生が神になるまでのその過程
54/70

53話 デート・オブ・シカコ

本日初更新。


後は午後にします。

 俺が亜理子とデートしていた頃、俺は(・・)

 異世界アルカディアに来ていた、鹿子を連れてだ。

 デートって言ったはいいが行くあてがない、そして鹿子にどこがいいかと聞いたらここだった、前世で支配していたというこの世界がいいと言われた。

 俺は『記憶読取』で鹿子の前世の異世界の記憶を読む。

 物凄い怒りが込み上げてくる内容があった……。

 まあいい、とりあえず、――――俺は二人で異世界へと転移した。


 そこにはビル街があったわけだが。

 異世界でビルっておい、鹿子の記憶じゃこんなもんなかったが、つかよ鹿子が前に死んでからどんだけたってるんだ?

 異世界ってのは基本的に時間の流れがそれぞれ違う、まあ俺は空間だけじゃなく、時間もいじれるから元の世界に問題なく戻れる。

 だが、異世界に行く際は全くと言っていい、コントロールはできない。

 だからこの間あっちで一万年も過ぎたとか言われた時は焦った、がよく考えたら、あの時点から元の時間に戻ろうとしていれば戻れていた、まあしかしそれはあの勇者と女神無視していればの話でフィージュ達も一万年後のを連れてきてしまったためもうそれは確定してしまった。

 もしあの時勇者無視して自力で戻っていれば、世界王を倒したあの後に戻れていたはずである、これは後から桜に聞いたのでまず間違いないが、今更気にしても仕方がない話でもあった。


 俺たちは情報収集することにした、『記憶読取』や『思考透視』を使えば人に話を聞かずとも情報は得られる。

 それで得た情報によると、鹿子を倒した勇者は建国して大統領になったとか、元の世界の技術を広めて文明を飛躍的に発展させたという。

 いや、元の世界の技術ってなんだよ、俺の見た記憶じゃあの勇者高校生ぐらいなのになんでビルの立て方とか知ってんのか?

 もしかしたら俺と同じイメージすることで何でもできるチート君なのかもしれないが、しかしそれなら鹿子を卑劣な罠にはめて殺す事もなかっただろうに、ただあれだな、何かしらを作る力なのかもしれない。


 正面から行くのもいいがどうしたものか、それじゃつまらんしな、いやデートだしな?

 ちっと観光するか。


 と思うじゃん?これがつまらないんだ、いや全くどこのオフィス街だよ、カフェとかそんな妙にシャレた店ばっか、まあ幼女っぽいのとジャージ少年にはハードルが高い。

 まあしっかしつまらない街だな、いる人間は皆サラリーマンとかOLっぽいやつらばかりで、全然異世界に来た気がしない。


「これからどうするんだ?つか来る世界間違えたんじゃね?」

「そーですねーどうしましょ?」

「いやどうしましょって、俺はてっきり勇者ボコしに行くのかと」

「あーいや別にいいんですよそんなの、あそこで死んでなきゃ、あたしマスターには会えませんでしたからね」

「まあ、そうなんだろうが、感謝するのは違わないか?」

「感謝なんてしてませんよー、ただ、あれど良かったかなーって少なくともあたしが支配してた頃より悲しいそうな顔してる人間いませんしね」

「笑っている人間もゼロだがな」


 本当につまらないのはここの連中だ、何が生き甲斐なのかね?

 無表情で歩く集団ってのはある種の恐怖を感じるんだが。


「あ、ソフトクリーム屋さんがあるみたいですよマスター!」

「ああ、買ってやるよ」

 俺らはソフトクリームを買うことにしたわけだが――――この世界の金を持ってなかった。

「そうだこの世界の金がなかった」

「そう言われればそうですね……」

「まあこんなこともあろうかと」


 俺達は共感覚で常に記憶を共有している、んだが、亜理子と一緒にいる俺が、北海道の牧場しぼりたてミルクを使用したソフトクリームをいくつか買って亜空間に入れてくれたのがあってだな、それを二つ取り出し、一つ鹿子に渡す、あれだ彼氏が彼女に買ってくる構図なのだがな。


 俺は警察に補導された、いや違うな逮捕かな、とりあえず警察署に連行された、まあ傍から見たら、幼女にソフトクリームを渡して誘拐しようとするジャージ姿の不審者だしな。

 いや実際そういう方向で今取り調べさせられてるが、なんか机の上にヒレカツ丼が乗ってる。

 食えって、食ったら吐けって……そんな汚いことできるか。

 つかこれって勇者の方針らしいんだが、あれだよな、刑事ドラマの見過ぎだろう、つか今時のドラマじゃ食べ物なんて出さないぞ……。


 何も話さなかったそのまま牢屋行きになった、正直この世界の言語は分からない、まあ『思考透視』でなんとなく考えが分かった程度だ。

 まあ前世ではこの世界に生きてた鹿子もカタコト程度にこの世界の言葉は使えるらしいんだが、どうにもハッキリしたことが言えなくて、警察で保護(・・)されている。

 牢屋送りの俺とは大違いだ、今ヴェルダンディアイで様子を見ているんだが、なんか迷子扱いになってるとかで公開捜査?じゃないが身元の情報提供を求むとかいう感じの貼り紙を作られている。


 鹿子が個室に入れられたのを確認した俺は『天の声』で、連絡を取ることにした。


『おい、大丈夫か?』

『あ、マスター……あたしは大丈夫ですけど、マスターは?』

『ああ、もちろん牢屋送りだ』

『何がもちろんなんですか!?』


 鹿子は俺のために怒ってくれている、まあそれは有り難いが今のは『天の声』だけじゃなく口にも出してしまったらしく、声を聞きつけた婦人警官が個室に入ってきて、そのまま暴れだした鹿子を取り押さえている。


『おい、落ち着けよ、あんま騒ぐな、出るに出られなくなるだろう?』


 そう言ってやると、鹿子は大人しくなった、婦人警官はそんな鹿子の頭を撫でてあやしている……つもりらしい、本人にとってはこの上なく不快な話だが。

 しかし、どうしたものかなー出ようと思えば出れるが、このままじゃ逃げているみたいで、嫌だ。


 そんな事を考えているうちに、鹿子側に動きがあった……なんと勇者、いや今は大統領らしいが、大統領自らが鹿子を訪ねてきたんだ、これには鹿子も驚いている。

 なにせ、前世の自分を殺した相手だしなー、大統領は鹿子が魔王であると気づいた様子はない、むしろただの迷子だと思っているらしい。

 馬鹿かこいつ、まあ確かに鹿子は前世と似てないそうだが、それでも何か思うところがあるだろうに。

 大統領の後ろから大統領夫人と思われる人物が――――三人も出てきた、鹿子の記憶を見た時に知った顔だ、僧侶風、魔術師風、剣士風のやつらか。

 何やら四人で話し始めた、もちろん『思考透視』はしているが――――どうやら迷子の鹿子を養女として引き取ろうという相談らしい。

 幼女を養女に、まあなくもない発想なんだが、これには話を聞いていた鹿子がその場で駄々をこね始める。

 困った風な顔をする婦人警官や大統領達、仕方ない、俺が行くか……元々大統領(勇者)に会うためにここに来たんだからな。

 俺は牢屋から転移して消えた――――まあその時看守に思いっきり見られたが。


 脱獄系不審者の登場である。

 俺は転移してすぐに駄々をこねる鹿子の頭を撫でてやった。


「もう大丈夫だから、泣くな」

「……はい、マスタぁ」


 ちょっと涙目の鹿子も愛おしい。

 大統領は驚きの表情を浮かべている。


「あんたがこの世界の勇者様かよ?」


 俺は睨みながら、鹿子を庇う様に立ちふさがる。


「な、なんだお前は、日本語だとっ!?お前まさか……」

「そうだ、お前と同郷だな、まあこいつとデート中に不審者と間違われて、捕まった残念な少年Aだな」

「デート!?そんな幼女とか?犯罪だろう!」


 その言葉に反応した鹿子が。


「あたしは十六歳だ!ふざけんな勇者、あんたがあたしを殺したんだろうが!」

「な、何を言っている?俺が殺したって?そんなこと――――」

「あーそれな、こいつ、お前が倒した魔王の生まれ変わりなんだわ」

「ま、魔王!?あの凶悪で冷酷な殺すには勿体無い巨乳お姉さんだと!?」


 驚くのはそこか、いや、まあ……俺も前世の鹿子を記憶からちらっと拝見したが、あれだな、月子の本気モードみたいな感じだった。

 本当にキャラ頭の激しい奴らだ。


「ま、魔王がい、一体なんのようだ!」


 焦っているのか、勇者は声が裏返っている。


「いや、別にこいつはお前には興味ないらしいんだが、俺がちょっと興味あるからデートついでに見に来たんだが」

「お、お前が!?そういえばお前は何者なんだ!?」

「俺か?俺はただの通りすがりの召喚術師、兼異世界勇者だ、まあ最も俺は元の世界に帰還できるから今はただの高校生だけどな」

「た、ただの高校生が勇者で魔王とデートなんてするはずがないだろう!?」


 ごもっとも、だが事実だしな。


「まあ、いいから六発殴らせろ」

「な、なんで六発!?」

「ん?いやこいつの手下の五人も今は俺が預かっているからな、そいつらの分だが、俺は女の顔面に拳を打ち込む趣味はないから、お前旦那なんだろう?肩代わりしろや」

 縁音たちは後ろの夫人達にやられている。


 俺は勇者に死なない程度に六発顔面にぶち込んでやった、他の連中は悲鳴を上げている、鹿子はというと、スッキリしたようで、ガッツポーズしていた。

 俺は、鹿子を連れて、離れた場所に転移した。


「いやー大変だったな」

「そうですねー」

「んじゃ、もうこの世界に未練はないんだな?」

「ですね、もう後腐れとかなしです」

「そっか、じゃあ帰ってデートの続きでもするか?」

「それもいいですねー、あ、今日ウチ親いないんで来ますか?」


 お前のとこもいないのかよ、まあいいかお邪魔することにしよう。


 俺達は元の世界に帰って、鹿子の家でテレビゲームなどして遊び、鹿子の手料理を食べ……一緒に風呂に入ったり一緒の布団で寝たりした。

 何かおかしい気がするがその時は、気付けなかった、俺は深い眠りに就いた。


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