43話 変態勇者に鉄拳制裁
翌日のことだった。
昼休みに亜理子と鹿子達の顔合わせは済ませたんだが、鹿子達の亜理子に対する畏まり様――――なんだこれ。
最後には鹿子が亜理子をお姉さまとか呼び出す始末、亜理子って後輩から人気あるんだな。
と、ここまでは良かったんだが、放課後、俺に珍客があった、異世界フィレスの神、女神フィレスっていうのが、訪ねてきたからだ。
「会いたかったお父様!」
とか言って抱きついてくるこいつは、花子や桜に似ているが、まあ胸は花子よりか。
「いやいや、会ったことないし、なんだって言うんだよ」
フィレスさんの言うことにゃ、俺があの世界を去ってから既に一万年が経過してるだとか、その間に俺のハーレムが神になったとか。
そんでその後悪い魔王が生まれたため、新しい勇者を呼んだこと、そしてフィレスとその勇者が結婚することになった云々。
ほとんど惚気だった、まあところどころ、重要な事言ってたりしたが。
桜達が人間に祭り上げられて、神殿から出られなくなって『天の声』が使えないとか。
レクスもう死んじゃってるとか。
みんな俺に会いたがっているとかな。
まあ俺も会いたいし、そろそろ、亜理子や鹿子達を連れて一度行こうかと思っていたところなのだが。
それでだ、その肝心の勇者ってどこにいるんだ?俺に送還を頼みに来たってのにこの場にいないんだが。
俺はヴェルダンディアイを使い勇者ってやつを探した。
――――居た……しかもなんか亜理子も一緒に居る……よしフィレスには悪いが奴はボコすしかないね『思考透視』で奴の邪な考えが見えたからだ。
俺はフィレスと一緒に奴の元へ転移した。
「好きです!俺と結婚してください!」
なんかバカみたいなこと言ってやがった。
「おい、フィレス、お前、本当にあんなのがいいのか?」
「え?あ、はい、あれがいいんです、他にもハーレムの子がいますし、今更一人二人増えてもいいんです」
そんなこと仰るところは桜に似ている気がする。
「へぇ、そうなのか」
さてどう料理してやろうか。
亜理子も突然の告白に困惑――――いや、あれは……魅了か?亜理子はなんとか抗ってはいるが、なんかこれ以上はやばそうだな。
巫女の洗脳魔法もそうだがあの勇者のは魅了魔法とでも言うべきものか、相手の心理、心情に関わらず、相手をものにできるようだ、フィージュ達や鹿子達なら問題なさそうだが、巫女の洗脳にもかかる亜理子にはちと厳しいところがある。
「それに俺、勇者なんですよ!ほら、これ魅了の聖剣って言うんですよ!すごい綺麗でしょう?」
なんだその聖剣、叩き折ってやるか――――そろそろ亜理子がやばそうだ。
俺は、まあ構図としては剣を見せて女子生徒を脅す男子生徒を止める役――――のような感じで行こうとしたんだが。
「待ってください、お父様でも邪魔は許しません!」
「どけよ、フィレス、あいつ殴れない――――それに俺の女に手を出したら万死だろ?」
フィレスが驚愕している、そんなの聞いてないという風に、まあ知ったこっちゃない。
俺は、『鉄甲』『金剛怪力』『時間遅延』ついでに『発光』も使っておくか――――
「神速!鉄光拳!」
走りながらスローモーションの世界を駆け抜け、奴が持っている聖剣を――――素手で叩き折った。
粉々に散らばる聖剣の破片から亜理子を庇いながら少し離れたところへ転移する。
「な、何者だ!」
時が元の速度に戻った途端聞こえた怒声。
「あ?黙れ、人の女に手を出す奴に名乗る名はない」
「な、何ぃ――――」
俺は奴の顔面を殴って黙らせた。
「黙れと言ったはずだが?」
殴り倒したら地面で頭打って気絶した勇者、そしてそれをフィレスが駆け寄って介抱をしている。
それから俺は鹿子達を召喚し、フィレスと、気絶中の勇者、亜理子を連れて、異世界フィレスへと、転移した。
ここで唐突に異世界へ舞い戻る!




