27話 公開処刑
俺は、トラノ山という場所に転移してきていた。
目的は魔族の街に向かう召喚勇者組を潰すためだ、この山の先にはあの、フィージュと縁のある蜥蜴騎士の街がある。
俺には何の関係もなければ、義理もない街だ。
別に蜥蜴騎士がどうなろうと知ったことではないが、もし戦って委員長様達が怪我したら大変だしな。
「正吾君……」
おっと委員長様じゃん、早いな来るの、しかもなんだ、昔の呼び方しちゃって、でも目が虚ろなんだよなー。
喧嘩しに来たけどこれをどうこうするって気には――――おっと。そういえば一人じゃないんだっけ。
俺の思考の邪魔をしたのは、ボクシング部上木の右ストレートだった、まあ避けたけど。
「無粋なもんだないきなりとは、スポーツは辞めて、喧嘩に鞍替えか?」
「グ……ロダァ……」
おう、なんがアレだな、狂戦士つうか、こいつまともじゃねぇ、わかってたけど他の連中も目が狂気に満ちてる。
女子なんて委員長様以外、変顔状態だぞ……ちょっと引いた。
「ガアアアアァ!」
もはやパンチも何もなく飛びかかってくる上木に、俺は――――
「ひっさぁぁつ!ゲート・ジパング・パンチ!」
襲って来る割にほとんど隙だらけの上木に対して、アッパーカットで奴の下顎を貫いて、さらに、遠くへと飛ばすイメージを込める。
奴の肉体は白く眩い光を放つとパンッ――――と音を立て、弾け跳んだ。
「…………」
呻く暇もなく上木はこの世界から消失した、服や、武具、防具が地面に落ちる、上木の肉体とパンツはもうこの世界のどこを探しても見つからない。
惜しいやつを失くしたぜ、お前の拳なら世界だって狙えただろうに――――と言っておいてやろう奴の名誉のために。
さて、他の連中はといえば、怯えていた、まあそうだろう、パンチ一発で人が消し飛んだ光景を目の当たりにしたのだから。
「しょ……ごくん」
委員長様がその場に崩れ落ちた、何やら呆然としているが、後回しだ、特に自分の意志で逃げ出せるようでもないしな。
それに、俺が一歩踏み出すと、他の連中は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した、あのイケメンすらもだ、全くそんなんでよく勇者なんて名乗っていられたな。
俺は空間把握を半径三十キロメートル……まあそんなに広く見なくてもあいつらの足じゃ、そう遠くにはいけないはずだが。
とりあえず、足の速いやつから仕留めるか二、三分そこらで逃げ切られるとは思わないが、他のを仕留めているうちに逃げ切られる可能性も否定できない。
俺はサッカー部の長島の目の前へと転移した。
こいつは百メートル走を十一秒ぐらいで走るからな。
奴は俺が目の前に現れると、その勢いを殺せず突っ込んで来たので、顔面に拳を打ち込む。
「ゲート・ジパング・パンチ!」
そして奴も肉体とパンツ以外を残して消失する。
あー途中まで喧嘩っぽかったのに、これでは単純作業である。
その後俺は近くの洞穴の中で仲良く、身を寄せ合って震えていた、吉田、坂本、桜井に同じ要領で頭に軽くげんこつを落とす程度要領で消していく。
肉体とパンツは消えるが……ブラが残ってた、それぞれD、F、Bだった。
えーと残るは、イケメンと委員長様と……誰だっけ……ああ、倉井のやつか、こいつ影薄いからな。
探す必要はなかった、なんか女子三人が落としていったブラを拾いに来たらしい、飛びついてきた、ブラに。
こいつスゲー変態だったんだな、匂いを嗅いたりしていたのでそのまま消した、いやサービスでパンツと肉体に加え、三人のブラも一緒にだ。
元の世界に帰ったら、あいつはとんでもない紳士だったとクラスメイトに話すしかないな、多分言うまでもないけど。
さてイケメンは……なんか委員長様の元に戻ってきてるぞ。
俺は転移して二人の元へと急いだ、妙な胸騒ぎがするっていうやつだ。




