25話 女神召喚
翌朝、俺は起床してすぐに全員を呼び集めた。
数日前は朝起きた時から部屋の中に全員居るって状態だったけどな、鍵かけても月子がどうやってるか分からないが勝手に開錠して入ってくる。
空間魔法で外の空間から切り離すことによってようやく侵入を拒めたぐらいだ。
客間に全員が集まる、畳、八畳、ちゃぶ台とミカン完備というこの部屋は主に憩いの場としている。
「さて、今日みんなを集めたのは、だな、簡潔にいうと、新しくここに入りたいって言っている奴がいるんだが、受け入れるかどうかの相談をしようと思ってだな」
「ほう、ここにか、で、どの様な者が、いつ、そのようなことを?マスターはここのところ一度たりとも外へは出ていないはずだが。」
フィージュが腕を組み……あのポーズ胸を抱えている様にしか見えないんだよな、大きすぎて重――――なんだよ、睨むなよ、大きいはいいのに重いはダメなのか。
「いつ、と言われれば昨晩夢に出てきた、まあ俺に力をくれたこの世界の女神さまだな」
「女神、ああ、あの子か」
知っているのか、花子――――まあ最年長だしな、父親が世界樹だとかいうし、女神ぐらい知ってても不思議はない。
「女神かー、……女神ならきっと、うん、女神歓迎」
そんなことを言う月子はなんか企んでいるな……悪寒がする。
「なるほど、そういう手もありじゃな、そういう事ならこの件は全員賛成じゃな」
フィージュが勝手に決めたぞ、白雪とか紅白ずきんズはどうなんだ?
と、そちらに視線を送ってみるが。
「序列的にフィージュ様、花子様、月子様なので私には異存はない」
と白雪、長いものには巻かれろって事か?
ずきんズも頷いているしな、なら、呼ぶか女神。
俺は、立ち上がると右手に召喚の指輪(女神)を装備し、女神を呼ぶことにする。
「さて、女神よ、さっさとこいや!」
俺に詠唱とか口上なんてものは不要なので気軽に呼び出す。
「はいはーい」
女神が登場する、なんかノリ軽いな――――そういえば女神の姿ってまともに見たことがなかったが、花子と瓜二つだった、いやというか花子が緑とすると、女神は桜色。
花子の色違いつーか、まあ服は葉っぱじゃなくて花びらだけど、花子と違うとすれば……貧乳なぐら――――痛ぇ、なんか木の実投げてきたぞ。
「失礼な事考えるからですよーだ」
あっかんべーしてくる女神、なんか可愛い。
「で、なんで花子の色違いなんだ?」
俺のにとっては結構大事なところだ。
「それは僕から説明するけど、簡潔に、腹違いの妹だから」
花子が珍しく喋った、なんか少し饒舌だな、妹がいるから嬉しいのか?
「つか、腹違いってなんだよ、花子は蜘蛛で、女神さまはなんなんだ?」
「そりゃー母なる大地ってやつですよ、そのせいで女神なんて役を押し付けられてしまったんです」
大地に種が落ち芽吹いた……それってただの植物じゃね?
「そうです、が、まあわたしは半神半花ですよ」
要するに花が神格化されたってことか。
「まあそうですね、で、今回勇者様が世界に喧嘩を売るっていうことなのでこちらに避難しようと思った次第ですね」
「俺の喧嘩と女神さまの避難って関係あるのか?」
俺がそういうと女神さまはちゃぶ台をバンバン叩きながら
「大アリです!いいですか?この世界は私そのもの、そしてこの世界に喧嘩を売って倒すっていうのはつまり、
神殺しを行い、世界の支配者になるってことなんですよ?」
神殺し、過去に一度だけなされた偉業――――初代世界王がやらかしたらしい、そんでその時神がくたばったので代わりに女神さまがこの世界の神として、あの変な真名を付けられたのだとか。
「ですから、今回、先に、この場で契約をしてしまえば、世界は勇者様に支配されますが、私は死なず、新しい名前がもらえるっていうことなのです!」
要するに死にたくないし、ついでに改名したいってことだな――――また名づけかよ。
「勇者様のネーミングセンスは当たり外れが激しいですからね、いいのにしてくださいよ?」
良い名前、つってもな、そのままで行けばいいんじゃね――――
「んじゃ、桜、――――はい、契約完了」
よく考えずに、契約する――――正吾は世界の支配者(仮)になった!
マジかよ、え、世界王倒さなくていいのか?
「いいんです、倒したときに(仮)がなくなりますので――――ところでサクラってなんですか?」
なんですかってこの世界に桜はないのかよ、桜ってのは春に咲く淡いピンク色の花だって――――イメージしてやると。
「おお、綺麗ですねー私と同じ色です!」
桜がはしゃいでいる、よっぽど気に入いったのか。
「ふむ、中々」
フィージュさんも見えたのか。
「育ててみたい」
育てるって桜って種の段階から育てるって聞いたことねぇな。
白雪、月子、紅白ずきんズはポカーンとしてた。
っていうか白ずきんは心が読めるんじゃなかったのかよ?
「イメージまでは見えません」
マジかよ、まあなんにせよ、これからまた、賑やかになることは間違いなかった。




