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旧:召喚術師の喧嘩殺法  作者: 噛み付き熊さん
自由への逃避行
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22話 赤ずきんの森

サブタイトルは赤ずきんですが内容的には

22話 白雪や花子の事情

でも良かった気が。


 火炎の森――――外周を常に燃え上げる、魔法の木々で覆われ、外敵から守られている、ドワーフが住む森だとか。

 一応自衛のためにドワーフ以外の傭兵を雇っていて、まあ赤ずきんの父親はその傭兵やってた狼男らしい。


 全く火事かと思ったら鍛冶用の薪になる木とか……


「す、すみません、私が言ってなかったのが悪いんです」


「いや気にすんな、お前に確認を取らなかったのも悪い、んで、本当に里帰りしなくていいのか?」


「はい、行ったってどうせみんな居ませんから――――」


 そう、この煌々と燃え続ける森には、今、生き物は居ない。

 五大英雄シグルズとかいうのが自分の武器を鍛えさせるために連れ去ったのだとか、そんで、鍛冶のまだ、できない赤ずきんは酒代の足しにするために奴隷商――――レクスの親父に売られたらしい。


 これは後で知ったことなんだが、紅白ずきんズも俺より年上らしい、まあ半分精霊と半分ドワーフとかいう、長寿種族でどっちもこれ以上成長しない代わりに不老になったらしいんだけど。

 ちなみに赤ずきんの両親も故人だ、父親はシグルズとの戦いで戦死、母親も酒に酔ったシグルズから赤ずきんを守るために身代わりになったという。

 ああちなみに赤ずきんの頭巾が赤いのは両親の血が染み付いていて一種の呪われた防具というものになっているらしい。

 一度目は父の、二度目は母の、娘を守るために死んでいった二人の最後の願いの篭った血を浴びて。


 この時から赤ずきんは誰にも傷つけることができなくなった、まあそれゆえにシグルズは奴隷商に売るしかなかったらしいが。


「んじゃ次、行ってみようか」


 まだまだ日は高い。

 一度相談のため異空間に赤ずきんを連れて帰ることにした。


「そうじゃな……まあ皆昔話はしたのだろう?順番で言えば、花子か白雪の縁の地で良いのではないか?」


 とフィージュさん、それに賛同する紅白ずきんズ。


「じゃあ、近いほうから」


 と俺は二人を見た。


「いきなり故郷に連れていくって、何?僕の両親に、娘さんをくださいって言うの?」


 こいつ半分植物、半分蜘蛛って聞いたけど両親ってどんなんだ……ってか生きてるのかよ。


「いや俺らまだ出会って二日だからな?」


 論点が違う気もするが、まだ気が早いんじゃないか。


「え、でも昨日は激しかったのに、僕もう種植えちゃったし」


 そう言うと花子は、鉢植えを取り出して、そこには何か植物の芽が出てていた。


 え?


「いや、意味わかんないから」


 そう言ってやると「そう」と言って、寝室に引っ込んだ、機嫌を損ねたか、後で謝っておこう。


「まあ、あやつの生まれた場所は世界樹とも言われる世界一の巨木にして神木じゃから、果てしなく遠いし後回しになるじゃろう」


 なんだよそれ。

 ってか片親植物ってまさか……


「そうじゃな、やつの父親は世界樹じゃ、まあ母親となった巨大蜘蛛の腹に世界樹の種が落下、蜘蛛の腹を突き破り、そこを苗床にし成長、何千年もかけてあの姿に至ったと聞いておる」


 ――――もうこれ以上は聞くまい、まあ生まれがどうあろうと今は俺の仲間だ、そんなこと関係はない。


「そんなことか、……よかったな」


 最後のは俺に言った訳ではないらしい、襖が少し動いたしな。


 つか、もしかしてフィージュ以外も俺の心の声、聞いてたりする?


「あ、はい……」


 と白ずきんが、流石は半精霊。


「ん……」


 花子が麩の隙間からこっちを覗いている。


 マジかよ、まあいいけどさ、仲間内なんだ、隠す事は何もないしな。



「で、白雪の故郷ってどこよ?」


 話を戻すことにした。


「私のか、私の故郷は……魔王の、支配する街だ」


 いきなり出てくるのかよ、魔王。


「私はほとんど人間なのだが、一滴だけ、と言ってもいい程度の薄さで、吸血鬼の血が混じっている」


 吸血鬼ねぇ、まあありきたり――――とも言えなくはないが別にいいんじゃね?


「じゃあ、血を吸ったりするのか?」


「いや、私ができるのはせいぜい、肉体を強化することだけだ、それに吸血鬼のもつ魔力をほとんど持っていない、ゆえに魔族側では迫害され、人間側でも少しでも混ざっているため恐れられ、最後には信じていた友にも裏切られた……」


 お、おう、話がどんどんと暗い方向になっていく。


「まあ気にすんなよ、昔のことは全部忘れちまえ、今は俺が、俺たちがお前の仲間であり家族、は言いすぎかもしれねぇけど、それで十分だろ?」


「マスター……そうだな、昔は昔、今は今だ、それに私の身は既にマスターのも――――」


「はい、そこまで、俺は何も知らないし、何も見ていないから、つかホント、お前ら気が早いんだよ、そんなの五大英雄とか世界王ぶっ飛ばした後にしろよ」


「ほう、マスターはあやつらを倒す心算であったか」


 フィージュは関心したと言わんばかりだ。


「そんなの当たり前だろ、何言ってんだ、やられたら殺ってやる、それが喧嘩ってもんだろ?」


 まあ、半分は女神さまに頼まれたからだが。

 ま、とりあえず今後の方針は魔王次第ってことにしよう、そうと決まれば。


 俺は遠見の術を使い、魔王の住む城――――王城より立派じゃねぇか、アレだよあれこそがファンタジー世界のお城だろ!

 ……城の中を覗くと玉座には、幼女……最近魔王が幼女って話多い気がするけど実際幼女が魔王とかどうなんだ?

 しかもなんか幼女怯えた顔してるし、なんだ?――――クーデター?

 なんかあの幼女、やばいんじゃ――――俺はそう思うと、亜空間からあの指輪を取り出していた、そう、神殿の宝物庫から持ち出した召喚の指輪を。

次回、魔王登場!



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