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旧:召喚術師の喧嘩殺法  作者: 噛み付き熊さん
自由への逃避行
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16話 年長さん、落ちる

アレ?白雪さん無能説が……

サブタイトル変更、最年長は花子だった。

 目を覚ますと、様々な形をした異形の化け物に取り囲まれていた。


「って、おい、いきなりかよ!」


「うむ、すまぬな、アレは儂の追っ手じゃな」


 フィージュの追っ手、人間じゃねぇのかよ。

 フィージュと花子以外腰を抜かして震えている、つか白雪って案外臆病なのか?


「全く……てめぇら、俺の仲間に良くも迷惑かけてくれたな、いいぜ、買ってやる、その喧嘩、俺が勝った!」


 啖呵を切ったら相手もその気になったのか、ウネウネし始めたが、ぶっちゃけあんなの素手で相手なんかできない。

 俺は、空間把握――――数は百二か、また半端な数字だな。


「よっしゃ、新、必殺技!プレッシャードーナツ!」


 足りない頭でひねり出したネーミング、我ながら酷いもんだぜ。

 なんて考えながらも空間隔離で周りを取り囲んでいるから俺らを中心にドーナツ状に隔離し。


「圧縮!」


 空間収縮でドーナツ状の空間を収縮していけば、連中は逃げ場もなく、そのまま潰れていき……


 うわぁ、なんかメチャとかクチャとかメリメリ、メキメキいってる、かなりグロい。

 粗方、片付いた辺りで、俺は手のひらを前に差し出し、グッと握り締めると、空間が解放され、様々な色の混ざり合った体液が周囲に撒き散らされた、とりあえず生きている敵はいないな。


 今の光景で白雪と紅白ずきんズが気絶しやがった、メンタル弱いな。


「はあ、強いってのも考えものだな、また喧嘩って言うには呆気無く終わっちまった」


 脱力――――やった気がしないなマジで。


「お疲れ様じゃ、マスターは強い男だったのだな」


 惚れ直した――――とまでは言わんようだかフィージュは俺のことを見直してくれたようだ。

 小僧呼びがマスターになったしな。


「小僧と呼ばれている方が良かったのか?」


「いいや、そんなことはないぞ」


 首を横に大袈裟に振って全力否定しておいた。


「さてと……こいつらをどこか、安全な場所に運ばねぇとな」


 でもどこに?


「そういうことなら、マスターよ、お主、空間魔法が扱えるのだろう? 異空間を生み出しそこに拠点を築く、遥か昔の空間魔法師はそうやって暮らしていたらしいぞ?」


 そうかなるほど、その手があったか。

 俺は早速、異空間生成を使い俺たちの拠点となる空間を作ることにした。


 ――――どうやら色々と設定できるらしい、空間に加え、時間、そして召喚の力を応用し……

 ファンタジーには似つかわしくない、俺たちの拠点が出来上がったのだった。


 何をどうしたらこうなった……、作ったばかりの異空間に入った俺たちの目の前には、立派な二階建て一軒家が出来上がっていた。

 4LDKというやつか?

 この人数で住むと案外手狭じゃなかろうか。

 誰だこの貧相な発想(イメージ)しかできない奴は……俺だけど。

 お手本にした物件も元の世界の俺の実家だしな、仕方ない。


「ほう、これがマスターの生家か」


 フィージュが四人を抱えて付いてくる、白雪と紅白ずきんズは仕方ないかもしれないが花子は起きてるんだから自分で歩けよ。


「ガスに、水道、電気まで通ってんのか……どうなってんだよ」


 ライフラインは確保されていた、召喚と時間の魔法が関係しているらしいことはわかるのだが、何がどうしてこうなっているのかは説明できない。

 自分のイメージに合わせているだけだからな、自分の知識にないものは、そういう風になるように他の魔法で補助されてるんだろう、これは多分女神さまの力だな。


「とりあえずみんなを休ませないとな」


 俺は和室になっているはずの部屋――――寝室をイメージしていたさ、しかしな……一面真っ白なシーツ、一歩踏みだすと低反発マットレスのようだ。

 白雪、赤ずきん、白ずきんと寝かせ、その横で花子もいつの間にか寝てやがる、本当にこいつは寝るのが好きだな。


「ふむ、では我々も寝るかのう?」


「いやまだ昼間だろう……まあ色々あったんだ、寝たっていいだろう、おやすみ」


 と、踵を返すと――――後ろから引っ張られた。


「ふふ、どこへ行く気だ、マスター?」


「ん?今のうちに買い出しに行こうかと思ってな、こんな拠点を手に入れたんだ、何かと必要だろう?」


 フィージュさん、まさか一緒に寝ろと仰るので?


「そうか、まあそれも良いな、では儂も行かせてもらうぞ」


「いや、フィージュは残れよ、他の連中が目を覚ました時に誰もいなかったらダメだろう」


「それは大丈夫じゃ、どうせ明日の朝まで目覚めんよ」


 確かにぐっすり寝てるしな、まあ仕方ないか。


「んじゃ、ちょっと跳ぶから掴まれ」


 手を差し伸べるとしっかりと握り返してくる、フィージュ、これじゃまるで――――


「恋仲のようじゃな」


「そうだな、と言っても俺は女と付き合った事なんかないからわからんのだけどな、そういうのは」


「お主程のがか、まあそれは儂もじゃ、しっかりエスコートしてくれよ?」


 はいはい、と返して俺は、フィージュを連れ……元の世界へと跳んだ。


次回、なんとなくデート?する話



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