15話 女神さまの説明会
さて、南に行くと決めてから、転移でギルドメンバー全員を街の外に運び出し、俺は魔力切れでぶっ倒れた。
視覚外っていうのと自分以外を含めっていうのが原因だろう、ついた瞬間にごっそり減った。
今はみんなが見張ってくれているといいんだが、まあこの思考をフィージュあたりが感じ取ってくれていたらありがたい。
で、今俺は気を失って気絶中のはずなんだが、何故か意識がある、といっても外?の様子はまるでわからない、はっきり言ってこれが噂の精神世界!
って感じだと思うんだが、勇者特典さん、そこのところどうなんだ?
「そうですね、大体そんなところです」
と、さっきから目の前に居た少女、勇者特典さんが返事をしてくれた。
「というか勇者特典さんって案内アナウンスとかじゃなくて実体もあったんだな」
クスクスと微笑する勇者特典さん。
「その呼び方定着しているところ悪いのですが、私にはちゃんと名前がありますよ?」
ほう――――名前あったのか。
「私はこの世界の女神、フィレスカッツェドゥーン……」
「あ、それ名前なんだ……いやそれって初代王が決めた名前じゃなかったっけ?」
人名、いや神名にこのネーミングセンスは正直ないだろう。
「ええ、まあ私は世界そのものと言ってもいいので、初期の名とは違いますが、後の世に残る名前が私の名になりますので」
「はた迷惑な話だな、それに元々の語源ヒレカツ丼だって聞いたぞ、そんな名前でいいのかよ」
そう、初代力士王の好物、ヒレカツ丼こそがこの世界の名称であり、現地民の間でいつの間にか訛っていったらしい。
「そうですね、それには少し殺意を覚えましたが」
ダークなオーラを漂わす女神、マジ怖い。
「まあ、それは置いといてだ、女神さまは何しにやったきたわけさ? 正直俺、勇者解任されたんだけど」
「その件について、ですよ、いいですか黒田正吾、貴方はこの世界の真の勇者なのですよ? あんな巫女と王ごときの判断で勇者を辞めさせられるわけないでしょう?」
ほう、俺が真の勇者だと?
「私が召喚し、私の声が聞こえる者、即ちそれが勇者の証、故に他の巻き込まれただけの凡人とは違うのですよ」
「俺だけが呼ばれたのか? これって、てっきり俺が巻き込まれたもんだとばっかり」
「いいえ、それは違います、私は貴方を召喚する際になるべく最小限で魔法陣を展開したのですが、そこに貴方を取り囲むようにして彼らは立っていた、故に彼らこそが巻き込まれた被害者なのです」
と仰るが、俺も勝手に呼ばれた只の被害者じゃね?
「それは違うでしょう、貴方は他の者と違い、ちゃんと帰ろうと思えば帰れる、それだけの力を与えましたから、まだ全ては目覚めていませんが、今ここで目覚めてもらいます」
なんだこれ覚醒イベントだったのか、まあ使える力が増えるってんなら歓迎だよ。
「ええ、ですから、今からきちんと、貴方が使える力を伝えます」
そういうと、俺の頭の中……精神の中で頭の中とかややこしいな、まあいいか、頭ん中に情報が流れ込んできた。
俺が使える魔法は三つ、召喚、空間、時間、三カン魔法か――――
それから複合魔法としてゲート魔法。
まずは、召喚スキル
指輪召喚
例の召喚の指輪を使った召喚術だ。
断絶召喚
部位召喚とか言ってたアレだ、切り取りだな。
鏡面召喚
分身の召喚ってことらしい、コピーだな、貼り付けはないのか。
それに契約した者を召喚する、通常召喚、これはスキルというより、息を吸うのと同じぐらい自然にできるらしい、契約するのもだ。
次に、空間スキル
亜空間収集
お世話になってます、お馴染みの収納魔法だな。
空間隔離
相手を閉じ込める魔法らしい。
空間断絶
空間を切り離すが、これは切断するわけではないらしい、一種の壁を作るようなもんだとか。
空間拡大
レクスの持っていた魔法の袋はこれで作れるらしい。
空間収縮
空間隔離と同時に使えば閉じ込めた相手を潰すことができるそうだ。
そして異空間生成――――
プライベート空間を作れるとかなんとか。
時間魔法は覚醒しても大してできないらしい、せいぜい、加速とか相手への遅延、減速程度、時よ止まれ的なことは無理らしい。
そしてゲート魔法、これはほとんど補助らしい。
使い方は追々――――
さっきから物凄い勢いで揺さぶられている、外で何かあったのかもしれない。
俺の意識はそのまま覚醒へと向かっていった。




