13話 勇者、クビになる
簡潔に言おう、いや、いつものことか。
ギルドは結成できる、スライム討伐で手に入った核を見せつけてやったら、係員が慌てふためいていた。
まあそこもいい、ギルド名も「喧嘩屋本舗」にした――――誰も反対しなかったのでそのまま決まってしまった。
ほぼトントン拍子だったと言えるんだが、一つ問題が発生した。
スライム討伐の功績を称え勲章を与える式典が開かれるんだとか。
その席に勇者、巫女、世界王も参列するとか何とか……。
隠す必要はないちゃないが、バレたら最後、俺の自由ライフは終わっちまう。
どうすべきか、いっそサボるか?
そんなことを考えていたら、フィージュが何やら提案があるとかで。
「出るのが嫌なら、病欠ってことにして、副ギルドマスターの白雪に任せれば良いのではないかのう? こやつも、昔はギルドマスターとして名を馳せた豪傑だ、きっとマスターの代わりぐらいにはなる、どうじゃ?」
どうじゃ? と言われましても――――つーか白雪さん、ギルマスだったんすか。
当の本人は。
「昔のことだ、それに私が奴隷になったのも前のギルドの副マスターに謀られた結果だ。」
だとかで、まあ一応引き受けてくれたが、とりあえず俺は別口で参加せねばならないから、頼むと伝えると。
訝しむような顔をしながら了解してくれた、いい仲間を持ったものだ。
「では、ショーゴさんはこちらのお召し物を着てから広間に居らしてください。皆様既にお揃いですから」
なんか巫女さんの言動に変化が、敬意ってものがなくなった、様付けじゃなくなったからな、後なんか棘がある。
俺、何かやったかな?
言われるがまま、礼服的なものに着替え、広間へと向かうと――――
先に来ていた、ドレス姿の委員長様達が待っていた。
「黒田君、遅刻ですよ?」
委員長様の視線が冷ややかなもので痛い。
「ああ、わるかった、で、この集まりは一体何なんだ?」
俺はここに来るまでに説明は一切受けていない、この後式典に出るっていうのは知っているが、部屋から一歩も出ていないことになっている俺が知っているのはやはり、不自然だ。
俺の質問に誰も答えちゃくれなかった、なんだこの冷めた空気は……
巫女さんが、見たことない魔法使い風の男を連れて現れる。
「皆様、静粛に、では、これより、適正審査の儀を執り行いたいと思います。」
適正審査の儀、それはその人物の魔力、気力など様々な『力』を測りその者の戦闘力を調べる儀式。
by勇者特典より……えー式典の前になんか儀式をやるんだとか。
そんで次々に魔法使い風の男の前で委員長達が戦闘力を測られていたんだが――――俺の番か、最後に俺一人余った訳なのだが……
「ショーゴさんは必要ありません、なぜならば、貴方は部屋を一歩も出ず、鍛錬場にする来なかった、貴方には戦うものとしての知識が何一つないはずです、よってこの儀式を行う必要もなく、ここに貴方の勇者解任を宣言します。」
おっと急展開、勇者クビにされちまった、いやまだ三日だろう、気が早いんじゃないか?
そう、まだ三日なんだよな、召喚されて、すぐにスライム倒して、翌日コーラに一日、そんで今日も朝から奴隷を買ってギルド作って。
今日一日がやたら長いなー、そんなことは置いといて、これは自由へのチャンス――――そう考えたほうが人生楽しいはず。
「あーそうかい、そうかい、んじゃ世話になったな、あば――――」
清々するという感じで立ち去ろうとしたら、突然兵士に囲まれた。
「解任します、が、解放するというわけには参りません、なので――――貴方は奴隷落ちです。」
巫女さんがそう宣言すると足元には魔法陣があり――――これ、転送用じゃね?召喚術師の知識があったのでそれが何か分かったんだが。
飛ばされた――――どっか暗いところ……ってここは、さっきまで居たレクスの店の檻の中じゃねーか!




