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「 あ、あの… 」
「 ? どうしたの? 」
「 まだ名前を聞いていないな、と思いまして 」
名前を聞かないとどうやって呼べばいいか分からないし
「 嗚呼、言ってなかったね、私は宇佐美一香気軽に一香って呼んで 」
「 宇佐美さんですね 」
「 え〜ん、下の名前で呼んでよ〜 」
いくらなんでも仲良くない人を下の名前で呼ぶのはハードルが高いと思う
「 あ、ついたよ! 」
そんなこんなしている間に着いたらしい
「 ここだよ〜 」
その病院は思ったよりも綺麗だけど周りが森に囲まれていて少し怖い
「 … 綺麗だけどなんで森の中に … 」
「 あぁ、患者のみんなが暴れ出した時に被害がないようにね 」
なるほど
確かに奇病はたくさんあると医者から聞いた
「 ここにはいろんな事情を持って来てる子もいてね 」
「 なるべく人が少ない方がいいんだ 」
「 なるほど … 」
それなら宇佐美さんも …
いや、聞くのは野暮だ
やめておこう
「 あ!いたいた!センセ〜 」
そう言いながら宇佐美さんは大人の人のところへ走って行った
「 先生!あのね〜奇病の子連れてきたよ! 」
そういう宇佐美さんは先程とは違う雰囲気で話しかけている
「 嗚呼、君が一ノ瀬さん? 」
「 あ、はい、一ノ瀬結那と言います 」
「 そ〜、僕は神城亜夜、これからよろしくね 」
「 はい、よろしくお願いします 」
それにしてもこの人に事情なんて言ったっけ … ?




