終礼『獣耳学園に帰ろう』
〜 終礼『獣耳学園に帰ろう』 〜
帰りのバス内。
「それにしてもよ」
「何?」
ケンとコゥの二人は調度バスの中間ぐらいの椅子に並んで座っていた。
ケンは当然拒否しようとしたがそこはそれ、もはや服従した犬でしかないケンに拒否権はなかった。
「何か、最後の方はずっとこいつらに振り回されてた気がしねぇか?」
「…それは、激しく賛成するわね」
「その意見に賛成」
「私も…」
兎人の双子も手を上げて賛成する。
『…はぁ』
四人の溜息の原因は当然ハヤトとミアである。
二人は来た時同様にバスの一番後ろで並んで座っていた。
一つ違う点を述べるとするならば、今度はミア同様にハヤトも眠っている事である。
ご丁寧に互いを枕にするように器用に眠っていた。
「ったく、今回は蚊帳の外って感じだったぜ」
「夏だけに?」
「洒落で言ってんじゃねぇよ、コゥ」
ケンはコゥのツッコミに対してそう返す。
「ふふ…」
「んだよ?」
「今、自然にコゥって言ったよね」
「…一々ツッコムなよ」
恥ずかしいだろ。
そう言いたくなるが、それを言うとさらに恥ずかしい思いをするので言うわけにはいかなかった。
「嬉しいな」
「けっ…」
ニコニコ笑うコゥに対してケンは非常に不満そうな面をしていた。
「…何か、すっごくつまんないわ」
「…うん」
一方、まさしく残り者、いや失礼、蚊帳の外である兎人の双子はそう愚痴をこぼす他なかった。
かくして、獣耳学園の一向は合宿を終え学園へと戻る事となる。
合宿の終わりを喜ぶ者もいれば悔やむ者もいる。
各々に様々な思い出を残し、合宿は終わりを告げた。
だが、学園の生徒達は知らなかった。
この合宿の真の意味を。
合宿が合宿たる所以。
様々なイベントの背後に見え隠れする校長の暗躍。
それらが一体何を意味するのか。
夏が終わり、秋になる頃、学園の皆は初めてその意味を知るのであった。




