# しおり 第一章ここまでのおぼえがき
## 人物・地名・用語整理
※このしおりは、第一章終盤までに本文中で判明した情報を整理したものです。
※物語の真相や、まだ主人公が知らない情報には触れていません。
※「あれ、誰だっけ?」「この言葉なんだったっけ?」と思った時の確認用です。
※ぶっちゃけ、作者が設定を忘れないためのメモ帳です。
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# 主な登場人物
## 堺井 真司
本作の主人公。五十二歳。
日本で販促、広報、企画、運営全般のコンサルティングをしていた中年男性。
異世界に転移し、肉体年齢は四十歳前後まで若返っているらしい。
戦闘能力や魔力に優れている勇者や賢者ではなく、現実世界で身につけた経歴がそのままスキルになった実務サバイバー。
転移直後から過酷な異世界の洗礼を受けるが、なんとか生き延びている。
転移時にスマホと財布を失ったが、結婚指輪だけは左手の薬指に残っている。
本人は家族のいる元の世界へ帰ることを強く望んでいる。
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## 真司の妻
真司が元の世界に残してきたと思っている、大切な人。
作中ではまだ多くを語られていない。
真司にとっては、仕事のように飾って話さなくてもいい相手であり、迷った時に最後のところで背中を支えてくれる存在。
真司の胸に残っている言葉は、
「楽しんでね」。
真司が転移した朝、コーヒーの湯気の向こう側では……。
今はまだ、誰も知る由もなかった。
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## ルカ
若い行商人。
リーヴェ近くの道で、黒沼にはまった荷馬車とともに真司と出会う。
短く切った髪と小柄な体格のため、真司には最初、少年だと間違えられた。
護衛のガレンが黒沼に侵されたことで強い不安を抱える。
真司との出会いで、ローデンの宿場町では商人として成長する兆しを見せる。
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## ガレン
ルカの護衛。
荷馬車事故の際、車輪と黒沼の間に足を挟まれ、黒沼由来の浸食を受ける。
セレーナの応急処置によって進行を遅らせられたが、リーヴェでは完治できず、領都レグフォードへ運ばれることになる。
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## アース
ルカの護衛。ガレンの弟。
真司に対して当初は強い警戒を見せる。
だが、真司がガレンを運ぶために荷馬車の横を走り続けたことを見て、少しずつ見方を変えていく。
ローデンの湯場では、黒沼に汚れた両手を使えない真司の身体を洗う役目を引き受ける。
力加減はかなり荒い。本人はイモ洗いの要領で洗ったらしい。
そりゃ皮ごといくわ。
真司談。
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## バルト
荷馬車の御者。
馬と荷馬車を扱う人物。
黒沼にはまった馬車をリーヴェ、ローデン、レグフォードへと運ぶため、馬車の状態を見ながら慎重に操馬した堅実な腕前を持つベテラン御者。
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## セレーナ
巡回書記官。
リーヴェで真司たちの前に現れた、深い紺の外套をまとった女性。
黒沼に侵されたガレンへ応急処置を行い、真司の異常性を記録する。
治療だけでなく、検分、記録、判断、報告を行う公的職能者。
仮界紋を使って真司との意思疎通を可能にした人物でもある。
今の時点では、真司が知る普通の書記官とは少し違う。
立場は思った以上に高いのかもしれない。
巡回する書記官なんて聞いたことないぞ。
真司談。
その立場も職業も、まだ謎が多い。
理解したことと言えば、
「記録します」
という言葉は、彼女にとって単なるメモではなく、公的な意味を持つということ。
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## ローデンの女将
ローデン宿場町の宿を仕切る女将。
ローデンの中で一番大きな宿の経営者であり、宿場町のまとめ役でもある。
目ざとく真司たちの小袋商品に目を付けただけではなく、真司の商才を誰よりも早く見抜いた人物でもある。
ルカに商人の心得を教えたりと、面倒見はよさげな人。
真司には遠慮しない毒を吐くが、おせっかいとは違う、懐の大きさを感じさせる人でもある。
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# 主な地名
## リーヴェ
森の道を抜けた先にある村。
真司たちが黒沼事故のあと最初にたどり着いた場所。
村の外でガレンと真司が隔離され、セレーナによる初期処置と検分が行われた。
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## ローデン
リーヴェからレグフォードへ向かう途中にある宿場町。
二本の街道が交わる中央に位置する交通の要所。
馬車溜まり、宿、湯場、車輪修理の職人などがあり、毎夜毎朝、旅人や荷馬車が行き交う。
ルカが荷を用途別セットとして売り出し、初めて手応えを得た場所。
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## レグフォード
領都。
リーヴェやローデンより大きな町で、城壁、門、支所、治療院などがある。
ガレンの本格的な治療や、真司の検分・登録のために向かう第一章の目的地。
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## 書記官支所
レグフォードにある公的機関。
記録、照合、検分、手続きなどを扱う場所。
異邦人である真司は、ここで正式な確認を受けることになる。
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## 治療院
レグフォードでガレンが運び込まれる施設。
リーヴェでの処置では限界があったため、より上位の治療や封止処置を受けるために向かう。
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# 主な物・道具
## 結婚指輪
真司の左手薬指に残っている指輪。
スマホも財布も失われ、服もこの世界用に変わっている中で、唯一残っていたもの。
黒沼に触れたあと、真司は指輪の周辺にかすかな温かさを感じることがある。
現時点で真司は、ただの結婚指輪だと思っている。
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## ボード
真司の視界に浮かぶ半透明の表示。
最初はステータスのような形で現れた。
以後、状況検分、警告、推奨、状態表示、言葉の補足などを行う。
ただし万能ではなく、未知の情報については「情報不足」「解析不能」と返すことも多い。
真司からは、うるさい板、不親切な板、役に立つ時もある板のように扱われている。
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## 仮界紋
異邦人との意思疎通や、一時的な存在登録に関わる魔術印。
通常は手に施すものだが、真司は両手が黒沼に汚れていたため、緊急措置として額に刻まれた。
その結果、真司はこの世界の人々と日常会話ができるようになった。
ただし、固有名詞、制度、専門用語などは自動で完全理解できるわけではない。
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## 光る瓶
セレーナや村人たちが使う、淡い光を放つ小瓶。
黒沼反応の確認、処置、隔離線の維持などに使われている。
普通の灯りではなく、黒沼や処置に関係する道具らしい。
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## 灯文鳥
セレーナが作った、光る紙の鳥。
報告や連絡に使われる道具と見られる。
リーヴェでの黒沼事案と真司の存在は、これによって領都側へ伝えられた。
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## ぬくみ石
ローデンの宿場町の湯場で使われていた石。
水に沈めると湯浴みにちょうどよい温度まで温めることができる。
重く、扱いが難しく、割れると損になる。
真司はこの作業を見て、籠や滑車を使った運用改善を思いついた。
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## 簡易応急セット
ルカの荷を、真司の助言で用途別にまとめた商品のひとつ。
怪我や体調不良に備えるための小袋。
薬草、巻き布、紐などを組み合わせている。
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## 夜間備えセット
ローデンで売り出した小袋のひとつ。
火打石、火口、蝋芯、油入り小瓶などをまとめたもの。
暗い道や夜の出立に備えるための商品。
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## 道中修繕セット
ローデンで売り出した小袋のひとつ。
針、糸、革紐、留め具、当て布などをまとめたもの。
旅や馬車道中で壊れた物を直すための備え。
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## 出立準備セット
ローデンで売り出した小袋のひとつ。
出立前にまとめて買っておきたい小物類を組み合わせた商品。
宿場町の朝に需要があると見込まれている。
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# 主な現象・制度・用語
## 黒沼
黒い泥や沼のように見える危険なもの。
普通の泥ではなく、触れた草や木片を変色させ、人の傷口に入り込むような異常反応を示す。
水で洗っても落ちにくく、傷口に入ると浸食が進む。
真司は黒沼に直接手を入れたにもかかわらず、ガレンのような深刻な浸食がすぐには起きていない。
この点は、セレーナから見ても異常である。
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## 黒淵
黒沼に関連する現象を指す、より公的・専門的な言葉。
第一章時点では詳細はまだ不明。
黒沼そのものや、それに関わる事案を扱う際に出てくる言葉。
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## 灰線
黒沼接触者を隔離するために引かれた境界線。
リーヴェの門外で、真司やガレン、馬車の周囲に設けられた。
ただの囲い線ではないが、何の効果があるかは現時点では不明。
村人たちはこの線を越えず、真司もその内側に留められた。
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## 異邦人
この世界の外から来た者を指す言葉。
真司は異邦人として扱われている。
他に異邦人がいるのか、異邦人はよく現れるのかは現時点では不明。
ただ真司の場合、この世界の人間から見れば、黒沼に触れてもすぐ浸食されない時点で、危険であり、同時に未知の存在でもある。
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## 異邦検分
異邦人や黒沼関連の人・物について行われる確認手続き。
危険性、汚染、身元、反応などを確認する。
真司は領都レグフォードで、さらに詳しい検分を受けることになる。
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## 仮界籍
異邦人を一時的にこの世界で扱うための仮の登録。
保護の意味を持つ一方、監視や確認の意味も含まれる。
真司はまだ正式な扱いが定まっておらず、保護対象であり観察対象でもある。
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## 記録します
セレーナが使う言葉。
単に紙に書くという意味ではなく、公的な記録として残す、照合できる形にする、責任の所在を明らかにする、という重みを持つ。
同時に、ファンタジーならではの不思議な意味合いもありそうだが、現時点では詳細不明。
レグフォードでは、この一言だけで周囲の空気が変わる。
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# 現時点で分かっている真司の立場
真司は、勇者でも、犯罪者でも、ただの旅人でもない。
黒沼に触れた異邦人。
黒沼に触れても深刻な浸食が進んでいない異常な存在。
ガレンを助け、ルカたちに協力した人物。
しかし、危険性や正体がまだ分からないため、保護されながら観察される対象。
第一章終盤時点の真司は、
「家に帰りたい男」であり、
「この世界で生き延びるために記録される男」でもある。




