EP.57
それぞれの準備が整い、ツナグ、林太郎、剛、ルイは、ツナグの家の玄関に集まった。
「さて、そろそろ行こうか」
林太郎が、皆に声をかける。その場にいた全員が頷いた。
「いよいよだね。楽しみだね」
待ちきれないとばかりに、ツナグは目を輝かせている。
ルイは、そんなツナグを慈しむように見つめている。
林太郎が剛を見ると、剛は照れ臭そうに、ほんの少し微笑んだ。
「扉を開けるよ」
ツナグが扉を開けると、そこは以前訪れた涼太の店だった。
「こんばんは」
扉の向こうで、涼太が笑顔で出迎える。
そこには、叶奈、悟もいた。全員が揃った。
「皆さんこんばんは」
「皆さん揃いましたね」
ツナグの挨拶に、悟が微笑む。悟のその言葉に、林太郎は返事をするように微笑んだ。
「ひとまず、晩ごはんでもいかがですか?」
涼太が提案する。
「涼太さんのご飯が食べられるの⁉︎」
ツナグの目が、また輝く。そんなツナグを見て、ルイが微笑んだ。
「もちろん。せっかくなら皆で食べようと思って、ハンバーグを作ったんだ」
「ハンバーグ⁉︎」
「ハンバーグ! あのお肉の美味しいやつか!」
ツナグの目が、さらに輝く。林太郎も、嬉しそうに声を上げる。
ルイと剛も、それぞれに反応する。
「良いわね」
「良いな」
そんな彼らを見ながら、叶奈と悟も微笑んだ。
「涼太さんが作るハンバーグは、きっと絶品ですよ。楽しみだなぁ」
「そうですね。私も、涼太さんが作るハンバーグは初めてなので、とても楽しみです」
叶奈と悟の会話を見て、涼太が微笑む。
「ありがとうございます。丁寧に作っているので、ぜひ食べてください。すぐ準備しますね」
テキパキと準備をする涼太と、それを手伝う叶奈。穏やかな時間が流れる。
「わー! 美味しそう!」
ツナグが、ハンバーグを見つめながら声を上げた。
「ほんと、美味しそうね」
「これは、楽しみだなぁ」
ルイと林太郎も口々に、見た感想を口にする。
「さて、皆さんお箸とか揃ってますか?」
涼太が、皆が席についているテーブルを見渡す。フロアには、ハンバーグの良い香りが漂っている。
「揃いました」
叶奈が、代表して返事をする。他の全員も、異議がない様子で笑顔で頷いた。
「さて、ではいただきましょうか」
悟の言葉に、全員が口々に「いただきます」と言って、手を合わせた。
各々ハンバーグを箸で切り取る。ツナグは、フォークとナイフで小さく切る。
初めにハンバーグを口に運んだのは、ツナグだった。
「美味しい! 本当に美味しい! これは、幸せの味だね」
ツナグが、フォークとナイフを置いて、両前足を両頬にぴとりと当てて、幸せそうな顔をした。
そんなツナグに続き、皆も口々に美味しいと言った。
「美味しい! やっぱり、涼太さんが作るハンバーグは美味しい!」
「本当に。幸せの味ですね」
そんな、叶奈と悟の言葉に、林太郎、剛、ルイも感想を口にする。
「君は、料理屋さんもできるかもしれないね。本当に美味しいよ」
「ほんとに。これは、美味しいわね。肉汁が程よくて、でもちゃんとジューシーで。本当に美味しい」
「うまい」
皆の感想を聞いて、涼太は照れ臭そうに右手で頭の後ろをぽりぽりと掻いた。
「ありがとうございます。皆さんが喜んでくれて、嬉しいです」
ほんのり空気が冷たい夜が過ぎていく。
空には星が瞬いている。賑やかな夜は、少しずつ明るさを飲み込んでいく。
夜はまだまだ始まったばかり。
読んでいただき、ありがとうございます。
さて、皆が大集合しました。
いよいよ、皆で流星群を見る日です。
とは言え、腹が減ってはなんとやら、夜中に向けて、皆で腹拵えですね。
意図せずではありますが、ちょうどこの日にジュンク堂さんで、ミッドナイトジュンクラブというイベントを開催しているようです。
行ってみたいですが、夜中起きていられない民なので、家でYouTubeとX(旧Twitter)を見て、のんびりしています。
でも、行ってみたいですよね。まず当たらないとではありますが。
そんなこんなで、ジュンク堂さんの夜も、ツナグ達の世界の夜も、まだまだ始まったばかり。
いよいよ、楽しい夜の宴の幕開けです。
ぜひ、続きもお楽しみいただけますと幸いです。




