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星降る夜にひとときの願いを  作者: 黒田真由


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EP.45

 ツナグの言葉に続いて「いただきます」と言うと、それぞれフォークでケーキを切り、口に運んだ。


「うーん! 美味しい! キャロットケーキは、ルイが作るものが世界一だよぉ」


 ツナグはそう言いながら、左前足を左頬にぴとりと当てた。

 叶奈も、ツナグと同じように左手を左頬に添えた。


「美味しい! シナモンとかの味がする! あと、このクリームチーズかな? 甘酸っぱくて美味しい!」


 叶奈の言葉に、ルイは嬉しそうに頷く。

 涼太と悟も、目を見開きながら、感想を口にする。


「美味しい……! これは、ぜひ僕の喫茶店でも出したいケーキです!」

「美味しいですね。定期的に食べたくなる味です」


 林太郎も、笑顔で頷く。


「うん。今日のケーキも美味しいね。さすがルイだ」


 剛は、小声でぶっきらぼうに感想を口にする。


「今日もうまい……」


 それぞれの言葉に、ルイはもう一度嬉しそうに頷いた。


「みんなありがと。作った甲斐があったわ」


 全員がケーキを口に入れたタイミングで、沈黙が生まれる。

 沈黙を破ったのは、涼太だった。


「ツナグたちのいる世界には、季節はあるの?」


 涼太の言葉に、叶奈と悟が反応する。


「あ! 私もそれ気になってた!」

「私も気になりますね」


 ツナグは、ごくりとケーキを飲み込むと、涼太の質問に答えた。


「季節はあるよ。四季がある。場所にもよるけど、僕たちが住んでいる場所は、比較的温暖な気候だよ。と言っても、冬はほんのり雪が積もる程度には寒くなるよ。雪かきするほどではないけどね」


 ツナグの言葉に、ルイが頷く。


「そうねぇ……今はちょうど春から夏へ移り変わる時期だから、過ごしやすい気候ね。これから、少しずつ暑くなってくると思うわ」


 ルイの言葉に、悟は言葉を発した。


「皆さんの世界では、花は咲いたりするのですか?」


 悟の言葉に、今度は林太郎が答えた。


「そうだね。季節によって、色とりどりの花が咲くよ。場所にもよるみたいだけど。僕たちがいる場所は、日本と同じタイミングで、日本と同じ花が咲くよ。春には桜が咲くし、梅雨の時期には紫陽花が咲く。夏は向日葵が咲くし、秋は紅葉が綺麗だ。冬から春にかけては、水仙や梅も咲く。私があの世界に行って気付いたのは、あの世界は君たちがいる世界と並行して存在しているのだと思う」


 林太郎の言葉に、剛が言葉を続けた。


「パラレルワールドに近いものだと思う。神話とかで言うなら、異界か冥界だろう。ツナグの家にある本に書いてあった。俺たちがいる世界は、あんたたちがいる世界と同じ時間が流れていると。パラレルワールドと異なる点は、住んでいるのが俺たちみたいにそっちで死んだ人間や、妖怪たちがいるというところだな」


 剛の言葉に、涼太、叶奈、悟は興味深げに頷いた。

 時間は、午後三時半。

 積もる話は、どんどん会話を広げていく。

 いつの間にか、氷の溶けた飲み物のように、彼らの緊張も解けていた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

キャロットケーキは叶奈の口に合ったみたいです。

ツナグが世界一と言っているルイのキャロットケーキ、私も一度は食べてみたいものです。

さて、ほんの少し、ツナグたちの世界の話が出てきました。

パラレルワールドのようでパラレルワールドではない。そんな不思議な世界。

実際にあるかはわかりません。現時点では、ないかと思われます。

私が知らないだけで、本当はあるのかもしれませんが。

あったら面白そうなので、あるといいなぁとは思います。

そんな彼らの世界について続きは聞けるのでしょうか?

ぜひ、続きもお楽しみいただけますと幸いです。

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