EP.44
涼太が、飲み物を盆に乗せてテーブルへ戻ってきた。
「お待たせしました」
涼太はそう言いながら、それぞれの前に飲み物を置いていく。
グラスを置くたびに、カランッと涼しげな音が店内に響く。
各自お礼を伝えていると、ツナグが嬉しそうに声を上げた。
「これ! これだよ! 涼太さん、ありがとう!」
「どういたしまして」
二人の会話を聞きながら、悟と林太郎も言葉を発した。
「これが、『れもねーど』というものなのかい?」
「林太郎さん、これがレモネードです。以前、私も別の場所で飲みましたが、美味しいですよ。でも私も、涼太さんが作ったものは初めて飲みます」
「ほぉ……。では、さっそくいただこうかな」
二人の会話に続いて、涼太が飲み物を飲むよう促す。
「どうぞ。氷が溶ける前に飲んでください」
それぞれグラスを持ち、ストローに指を添えて、一口飲んだ。
レモネードを飲んだツナグと林太郎が、声を上げる。
「うーん! 今日も美味しい!」
「これがレモネードというものなのか! ほんの少し酸味があってすっきりした味だ。しかし、ほんのり甘い。これは、砂糖の甘さではないような気がするな」
林太郎の言葉に、涼太が答えた。
「蜂蜜が入っているんです。砂糖を入れているレモネードもあるんですけど、僕が蜂蜜を入れる方が好きで。だから、蜂蜜を入れたものを店でも出しているんです」
「なるほど。だから、優しい甘さなのか」
林太郎は納得の表情を浮かべながら、もう一口、さらにもう一口と、レモネードを飲んでいく。
「うまい……」
アイスコーヒーを飲んだ剛が、少し驚いたように小さく言葉を発すると、涼太は嬉しそうに笑った。
「お口に合って良かったです」
ルイは、こくこくと二口ほど飲むと、持っていたカゴからケーキを取り出した。
「とっても美味しいわ。ありがとう。あとこれ、よかったらみんなで分けない? 作ったの」
そのケーキを見たツナグが、また声を上げた。
「わぁ! ルイのキャロットケーキだ! これもね! すごく美味しいんだよ! みんなで食べよう!」
ツナグは、嬉しそうに尻尾を振って、目を輝かせている。
涼太は、そんなツナグに笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。せっかくなので、みんなでいただきましょうか。僕、切り分けてきますね」
「ありがとう。お願いするわ」
涼太は、ルイと言葉を交わすと、キャロットケーキを受け取って、キッチンに向かった。
叶奈が、そわそわしながらルイに質問する。
「キャロットケーキって甘いですか?」
叶奈の言葉に、ルイは笑みを浮かべて答えた。
「ほんのり甘いくらいね。でも、私が作るキャロットケーキは、そこまで人参の風味は強くないわ」
「そうなんですね。私、キャロットケーキを食べたことがなくて……」
叶奈の言葉に、ツナグが言葉を発する。
「ルイのキャロットケーキは、本当に美味しいんだよ! ほんのり甘くて、ほんのちょっとスパイシーなのに、優しい味なんだ!」
「そうなのね。ツナグくんありがとう。キャロットケーキが、ますます楽しみになってきた!」
叶奈は、ツナグに言葉を返すと、そわそわと涼太の方を見た。
涼太は、叶奈の視線に気付くと、にこりと笑った。
「今持って行きますね」
「あ! 私も手伝います!」
叶奈は、慌てて席を立ち、キッチンに向かった。
「ありがとうございます。では、こちらを持って行っていただけますか?」
「はい!」
叶奈は、涼太から盆を受け取ると、テーブルへ戻ってきた。
四皿のケーキが盆に乗っており、ツナグ、林太郎、剛、ルイの順に、ケーキの乗った皿を置いた。
叶奈に続いて、涼太が悟、叶奈の席、自分の席にケーキの乗った皿を置く。
「叶奈さん、お盆貰います。座ってください」
「あ、ありがとうございます」
涼太は、叶奈から盆を受け取ると、キッチンに置きに行き、すぐにテーブルへ戻った。
叶奈も、席に着く。
全員が席に着いたタイミングで、林太郎がにこりと笑って、言葉を発した。
「では、いただこうか」
その言葉に続いて、ツナグが一際元気よく声を上げた。
「いただきます!」
ツナグの言葉に、周りの空気がさらに柔らかくなった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
レモネードとキャロットケーキが出てきました。
どちらも美味しいですよね。
キャロットケーキは、遠い昔に食べたきりですが、美味しかったことだけ覚えてるいるんですよね。
レモネードは、時々喫茶店で飲みます。
この小説を執筆していると、出てくる食べ物や飲み物が欲しくなるんですよね。
またそのうち喫茶店に行こうと思います。
さて、キャロットケーキを食べた感想はどうだったのでしょう?
引き続き、お楽しみいただけますと幸いです。




