EP.43
午後一時。駅前は、ランチができる場所を探す人、ランチを終えた人、待ち合わせをしている人で溢れている。
叶奈は、急いで改札を出ると、悟を探した。
「叶奈さん」
悟の声に、叶奈は振り向いた。
「悟さん、こんにちは」
叶奈は、悟を見て微笑んだ。
「こんにちは。では、行きましょうか」
「はい!」
二人は、楽しく会話をしながら、目的地へと向かう。
「そういえば、先日こんなことがあったんです」
「ほお……」
なんてやり取りを交わしているうちに、すぐに目的の場所へ辿り着いた。
扉には「CLOSE」の板が掛けられている。
叶奈はその扉を開けると、中にいる人たちに声をかけた。
「こんにちは」
叶奈の声に振り向いたのは、涼太だった。
「あ、叶奈さん! こんにちは!」
ほぼ同じタイミングで振り向いたツナグが、声を上げる。
「ツナグくん、こんにちは」
叶奈は、ツナグに挨拶を返しながら、店へ入った。
悟は、その後ろにそっと続いた。
「さ、どうぞ」
涼太に促され、二人は席についた。
「何を飲みますか?」
涼太が、二人にメニューを差し出す。
叶奈と悟は、メニューを少し見た後、涼太の顔を見た。
そして、叶奈が先に口を開いた。
「私は、アイスレモネードにする!」
悟が口を開こうとした瞬間、ツナグが声を上げた。
「冷たいレモネードがおすすめだよ!」
悟は、ほんの少し目を見開いた後、ツナグを見て優しく微笑んだ。
「では、私も冷たいレモネードにしましょうか」
「わかりました。二人ともアイスレモネードですね」
涼太の返事に、叶奈と悟は頷いた。
「では、準備してきますね」
「よろしくお願いします」
悟の返事を聞いた後に、涼太は飲み物の準備をしにテーブルを離れた。
少しの沈黙が、全員を包む。
口火を切ったのは、林太郎だった。
「私は、林太郎という者なんだけれども、君は僕の子孫かい?」
林太郎はそう言いながら、悟を見た。
悟は、少し驚いた表情をした後、嬉しそうに笑みを浮かべて答えた。
「はい。私は、あなたの子孫の悟と申します」
悟の言葉に、林太郎はとても嬉しそうに笑った。
「そうか! 君が私の子孫か! 確かに、ほんの少し私と私の妻に似ているところがある。目元は、私の妻の面影を感じるよ」
今度は、悟が嬉しそうに笑った。
「私も、林太郎さんにお会いできて、嬉しいです」
「そうかぁ……。自分の子孫に会える日が来るなんてなぁ……」
林太郎は、感慨深げに悟を見つめる。
悟は、いつもの笑みを浮かべながら、林太郎を見つめ返した。
「感動の対面のところ申し訳ないんだけれど、自己紹介をしてもいいかしら?」
ルイが、二人の空気の間に入った。
「ほんとだ! ルイも自己紹介をしなくちゃね!」
ツナグが、慌てて言葉を発する。
ルイは、ツナグを見て微笑んだ。
「じゃあ、改めて……。私は、ルイ。ツナグの家の近くに住んでいるの。あなた達は、叶奈さんと悟さんね?」
ルイの言葉に、叶奈と悟は返事をした。
「はい、私が叶奈です」
「はい、私は悟です。よろしくお願いいたします」
三人のやりとりを見ながら、小さく剛も口を挟んだ。
「俺は、剛だ」
「僕は、ツナグ! と言っても、二人は知っているよね」
ツナグは、ふふっと笑って、言葉を続けた。
「二人にもう一度会えて嬉しいよ」
ツナグの言葉に、叶奈と悟も嬉しそうに笑って答えた。
「私も、ツナグくんにまた会えて嬉しい! 剛さんに会えたのも嬉しい!」
「私も、お会いできて嬉しいです」
二人の言葉を聞きながら、剛は照れくさそうに頭を掻いた。
ここまで呼んでいただき、ありがとうございます。
合流した叶奈と悟。
悟と林太郎の対面は、私としてもとても嬉しいです。
先祖と子孫が会う。SFのような世界が、いつか訪れるといいなぁなんて思ったりしている私です。
今回の出会い方は、SFとはちょっと異なるとは思いますが……。
剛は照れ屋な人なんじゃないかぁと、私は思っています。
だからこそ、笑顔が増えると嬉しいんですよね。
ツナグは、今回も元気に私を癒してくれました。
さて、彼らのこの後は、どうなるのでしょう?
ぜひ続きもお楽しみいただけると幸いです。




