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図書館に潜むもの

「おい、アリシアいつまで寝ている。さっさと起きろ、お前の主がお腹を空かせているというのだ。早く朝食の準備をしないか!」


 あ~~朝からなんて最悪な目覚めなのよ、というか女の部屋に勝手に入ってくるなんてどういう神経をしているのよ。

 それに私にご飯をつくれだなんて、非常識にもほどがあるわ。お腹がすいたならこの王宮で雇っている料理人にでも作ってもらえばいいのになんであまり味がいいとは言えない私の手料理を食べたがるのかか不思議だわ。

 もしかして、料理の下手な私を馬鹿にしているのですか?

 

 とりあえず私は、一つの文句も言わずすぐに料理を始めた。


 「お~~いまだか?どれだけ時間がかかっているんだ、うちの料理人ならもう作り終わって俺が食べ始めているところだぞ」


 うるさいわね、そんなこと言うんだったら、最初から私になんか頼まなけ手ばよかったじゃない。

 それに、まだそんなに時間のたってないじゃない。


 「もうすぐできるわ、だからちょっとだけ待ってちょうだい」

 

 私がそう言うとラジエルは、満足そうに『しかたがないな』と言って出来上がるまで黙っていた。


 「お待たせしました。野菜スープとパンです」


 私が作ったのは、誰でも作れる野菜スープと厨房に置いてあったパンだけだった。しかし、私にとっては野菜スープを作るだけでも一苦労してしまうのだ。

 なんとも質素な料理を出した私にラジエルは不満そうな表情を浮かべた。


 「何だこれだけか、あれだけ待たせておいてこれだけしか作れなかったのか」


 これだけとは何ですか、これだけとは。

 それをつくるだけで、私がどんなに苦労したことか。到底あなたには分かりませんよね。

 

 「申し訳ありません、先日も申し上げたとうり私は料理に関しては非常に不慣れなものでして、あなたのようなお方の口にあうものをつくることはできません。食べないのであればそこに置いておいてください。

 あともう一つお言葉ですが、私ではなくちゃんとした料理人に作ってもらった方が栄養があっていいと思います」


 完全に他人行儀で話してやったわ、ラジエルには敬語は使わなくていいといわれたが、あんなに文句を言われて黙っておくような私ではないわ。

 

 「そうか、それじゃあこれからはお前ではなくちゃんとしたものに作ってもらうとこにする。でも、この朝食は食べていくぞ、物に罪はないからな」


 ラジエルはそう言ってパクパクと食べて部屋を出て行ってしまった。 

 なぜかとても機嫌が悪そうな気がしたのだけれど気のせいかしら。

 ってなんで私が罪悪感を感じているのよ、アリシアあなたは何も悪くわないわそれにあなたにはこれからやらなければいけないことがあるでしょう。

 幸い今日はラジエルは視察に行くし、図書館に行くには最高じゃない。


 ラジエルが部屋を出て行ったあと私はすぐさま図書館に向かった。

 この王宮は広いがすでにある程度の場所は覚えている、噂によると図書館というよりはほこりをかぶった物置のようになっているというらしい。

 

 私はその真意も確かめるべく目的地へ向かった。

 思ったより距離はあったが、疲れるというほどの距離ではないな。

 恐る恐る扉を開ける、その中はまさに物置。それに蜘蛛の巣も張っていて、何とも言えない部屋になっている。

 王宮の図書館にしては少々狭いと感じたが、広すぎて探す気力をなくすというよりはましだと思う。


 「それにしても汚いわね、いったい掃除をられたのは何年前なのかしら?」

 

 「そんなこと言わないでちょうだい、こんなところでも私の大切なところなんだから」

 

 「えっ?」

 

 確かにどこからか声が聞こえてきたような気がした。というか確かにたれかがしゃべった。


 「ねえどこにいるの姿を見せて頂戴」


 「どうせあなたも私の姿を見たら、おびえて逃げていくわ。今なら何もしないわ、その代り早くこの部屋から出ていきなさい」


 そんなにひどい姿なのか?

 

 「約束するわ、あなたの姿を見ても驚かないから出て着て頂戴。

 それにあなたに聞きたいことがあるのよ。ね、いいでしょ?」


 「ほんとに逃げない?」


 「絶対に逃げないわ」


 「分かったじゃあ見せてあげる私の姿を」


 ふと気が付くと、その声は真上からしているような気がした。

 私はその声のする方を見ると、今まさに降りてきている巨大な蜘蛛と目が合った。

 その規格外の大きさに驚いてしまったが、なぜか怖いとは思えなかった


 「まぁ」


 「あれあなたは逃げないのね。たいていの人間は私の姿を見るなり腰を抜かして気絶するのに、そのたびに私が無理やり部屋から引きずりだしていたんだから」

 

 「まあ一つだけ言うとすれば、あなたはとても優しいわね

 私の今まで会ったろくでもない王や王子に比べたら、全然ましよ」


 私の言葉に蜘蛛さんはしばらくの間驚きを隠せずにいたようだが、少し経つと落ち着きを取り戻し私と向き合った。


 「あなたは変ね、あなたみたいな変わった人に会ったのは初めてよ」

 

 「それはお互いさまよ。それより自己紹介をしましょう

 私の名前はアリシア。天才の魔法使いよ」


 「へぇそれは頼もしいわね。私の名前はアリーよ、これからよろしくねアリシア」


 「ええ、よろしくアリシア」


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