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家にいた謎の人物

マイシムと別れた後、近くの宿でとまるつもりだったが、いまだに森の中をさまよっていた。てっきりこのあたりには一つくらい宿はあると思っていたのに、考えが甘かったようだ。


 でももし、このまま宿が見つからなかったら、いつものように野宿すればいい。私はそう考えながら辺りをさまよっていると、視線の先に少し小さめの家が見えた。宿ではなさそうだが、泊めてもらえるか頼んでみよう。


 「ごめんください、誰かいませんか?」


 玄関の戸をたたき呼んでみても一つも返事がない、ドアノブに手をかけるとかぎはかかっていなかった。


 「誰もいないなら勝手に入りますよ。いいんですか、それじゃあ失礼します。」

 

 私はそう言って中に入った、部屋の中には確かに誰かがいたような気配はする。家の中に入った後、私はまず食事をするところに行った。テーブルの上にはまだ食べかけの食事が残っていた。確かにここにはたれかがいたはずだ。


 私は誰の家かわからないまま、そこのソファーを借りて一晩過ごすことにした。家の人が返ってきたらひとまず謝ろう。そして私はそこで眠った。


 「おい、ここで何をしている。早く起きろ。」


 私の朝は、誰かわからない青年のモーニングコールで目が覚めた。


 「おはようございます。旅をしていて、宿を探していたらちょうど家があったものですから。ちゃんと入るって言いましたよ、これからは家を空けるときはちゃんと鍵を閉めてくださいね。」


 「家を空けていたのではない、食事をしていたらいきなり誰かが入ってきたから、身を隠していたんだ。そしたらいきなりお前が入ってきてソファーで寝だしたのではないか。」


 あれ話し方が今までの人と何か似ているような気がした。この話方は今までに何回か聞いたことがある。それよりこの青年は思ったより背が高い、おそらく私より少しばかり年上だろう。


 「それより自己紹介をしましょう。私はアリシアです。今は旅をしています、それからクラネル王国に行くつもりです。そしてそこの王子にあって私のわがままを聞いてもらうつもりです。」


 「私はラジエルだ。お前話先ほど王子にわがままを聞いてもらうといっていたな。お前はそれほどのちからがあるのか?それとも冗談か?」


 「自信はありますよ、魔法ではだれにも負けませんよ。体力はあまりありませんが、クラネルの王子の護衛をするくらいは簡単です。」


 「そういうことか、まずは側近についてから、ことを進めるつもりなのか。賢いな、だがそう簡単になれるものでもない。」


 「そんなこと知っていますよ。それよりなぜあなたが、そんなことを知っているんですか。」


 「ただの偶然だ。いいことを教えてやる、今日の午後にクラネル王国で王子の側近を決める大会が行われるそうだ。いろんなところから猛者が集まるそうだぞ。もしそこで優勝すれば護衛になる可能性はある。」

 

 「優勝するだけではだめなのですか。」


 「そうだ、優勝したものは王子と戦う権利がもらえるそうだ。もしそこで勝てたら、やっと側近として認められる。だが無理だろう。」


 「それはなぜですか?」


 「クラネルの王子はなぜ誰も側近がいないか考えてみろ。」


 「それは、その王子が強すぎて誰一人勝てたものがいないということですか。」


 「そういうことだ。王子はクラネルの中で二番目に強い。」


 「一番は誰なのですか?」

 

 「少し前に大会に参加した、マキシムという男だ。そこで王子はあと少しのところで負けてしまったらしい。だがマキシムはそこの王女に気に入られて、今は王女の側近をしているそうだ。お前も参加するなら早くいった方がいいぞ。無駄だろうけどな。」


 そう言ったラジエルは面白そうな顔をしていた。いったい何でそんなに詳しいんだろう。 それよりマキシムの謎が解けた、苦労してるなぁ頑張れお兄ちゃん。


 「それじゃあ行ってきます、一晩泊めていただいてありがとうございました。いい知らせを待っていてください。」


 「せいぜい頑張るんだな。」


 相変わらず表情の変わっていないラジエルを背に私はクラネル王国へと向かった。

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