最後の日
私はいつもと違う景色を感じながら王室に向かっている。王室にははじめてくる。ここに来たばかりのころは龍小屋やラルフのへやにしかきていない。内心とても緊張していた。
「ついたぞ、ここが王室だ。」
目の前にはいつもとは違う風格がある大きなドビラが目の前にあった。いかにもこの部屋が王室だといわんばかりの豪華さだった。
「じゃあ入るぞ。」
「はい。」
私は緊張を押し殺して王室に入った。
「失礼します。」
そう言って入った時目の前には、大きな椅子に腰を掛けているラルフの姿があった。
「ラルフ今日は話したいことがあってきたんだ。」
「俺をラルフと呼ぶな、陛下と呼べ。」
ラルフは今までと違っていた。私を見ている眼はとても冷たく、絵あたしが知っている今までのラルフはどこにもいない。しかも、自分のことを俺と呼んでいる。
「それで俺に話したいこととは何だ。早めに頼むぞ俺にはたくさん仕事がある。お前なんかに時間を使っている余裕はない。」
「では早めにお話しさせていただきます。今までお世話になりました。ここにいれてとても楽しかったです。私の役目はここで終了となります。今日中にはこの国を出ていきますので、今日までは陛下のお世話をさせていただきます。」
「分かった、今日までご苦労だった。それで褒美は何がいい?」
「いいえそんなものはもういただけません。ここにいさせてもらえたことが私の何よりの喜びです。」
私の言葉を聞いた後ラルフはなんだか悲しそうな顔をしているように見えた。今日まではラルフのお世話をしよう、そしてこの国を出よう。たぶんこれは自分でも予想していたのだろう。
でも一つだけ心残りがある、またラルフを襲ってくる輩が現れるのではないかということ。なぜ命を狙おうとするのかが分からない。
「話はそれだけだな、ではもう出て行け俺はこれから仕事をしないといけない。お前に邪魔をされては困る。」
「そうですね、それでは私はこれで、、、さよなら。」
つい言葉にしてしまった。この時ラルフがどんな顔をしていたのかはアリシアには見えなかった。
部屋を出た後これからのことを歩きながらずっと考えていた。今日からまた旅をはじめられるが日が落ちるまではラルフを守るのが私の役目だ。お礼はもらわなかったがなぜかもらってはいけないような気がした。とりあえず部屋に帰って寝よう。
目が覚めたのは大きな物音や燃えるような暑い部屋のせいだった。いつもとは何かが違う、あまりここに長くはいないがそれくらいのことはわかる。
私は急いで部屋の外に出てみると、廊下は火の海だった。とりあえず前に進むために私は自分に膜のような結界をはってその中を進んでいった。私がまずは初めに向かったのは王室だった。とりあえずラルフの命を最優先するしかない。
私の頭の中にはそれだけしかなかった。
やっと王室までたどり着き急いで扉を開けた。
「陛下生きておられますか?」
私の悪い予感は当たらず、ラルフは生きていた。でもなぜかラルフの周りには聖騎士たちが囲んでいるように立っていた。
「ああ生きているぞ、でももうここまでかもしれないけどな。」
ラルフも体はいたるところに傷痕があり立っているのも精いっぱいに見えた。
私はラルフの傷を治すために瞬間移動でラルフの目の前に立った。
「陛下今治しますのでお待ちください。」
「お前そんなことよりこの状況が分かっているのか。」
「はて何のことでしょう。」
「俺は今この聖騎士たちに命を狙われているんだぞ。」
ラルフの言った言葉に私は驚いて聖騎士たちの方に目をやると、一人の聖騎士が口を開いた。
「まさかアリシア様がここにいらっしゃるとは予想外でしたね。私たちの狙いは陛下の命です。あなたのような平和を望む王ではこの国は一生強くなっていけません。もしアリシア様も我々の邪魔をするのなら命の保証はできませんよ。」
「そういうことだアリシアお前は今すぐにげろ。俺はまだ魔法が使えず剣しか使えない、お前がいたとこで何ができる。」
ラルフはこんな状況でも私には余裕の顔を見せた。
「では私が戦います。陛下はここで私の戦いっぷりをしっかりと目に焼き付けておいてくださいね。」
私はそう言ってラルフに完全防御の魔法をかけた。この魔法があれば聖騎士たちから攻撃を受け続けても数日は持つだろう、そのくらい強い結界だった。
「お前何をしている、お前は攻撃魔法は使えないだろう。」
ラルフにいたいところを突かれた。なんでそんなことを知っているんだ。
「私は大丈夫です。」
「何が大丈夫なものか俺をここから出せ。」
「私の仕事は陛下のお世話をすることです。今日この日まで陛下の命を守るのが仕事ですから。」
私はそう言って、走り去った。
「この結界は私を殺さないと解けませんよ~」




