(7)デートなり
▽▲▽
休日。城下町にて、薄紫に白いマーガレットが刺繍されたワンピースを身に着けた美少女。彼女の横には細身だけど後からでも美形だと分かるような男の人とがいる。
我が友人であり超絶美少女のサンティが学園でも美形で有名なゲナイオス・アフォネロス先輩とデートなのです!!
「……」
「ねえ、ケノン……」
「何?」
「尾行するってのは一旦良いわ。……何でセピノール様が?」
あたしの背中を突っついて睨んでくるのはキャロリさん。サンティさんの過保護者?いや、防衛隊長?として尾行につれて……ついてきた。
「え?面白そうだったから」
「……」
「何この空気は」
セピノール様はあたしでもわかる。サンティさんが好きっぽい!昨日の夕食のときに、暇とのことなので連れてきた。
ただ別に2人をくっつけるつもりはないけど、面白そうだと思ったから連れてきた!
「あっ!動いたよ!ついて行くぞー」
「……おー」
サンティさん達が最初に向かったのは本屋さん!サンティさんは本好きなのは知ってはいるけど……つまらん!デートで選ぶとこか!
「……」
「これはデートじゃないんだから残念そうにしない!」
「えーでもー」
「デートじゃないのか?」
結構食い気味に今日初セピノール様が口を開いた。あっそういえば……
「……失礼ですが、セピノール様、ケノンに何と言われたんです?」
「サンティ嬢が男の人とデートだから見に来いと」
「……」
キャロリの視線があたしに刺さったのは一旦置いておいて、わ取り敢えず笑っておくと、キャロリは呆れたようにため息をつく。
「セピノール様、サンティは剣術科というところに行ったらしく、そのときにゲナイオス先輩が原因に事故が起きたそうなんです。なので今日はお詫びと」
だ〜いぶゲナイオス先輩に対してトゲのある言い方だけど、その話を聞いてセピノール様は首を傾げる。
「?だがサンティ嬢はそいつと今2人でいるんだろ?」
「……」
「それにサンティ嬢はなかなかめかしこんでいるだろうに……」
「……」
「……」
コホン、セピノール様がキャロリを黙らせた!と思いきや自分の言ったセリフでダメージを受けているようです。無自覚めんどくさ!
「まあ……サンティさん追いかけますよ!」
▼△▼
休日の学園門前にて。ゲナイオス先輩は私の前に顔を出した。彼はにこやかに笑って私に声をかける。
「ミレズム嬢、遅れてしまったかな?」
「いえ、時間も決まっていなかったですし、ただ待たせるのが苦手なだけなので……」
彼は頭をかきながら苦笑する。
「……」
「……じゃあ…行きます?」
「はい」
変な空気で始まった。私達は城下町の中心にとりあえず進む。サムロック先輩が言い出したことだから問題の私たちは何をするが全くもって決まっていない。
「……」
(後ろにケノン達がいるのはわかるんだけど……)
人の気配には意外と敏感だ。王子の婚約者&聖女という立場は狙われやすいから、そうなるしかなかったとも言える。まあ私に実害は一度もなかったけど
(ケノンと、キャロリはいい、何で、何でクラノスト様もいるの?!)
「どうかしました?」
「いえ……何をしようか考えてもいなかったので……」
私たちをチラチラと見ているケノンに一瞬目が合った。ケノンは口笛を吹くような仕草で目線をそらす。
「何か買いましょうか?」
「……なら本を買っていただけます?」
「本?それで良いのですか?」
「はい!」
私は歴史書をもっと欲しい。物欲に対しての欲求は本くらいしか存在しない。
そして後からケノンたちが追ってきているのがあからさますぎて周りの人に逆にチラチラみられれいる。
「どんな本が欲しいんです?」
「歴史書とかですかね?」
「歴史書?」
本屋さんは少し小さいわりに本が中々多いから横にいるゲナイオスとは肩がぶつかりそうなくらいに近い。
「歴史書ってそれだけいいの?」
「あっあと神話や聖典も」
「もっと欲張っても……まあ金銭面はサムロックだけど」
「……」
私は口角を上げ、ニヤリとほほ笑んだ。私は自分の方の本に手をやる。
「いえ、私は欲張りです。あっそこの本、取ってくれませんか?」
「あっああ……」
私は自分の手元に本を重ねる。本の価格は400年が経って大きく変わった。
その要因は200年前に現れたスヘディオ侯爵家の孤児として現れた人物、彼は現れて新たな紙を発明したその理由は不明。彼は紙を使い、人々に流通させ、それにより識字率を爆増させた。
誰もが紙を手に入れ、文字を書き、読めるようになった偉人。アサノン。
彼により本の価値はパン2つ分くらいで事足りる。しかし、山も積もれば山となる。
歴史書30冊、神話の本15冊、聖典3冊、
歴史書は400年以上前からのもの、以降のもの、他国の歴史、それを詳しくしたものなど。
神話の本は解釈によって違いが現れる。前世紙を持たなかった人でも今なら聞ける。
聖典もそう。聖典の内容は何一つ変わりはないけど、問題は量の話だ。聖女でも本には限りがあったから……書き込みのしようもなかった!
見るため、読むため、書き込み覚え込むため、何に置いても量はあったほうがいい。
「……そんなに?」
「はい!ありがとうございます!」
「……」
欲張りでいい。それならば欲張ってやろう。
聖典は普通より高いから合計パン99個分程度だ。私が頂いているお小遣いよりも高い。
あと私の性格からしてそんなお金使えない。
「……じゃあ…次はどこ行きます?」
私のこの時テンションはカンストしているのである。大量に買った大好きな本が今手元にある。
▽▼▽
「何あの本の数!」
「サンティ嬢らしいな」
「サンティらしいわね」
「……2人のサンティさんへの変な信頼!」




