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元伝説の聖女のたった1年の学生生活  作者: びわ
2章−剣術大会−
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(2)属性

「……話は分かったわ。ケノン?」

 ケノンは正座させられ、キャロリに怯える。あんなに怒ってくれると私はもはや笑ってさえきた。

「キャロリ?私は大丈夫よ。」

「サンティは黙ってて。」

「……はい。」

「サンティさ〜ん!!」

 ケノンは私に助けを求めるが私はそっぽを向いた。キャロリはケノンに圧をかけ、ケノンを制する。

「……」

「ちょっと、沈黙が一番キツいんだけど。」

「……」

「キャロリさん……」

「なにか言うことは?」

「すいません」

 キャロリは怒らせてはいけないようだった。


 ◆◇◆


「は〜い、今日は、魔法の授業と歴史のコラボで〜す。」

「聖女キャエル様についてです。心して聞くように」

 学園一の年長者であり、厳しいと言われるスヘディオ先生がそう言うとみんなピシッと背筋を伸ばす。

 私は魔法が好きだけど、歴史が大好きだけど、今回の授業には絶望してしまった。

 私は前を向き、ペンを持って固まってしまった。

「……サンティって、大聖女様の話苦手だよな。」

「えっ!?そんな事ないですよ?」

「そうか?話が出るといつも少し顔がゆがむじゃないか」

「……」

 クラノストは時々鋭い事がある。きっと特定の事に対して細かいのだろう。でも逆に特定の物事以外が大雑把、現に今、言ってほしくない所を空気を読まずに突いてきた。

「何が嫌なんだ?その時代は特に詳しいのに。」

「ハハハ……ハハ」

 (質問形にしないでよ!)

 この時、返事は2タイプ存在する。1つ目は「少し盛りすぎだから」と本心を言う。ただこれだと前世が神聖視されているから、何かしら言われる可能性もある。対して2つ目は「ちょっと凄すぎて……」と言う、これは精神的にだいぶキツい!

 究極の選択、でも取らないといけない答えは1つだけ。

「えっと……ちょっとす……」

「はいじゃあ授業始めますね、まずは属性についてから!」

 (へスライド先生!私は貴方に感謝しますわ!)

 良い感じにクラノストの視線のが先生達の方にそれたおかげで話さなくて良さそうだ。

 でも窮地が黒歴史に変わるだけの気もする。

「属性というのは主に4つ。残りは派生だな。ただ、属性以外の魔法を習得することも可能だ。」

 (うん、そのままキャエルを巻き込まないで?)

「魔法は600年前から存在していたが、大聖女様がいらっしゃた400年前に世界に広がった。」

「……」

「今日は属性を調べてみよう。」

 そう言って指を鳴らすとへスライド先生が何か運んできた。魔力測定のあの水晶に似ているけれどまた違う何かだ。

 へスライド先生はあからさまに疲れたふりをして椅子にしわろうとするがスヘディオ先生が叩き阻止された。

「コホン、この水晶は『属性判別水晶』だ。名前のセンスは……アレだが性能は確かだ。女神様が原祖となるフレジリに与えた『真実の泉』を使って出来ているからな。」

「……真実の泉?」

 聞き覚えのある言葉につい反応してしまった。私が作った最初の魔道具も同じく真実の泉を使っているか。

「なんだミレズム嬢、興味があるのかね?」

「あっ属性判定水晶って何方が造ったのかと。」

「ああ、300年前に突如現れた天才だよ。」

「?」

「ついでだ、少し話してやろう。300年前、スヘディオ侯爵家にとある孤児が現れてな、当時の当主が彼の才を感じ、その孤児を引き取った。彼は生まれも、年も、わかる情報はないに近い。ただそのものは『また手助けしてくれ』と言い残し、姿を消した。そのものが造ったんだ。」

「「「へ〜」」」

 私が死んでから100年後の話だ。スヘディオ侯爵家は価値のあるものしか認めない。そんな家の当主に引き取られるような人、そして真実の泉を使った人。

「……まあそんなわけだ、属性判定水晶は触ると頭のなかで色が浮かび上がる。それが正しいかは属性に合わせた魔石で判別する。嘘をついて痛い目にあったバカがいるから気をつけなさい。あと属性は1つとは限らない。」

 そう言って先生は二拍手して黒板に何か書き出した。

「主要の4属性は火,水,風,土の4つ、そこから派生で水は氷、風は音、土は草とある。それぞれの色は火は赤、水は青、風は黄緑、土は茶色、氷は白色、音は水色、草は緑だ。」

 それぞれの色は魔石と同じ色だ。分かりやすくてとてもいい。私は風魔法が得意だったから風属性だと思う。

「じゃあ……まずはへスライド殿、生徒たちの見本としてやってみよ。」

「え〜それこそ生徒にやらせましょう。そのほうが」

「つべこべ言わずにやれ!」

 年長者には勝てずにやれやれと属性判定水晶に触れる。と言っても外見からしたら何も分からないけど。

「……やっぱり変わんないな〜つまんないよ。」

「コロコロ属性が変わってたまるか。で、何が出た?」

「茶色です。土属性ですね。」

「そうか、じゃあ……」

 スヘディオ先生は手袋をして、何故か茶色い魔石ではなく赤色の魔石を差し出した。

「え?」

「お前のようなものは反面教師となれ」

「え〜いやだよ〜」

「……」

「はい、すいません。」

 無言の圧に瞬殺され、渋々赤い魔石を触る。その瞬間、へスライド先生はすぐさま手を離し、手を撫でる。

「いっ……」

「この様に、他の属性の魔石を素手で触ると怪我をします。属性に嘘はつけませんから。」

「「「……」」」

 クラスは沈黙に包まれた。スヘディオ先生が怖すぎる。

「って……歴史についても話すね。え〜属性の遺伝は9割が遺伝だと言われています。……皆不憫そうに見ないで?」

 正直に言う。無理だ。さっきから可哀想という感情が占めていてどうしても話が入ってこない。

「……はぁ、わかりやすい例として、フロガ、出て」

「はっはい。」

「フロガまで不憫そうに見ないで!」

 そう言いながら属性判定水晶にフロガの手を当てる。フロガはピクッとすると目を閉じた。

「何が見える?」

「……赤です。」

「そう!フロガ侯爵家は火属性の一族として有名です。なのでフロガはやはり火属性ですな。」

「……」

 魔法場でフロガがした魔法は確かに()()()だったのに。

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