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元伝説の聖女のたった1年の学生生活  作者: びわ
2章−剣術大会−
30/32

(1)剣術科の存在

「剣術科って知ってる?」

「……なにそれ?」

 放課後、開いている教室で自習していたらケノンが声をかけてくる。ケノンは私のペンをいじりながら話を続ける。

「地方の貴族は剣術を磨くってのがあるらしくて、その科が剣術科。一応選べたらしいよ?女子は無理だけど。」

「フレジリ王立学園って魔法学園じゃあないの?」

「一応魔法学園扱いじゃないらしい。クリオブにも剣術はあるしね。寮は一緒らしい。」

「へ〜。どこ情報?」

「社交のクリオブでは情報が飛び回るのだよ」

 勉強の最中に変な情報を与えないでほしい。どうにか聞き流しつつも聞いているとケノンはパッと立ち上がった。

「?」

「サンティさん!行こ!」

「ちょっ今勉強中〜」

 何が何だか分からないまま、私は腕を掴まれたまま椅子を倒して教室から出る。ノートに変な跡ができてしまって後悔しかない。あとで説教する。


 ◆◇◆


「はぁ……はぁ……」

「サンティさんって意外と体力ないよね。」

「体力おばけ!」

 同じ学園内でもいつも使っている教室と寮の真逆の位置。

 (寮は一緒のはずなのになんでこんな遠いのよ)

 説教する予定だったのに説教の隙もないほどぱっぱとどこかに行って、私はそれについていく。

「っていうか何でここまで来たのよ?」

「さっき言ったじゃん。さては聞いてなかったな?美形先輩見に来たの」

「はぁ!?美形先輩って何?」

「赤髪の先輩が筋肉あるのに細して顔がいいんだって。ちょっと見てみたいじゃない?」

「……呆れた」

 (行くなら一人で行ってよ)

 ふらふらしているケノンが心配でなんだかんだついていく気しかしないけど、どうでも良すぎるから、とめる隙くらい欲しかった。

 ケノンは私の手を離さないであちらこちら行って私の体力はそこをついている。

「帰ろうよ〜」

「やだ。見るだけ見る。」

「美形の何がいいの?中身でしょ?」

「顔が良くて悪いことないでしょ。」

「……」

 変える気はないよいだからもうの際付き合ってあげよう。決して美形が見たいからじゃない。決して!

「あっいた!」

「どっ……」

 ポーン バキ

 何故だろう、私のすぐ横に剣が現れた。剣が、飛んできて、その剣が、私の方に向かってきて、私の横に落ちた。刃の方から。

 (え?え?胴体繋がってる?)

 腰が抜けて、ぼーと座り込む。何が起きたか、死にかけると反応は鈍るものだ。

「大丈夫!?生きてる!?サンティさん!」

「だっ大丈夫……多分」

 ケノンの質疑応答していると、飛んできた先から人が何人かやって来た。

「大丈夫かい!?なんでこんな所に……」

「立てる?ごめんね、って、それじゃだめか……お前も謝れ」

「すまない。間違って飛ばしてしまって……」

 やっとこさ顔を上げるとそこには顔がいい人がいた。タイプではないけれど、顔がいい人。ぼんやりとしていてなんだかそこにいないように感じた。

「大丈夫……だと思います。あの、貴方は……」

「俺はサムロック・コポス。こっちは……」

「ゲナイオス・アフォネロスだ。すまない。どう終わじしたらいいか……」

「だっ大丈夫ですから、あっあと私はミレズム・サンティです。」

「……」「……」「……」

 どうにかこの沈黙から脱したい。でも腰を抜かしているからできない。ケノンは勝手に来て、変な所にいた事を怒られてるし、私はどうも動けない。

 (サムロックって事は生徒会長と親戚かな?あの子の家名は生前はサムロックだったし……)

「あっあの、私がこんな所にいたからで……」

「ミレズム嬢、今週末って空いてる?」

「え?あっ空いてますけど……」

 なんの質問だ?と思いつつ、私はサムロック先輩に返事する。

「じゃあその時に何かお詫びの品を送らせてくれないか?城下町で何か。」

「えっ!?大丈夫ですって」

 必死に拒否するものの、向こうはなぜか決定事項のように続きを話す。慌てて、困っていると、サムロック先輩は変なことを言い出す。

「てことでアフォネロスと行って来てくれ。」

「え?」

「……お前何いきなり」

「お前が行け!俺は用事がある!金は払うから」

「え?え?」

 混乱していて、もう何が何だか分からない。サムロック先輩、貴方の祖先はとっても可愛い人だったのに〜〜

 ケノンが戻ってきたと思うと何故か止まって私にグットポーズする。何やってるんだバカ。

「っちょっケノン!助けてて!」

「……先輩、どういう状況ですか?」

 友達ではなく初めて話す先輩の話をまず聞くの?どうにか微笑みつつケノンを威嚇する。

「ふむふむ、わかりました!サンティさん!」

「……嫌な予感するわよ?」

「しましょう!デート!」

「……」

 奥歯を噛み締めてケノンを睨みつける。ケノンは怯むことなく私の腕をつかんだ。

「ね!」

「ケノン?」

「立って!」

「腰抜けちゃったから無理。」

「じゃあおぶってあげようか?」

「それは大丈夫、肩かして。」

 私は両手を広げてケノンに立たせてもらう。やっとこさ立ち上がれたらケノンが

「じゃあ今週末!」

「ちょっと勝手に」

 私は肩を貸してもらいつつお小言を言って寮に帰る。ケノンはすっごく渋い顔をしていた。


「あの子……」


 ◇◆◇


「ちょっ!サンティ大丈夫!?」

 ケノンに部屋まで連れて行ってもらって、やっとこさベットに座る。

「あっサンティさん今週末デートになったから!」

「……ケノン?」

 さっきまで私を心配していたキャロリがゆっくりと体をケノンに向ける。その時の顔は見れなかったけれど、私があんなに怒っても拗ねた顔しかしなかったケノンが冷や汗を流し顔を歪めている。だから触れないでおこう。

「何やってるのよ!バカ!サンティに何か変なことさせて!」

「ごっごめんなさ」

「口答えするな!」

 その時思った。キャロリには本当に何か有らない限り、怒らせてはいけないと。

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