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それからアン、コハル、湯吉を呼ぶとカメルンと又兵衛達と弓矢の材料を取りに行くと説明して弓矢を渡す。
この弓矢は菅生の頭領の屋敷に置いてあった物で愛から分けてもらった物だ、アンとコハルは扱い等は慣れた物で、近くの木に向い数回試し打ちをして感触を確かめていた。
翌日にカメルンの案内で竹と弓矢の弦の材料となるカラムシを取りに出かける。歩き慣れた者達だけで向かった事もあってかかなりのハイペースで進み、昼前には竹藪に到着した。
又兵衛の指示により竹を切り倒し適当な大きさに分けて行く、それを幾つもの束にして担ぐ。その間にカメルン達がカラムシを竹籠に大量に取って来ていた。
それから急いで集落に戻り、1週間位をかけて弓矢作りが始まった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
桃太郎Side
其々に領地の視察を終えて帰って来た桃太郎達が、時東 鎌田薫 只信に其々の活動報告をしていた。
特に何の問題も無く、穏やかな日が過ぎていたはずだった。
そして各地の国を治める時東 鎌田薫 只信の配下達も時を同じく集まっていた。其々の国の状況を報告して、誰が何の位農産物を納める等の話し合いが行われていた。
幸いにも、この年は豊作が予想されるできのようで皆、余裕をある顔をしていた。
そして話し合いが大詰めを迎えようとしていた時、一人の兵士が血まみれで屋敷に飛び込んで来たのだ。
「お館様にご報告! ご報告!」
「何事だ?」
入口を警備していた兵士が血まみれで入って来た兵士を見て固まってしまった、その姿は人に斬られたのでは無く何かに噛み付かれ引きちぎられたかのような傷口だった。
「何事だ? 何があった?」
「狼の群れが下総、武蔵、相模の村々を襲い村人が多数死傷、それを助ける為に向かった兵士達も死傷者多数。
狼の群はかなり統率が取れ、倒した狼な2.3匹しかいない状態。
応援要請したくまいった」
その報告は時東 鎌田薫 只信を始め、配下の国の頭領達と桃太郎達にも届いた。
すると時東 鎌田薫 只信の元に来ていた下総、武蔵、相模の其々の国を納める頭領達が駆け出すように領地に戻っていく。
このまま好き勝手に狼に暴れられたら農産物だけでなく、兵士として動く人にまで影響が出かねない。
そう判断したようだ。
時東 鎌田薫 只信が手下の者を呼ぶ。
「直ぐに状況を精査して報告せよ」
「かしこまりました」
それから数日達、かなり不味い状況が伝わって来た。
狼に襲われ、多くの村々が被害が出た。中には、村に火をかけ狼を追い出す等した村もあるらしく住む場所が無く役所が有るこの実田の街に村人が押し寄せているらしい。
それを聞いた桃太郎が猿山 胸吉 六郎を呼び出す。
「猿山、各地から集めた猟師達を連れて狼狩りを行う。このままでは実田の国の存亡に関わる」
「それが桃太郎様。私もそう思い猟師共を探しているのですが、見当たりません」
「なに? どう言う事だ?」
「は、それが我らが視察に出ている時に暇だと言う理由でお館様から許しをもらい狩りに出たそうです。
所が未だに戻っていないと聞いております」
「なに?」
その話を聞いた桃太郎と猿山 胸吉 六郎の2人で時東 鎌田薫 只信の所に来る。
「父上、猟師共を連れて狼狩りを行いたいと存じます」
「おお!! そうだ、そうであった。
猟師達を連れて直ぐに向うが良い、ここで農民の気持ちが離れるとかなりの痛手になる」
「それでお伺いしたいのですが、狩りに出かけたと伺いましたが、どちらに行ったかおわかりですか?」
「いや、農家の者から猪が出て被害が出ていると報告があって、その猪狩りだとわしは聞いておる」
時東 鎌田薫 只信が桃太郎と猿山を見る、そして何かに気が付いたのか慌て出す。
「まさかと思うが、猟師達はまだ帰らぬのか?」
「ハイ、猿山が探し回ったのですが何処もものけのから。
もしや父上なら何か知っているかと思い、やって来た次第でございました」
そう言われた時東 鎌田薫 只信が青筋が切れるのでないかと思う位に、怒りを露わにして配下の者達を呼び出す。
「お前達、今すぐに領地中を見て回れ。猟師共を見つけ次第首に縄を付けて引っ張って来い!!」
「「「「はっ」」」」
配下の兵士達が時東 鎌田薫 只信の屋敷を飛び出して行く、それに合わせ桃太郎が猿山に声をかける。
「猿山、犬飼と雉子藤を呼び出せ。我らは最悪の事を考えて準備を行う、万が一は猟師共を斬り捨て我らだけで狼狩りを行う」
「は、ただいま呼び寄せます」
桃太郎の指示を受け犬飼と雉子藤、猿山が其々に戦の準備を整えて桃太郎の元にやって来た、その時すでに兵士から、狼襲撃の報告を受けて一週間は経った後だった。
そしてその頃には猟師達の生き残り3名も時東 鎌田薫 只信の所に連れて来られていた。
「桃太郎様、猿山及び犬飼、雉子藤。3名揃い準備出来ました。何時でも出立可能です」
「わかった」
その声を聞き、桃太郎は猿山達3人を引き連れ時東 鎌田薫 只信の元を訪れる。
「父上、これから猿山、犬飼、雉子藤を連れ狼狩りを行います」
「桃太郎、この問題は可及的速やかに解決しないと行けない。わかったな」
「かしこまりました」
実田が抑える多くの国で被害が起きている、このままでは実田が何もしないと不満が出て、配下の国々も我らに見切りを付けて従わない所が出てくる可能性がある。それだけは何としても避けないと行けない。
それが時東 鎌田薫 只信の本音だった。




