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鬼ケ島伝説 鬼がしらと呼ばれた男  作者: 武田 健太郎


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87/126

87.

それから数日経ち、カメルンとアンがいる場所に向かう山に辿り着く。

「又兵衛、湯吉。悪いがここからが本番だ、獣や食べれる物を探しながら行く」


「わかった。ここからは弓を常備しよう」

「又兵衛、頼む」


「将、少しこの辺りを見ても良いか?結構色んな物が豊富だ。集落に着く前に沢山捕れるかも知れない」

「湯吉、助かるよ」


俺と又兵衛、湯吉の会話を聞いていたコハルが何かに気が付く。

「将、誰かに見られている気がする」


コハルが周囲を警戒して身をかがめる、それに合わせて又兵衛と湯吉が警戒を始める。


万が一に備え索敵を開始する。徐々に範囲を広げ確認するがネズミや狐、タヌキと言った動物を察知出来たが他の動物や人間等は察知出来なかった。


「又兵衛、湯吉、始めてくれ。俺がここで警戒を怠らずに待機する」

「「ああ」」


近くで湯吉が取った野草等を籠に入れて行く、かなり種類も豊富にあるしく数十分程で籠が一杯になる。

又兵衛も少し先まで見てきたのか問題が無いのを確認すると、道なき道を進み始める。


俺達が進んで行くと獣の皮を着込んだ奴等が弓矢を構えて出て来る、その中にカメルンがいるのを発見する。


「カメルン、俺だ」

「あっ!! 鬼頭の頭領」


カメルンが回りを見て手を振る。

「頭領、狼の群とは会わなかったか?」

「俺達は何とか会わなかったよ。カメルン達はどうだ?」


「俺達もなんとか、俺達よりも回りの村がやられて結構被害が出ている」


「そうか、面倒な状態にならなければいいがな。

カメルン、先ずは紹介する、俺達の大切な仲間だ。猟師頭の又兵衛、農家の湯吉、湯吉は野草や薬草等の知識が豊富だ。そしてコハルだ」


又兵衛、湯吉、コハルの3人を紹介すると其れぞにカメルンと挨拶を交わしていた。それから集落に移動となる。


集落に付くとアンが出迎えてくれる。

「鬼頭の頭領。待ってたよ」

「アン、紹介する」


そう言うとアンに又兵衛、湯吉、コハルを紹介する。ただ、コハルに関しては少し警戒したような顔で見ていた。


「コハルだっけ、あんた何が出来る?」

「何? 裁縫とか農作業位だよ」


「子供の面倒は?」

「多少かな」


「アン、最初に湯吉と食べられる野草を採りに行ってもらえるか?」

「わかった。湯吉さんよろしくね」


「ああ、あんたがこの集落のをまとめているんだな。よろしくな。

これはここに来るまでに取ってきた食べられる野草だ、知っているのはあるか?」


湯吉とアンが早速野草の種類や調理の方法を勉強していた。


「カメルン、ちょっと良いか?」

「なんだ」


カメルンが俺達の所に来る。

「カメルン、コハルをお前に任せたい。この集落の事を教えてやって欲しい。それと蝦夷に関する事や盗賊や実田の事もな、コハルはここに残って生活をする」


「まぁ、頭領がそう言うなら良いぞ」

「え? 将、私ここに住むの?」


「コハル、ここは親を殺された者達が作った集落だ。俺がここの子供達の面倒を見ることにした。

だがここには働ける奴が少ない、お前はアンとカメルンと一緒にこの集落をまとめる大切な役割を担ってもらう」


コハルが完全に思考停止をしていた、余っ程驚いたみたいだ。

「カメルン、先ずはコハルと又兵衛、湯吉の寝床作りだ。

それが終わったら又兵衛に狩りやり方を学ぶ、これから少しの間又兵衛と湯吉がこの村にいてお前達に物を教える」


「なら、これを使ってもらえるか?」

そう言って見せられたのは何処かから集められた家に使っていた木材等だ。


「カメルン、これはどうしたんだ?」

「これか、近くの村で狼達を追い出す為に家に火を付けて村一つを焼いたんだよ。その焼け残りだ。着物やら食い物何かも沢山あってな、こっそりと持って来た」


「カメルン、見つかって無いだろうな?」

「心配は無い。みんなこっそりと来てはやってる、誰も俺達を見ても分からないさ」


みんなやってるって言ってたな。しかし、村一つ焼かない行けない程酷いとは、狼の集団ってそこまで酷いのかね。


そんな事を考えいる時、又兵衛がカメルンに狼達が何処に移動したかを聞いていた。

「将、当分の間はここから動かない方が良いかも知れない」


「何故だ?」


「狼の行動範囲は以外に広い。下手すれば実田が管理しているこの一帯が縄張りかも知れない。

この縄張りの中にいる生き物全てが奴らの獲物だ、まして人を襲った狼達は人を恐れる事をしない」

「そうか、なら俺一人で大蔵村と往復するよ。俺なら襲われる事はないしな」


「そうだな、そこは任せるしか無い。

それと、話しが変わるが家を作るだろ、ここに少し穴を掘ってもらえるか?」


「穴? なにするんだ?」

「はは、出来てからのお楽しみだ」


その後又兵衛の指示で、家を建てる。そして建てた家の横に高床の小さい倉庫を作っていた。

「なぁ、又兵衛さん。このちっちゃい家みたいのは何に使うんだ?」


カメルンが目を丸くして聞いていた。

「これは食べ物をしまっておく為の小屋だよ。私達がいた村じゃみんな持ってるよ」


「え? コハルの家にもあったのか?」

「え? この辺の家にはないの?」


「は、始めて見た」

カメルンの表情が凄い事になっていた、高床式の米倉は古くから使われていたと思っていたけどそうでも無いらしい。使う所と使わない所が有るらしい。



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