77.
異世界Side
現、獣人族の国王は獅子族。妻は複数おりその中に最古の一族の白猿族の王妃が一人いる、それがその他の最古の一族が問題視している理由の一つでもある。
「ああー!」
タクテが何かを思い出して突然立ち上がる。そして直に平伏して謝罪をする
「ユウメル王女、今まで気付かずに大変失礼致しました」
「タクテ、顔を上げなさい。貴方が気が付か無いのはしかたありません。
私のこの認識阻害の魔道具の為です」
「は、そのようにおっしゃって頂き有難うございます」
ダリアがタクテの隣に来る。
「タクテ、彼女マリアって名乗って無かった?」
「バカ、頭を下げろ。
キトーが過去に獣人族のお姫様をお助けした事があったのは知ってるか?」
「ええ、メルに聞いた事があるわ」
「その姫様がこのユウメル王女様だ」
「ええ!!」
ダリアの驚いた声を聞いて騎士団達も驚いてしまう。
それから騎士団の隊長がタクテとダリアを見る。
「と、所でタクテ殿。ダリア殿。
お二人は赤龍様からお願いされたと言われますが、この子供達が誰か等も知らないのですか?」
「ああ、我々は赤龍様に頼まれた事に付いて例え疑問に思う事があっても、何も聞かないし確認する事も無い」
「そ、そうですか」
ダリアとタクテが不思議そうに騎士団達を見る。
「何かありましたか?」
そこにユウメル王女が声をかける。
「は」
メルダリアが書いた証明書を騎士隊長がユウメル王女に見せる。
「あら貴方達、先代の魔人王の子供達だったの?」
「え? うん」
子供達の中で一番年長の男の子がそう話す。
それを聞いて一番驚いたのがタクテとダリアの2人だ。互いの正義の為に戦ったとは言え、先代魔人王を倒したのはキトーを筆頭にした勇者のパーティーだ。
それを倒したはずの勇者のパーティーが魔人王の子供達を保護する為に連れて移動している。その異常と言えば異常な状況をどう対象するか、全員が頭を抱えてしまっていた。
パン!! 「ならこうしましょう」
突然、ユウメル王女が立ち上がり騎士団とタクテ達を見る。
「この子供達は私の親戚になるわ。
私がこの子供達を連れてメガタン村のリューメに会いに行きます」
「「「ひ、姫!?」」」
「心配はいりません。タクテとダリアがいます」
騎士団の隊長が慌てて止めに入る。
「なりません。姫に護衛の騎士1人つかない状態ではここから移動頂く事はなりません」
「貴方は頭が硬いわ」
「なんと言われても駄目なものは駄目です」
「ムー!!」
「このまま、姫を行かせれば我々全員の首が飛ぶでしょう。姫が我らの命と引き換えで問題無いとおっしゃられるならそれでよろしい」
騎士団の小隊長と言い争うユウメル王女の手を男の子が握る。
「お姉ちゃん。騎士団の人を困らせたら駄目だよ。
俺達、赤龍様に約束したんだ。タクテとダリアを信じて泣かないで一緒に行くって。
だから俺達タクテとダリアを困らせないように努力してる、だからお姉ちゃんも騎士団の人を困らせたら一緒に行ってあげないよ」
「え?」
ユウメル王女が固まる中、タクテとダリアが男の子と子供達を抱き締めていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
(やっと戻ってこれたぁ。異世界、長かったな)
ルルイに向かう為に先を急ぐ、村等も無い場所をずっと進んで行く事もあり野宿しながらの旅が進む。
そこで活躍したのがインベントリだ。ナタやロープ、寝床に使う藁をしまったりハルナが取った虫よけの薬草等をしまったりと大活躍だ。
夜は街道から外れて森の中で簡易テントを作る、木の枝を地面に刺し土台を作って少し浮くようにするとそこに木を並べてる寝る場所を作り、屋根は三角形になるように屋根を付けるとは枯れ草等を集め屋根に乗せる。
寝床の床に持ってきた藁を敷いて終了する。そこに火起こし為に石をコの字に積み重ねて、竈門を用意する。
薪は乾いた木や落ちている木々を集めて来る。この作業も慣れたもので、竈門で火をおこし最初に虫除けの薬草を燻して煙を出し簡易テントに煙を入れる。それから付近に置くように設置して晩飯の準備等をする。
ハルナと夢の二人は大蔵村から出た事がほとんど無いらしく、すでに2週間程旅をしている中で家が恋しくなってしまったようだ。
口を開くとじいちゃん元気かなとか、愛が畑を手伝うって言ってたけど大丈夫かな等々、心配事が絶えないらしい。
突然だが、異世界でレベルをカンストした俺がこの平安時代の初期に来てしまった事によって歴史的に何か影響が出ていないか? そこが少心配になって来ていた。
当然俺はこの世界にいない人間であって、何か影響があってもおかしくは無い。だが、高々俺一人が何かをした事によって大きく歴史が変わるとも思えなかったりもしている。
まあ、何の影響力も持たない俺が何かに影響を与える事も無いと思うけど。
何故突然こんな事を言い出したかと言うと、ハルナと夢から聞いた話しが元だ。
俺とハルナ、夢の間に産まれる子供達はこれから未来永劫に子孫を残し続けるらしく、この鬼頭と言う名字も永遠に残るのだと聞いたのだ。
そしてそれは、本当の事だと言う。




