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鬼ケ島伝説 鬼がしらと呼ばれた男  作者: 武田 健太郎


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6/6

6.

忠勝のおっちゃんが突如大声を出す。

「マタ、ユキ、デン。

お前ら直に菅生の棟梁の元に走れ。

そして俺からの伝言と言って伝えてくれ。


“ババ様の遺言を守る時が来た”


そう伝えてくれ」


「はっ、はい。棟梁、菅生の棟梁に“ババ様の遺言を守る時が来た”って言えばいいんだな」

「ああ、必要があれば菅生の棟梁がここに来る。その時はお前達が守ってやるんだ」


「「「おおー!!」」」

又佐、幸太郎、伝次郎の3人が疾風の如く駆け出す。

この3人も忠勝のおっちゃんよろしくオーガみたいな体をしている。

身長は俺よりも高く、体の厚みなんか俺の3倍は有りそうな筋肉で出来ている、にもかかわらず走る音が聞こえ無い位に身軽だ。

この3人の身体能力の高さに驚きを覚えてしまった、現代日本で生活する俺にはあり得ない程の凄さだ。


その後は忠勝のおっちゃんに招かれて家に入り俺の愛刀、鬼がしらに付いて等質問攻めにあった。


そして鬼がしらの名前の由来を説明した際、ハルナが大爆笑していた。そしてこの鬼がしらと命名したミューモを才能が有ると言って褒め始めた。


「ヒィ−ヒィ−。将、私もそのミューモと言う女性に合ってみたいぞ。絶対に私達は直に仲良くなれる自信が有る」

そう言うと笑いが収まらなくなったのか、腹を抱えいる。


忠勝のおっちゃんは刀に興味を持ったみたいだ。

「なあ将、その鬼がしらを良ければ見せてもらえるか?」


忠勝のおっちゃんが壁に立て掛けた鬼がしらを取りに行こうするのを止める。

「鬼がしら、来い」


俺の呼び掛けに立て掛けて置いた鬼がしらが反応してヒュンと軽快な音を上げ俺の手元に飛んで来る。


「「えっ!!!!」」

忠勝のおっちゃんとハルナの2人が顎が外れる位に口を開け目を見開いていた。


「やっぱり将は妖術使いだ、立て掛けてあった刀が自ら飛んだ」

「ほ、本当じゃ。わしが子供の頃に見た妖術使いよりも、もっと凄いぞ」


コソコソと話をしている2人をよそに刀を抜く。

「これが鬼がしらだ」


鞘から抜いた刀を見せる。

鬼がしらは真っ黒い刀だ、そして刃の部分だけほんのりと黒白銀に輝く美しい色をしている。

「じ、じいちゃん?」


門馬のおっちゃんが固まり動かい。

「ああ。ババ様の書いた絵のままだ」


「親方、親方。もうすぐ菅生の棟梁がここに付きます」

息を切らしながら、又佐が報告に来た。


「マタ、護衛は?」

「ハイ、棟梁の所の奴と幸太郎、伝次郎が付いています。


幸太郎、伝次郎は棟梁の直に脇にいます。大丈夫です」


そう報告を聞いて忠勝のおっちゃんが安堵していた。


するとドヤドヤと複数の男達が忠勝のおっちゃんの家に入って来る。

「忠勝、来てやったぞ。ババ様の遺言は本当なんだろうな?」


そう言って入って来た男は又佐、幸太郎、伝次郎と比べると線が細く華奢な体つきで、神経質な顔立ちだ。


するとその男に又佐が立つ、男の目の前に来て上から睨み付ける。

「おい、腰巾着が偉そうだな。この間お前の弟にも教育してやったが、お前も教育が必要か?」


「お、俺は棟梁から本当か、ど、ど、どうか聞けっ。


と、とと、と言われています。ます」

男は最初又佐に対して睨み返していたが、段々と大人しくなりしまいに体を小さくして又佐に完全にビビってしまっていた。


そこに幸太郎と伝次郎が二十代位の細い男を連れて来た。

「親方、菅生の棟梁をお連れしました」


その声を聞いた忠勝のおっちゃんが玄関まで出て来る。そして、その大きな体を折り曲げ頭を下げる。

「菅生の棟梁。

わざわざお越し頂き有難うございます。お体はいかがですか?」


「うん、門馬の親方も元気そうで何より」

「いやいや、わしは丈夫なだけが取り柄なだけです。


ささ、上がって下さい」

「マタ、ユキ、デン。菅生の棟梁を手伝ってやりな」

「「「ハイ」」」


菅生の棟梁と呼ばれた男は、又佐、幸太郎、伝次郎の3人に手伝ってもらいワラジを脱いで、やっとの思いで家に上がってきた。


部屋に入り座る頃には息切れしている位に弱っている。

着物は周りの人達と違い上物だと分かる物を来ている。髪は金髪よりも更に白く目はコバルトブルーのような綺麗な目をしている。


「ハルナ、将を連れてきてくれ」

忠勝のおっちゃんに呼ばれハルナと一緒におっちゃんの横に座らされる。


俺を見た菅生の棟梁は本当に病気なのかも知れない、そう思う程だ。着物の上からも肋が浮いた体が見える位だ。


そんな男が俺を見る。その目は、眼力と言うか凄みと言うか、物凄く迫力のある力強さを感じさせる。


忠勝のおっちゃんが話を始める。

「将、この方が俺達全ての棟梁。

つまりこの大蔵村で一番偉い方だ。


菅生の棟梁、この若者がババ様の遺言に出た者です」


「君が、将と言う男だね。


私はここ、大蔵村を預かる菅生(スゴウ) 法明(ノリアキ)と言う。ここに住む全ての渡来人達のまとめ役をしている」

鋭い眼光とは裏腹に凄く優しい暖かみのある声だ。


「初めましてで良いのか?

悪いな、礼儀作法なんかは良く分からない子供なもんでな。

俺は鬼頭 将、この刀は俺の相棒の鬼がしらと言う。


この前の嵐の時にここの砂浜に打ち上げられて、忠勝のおっちゃんとハルナに世話になる事になった」


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