51.
俺の思い出話しは置いておいて、雉子藤の訪問があった日に捕らえられた者達の尋問が始まった。
まぁ、尋問したのは俺だけど。みんな俺がやるのが一番って押し付けて来やがった。
スキル尋問洗脳催眠を使い捕まえた全ての者を確かめた、こいつらを寄越したのは京の重鎮、桃太郎の祖父、時東 太助 小三郎と叔父の時東 丸柄 経久の2人だ。
桃太郎と父の時東 鎌田薫 只信が何時までもうだつが上がらなく痺れを切らしたのだ。
そして捕まった奴の中に時東 丸柄 経久に送られた間者が複数名混じっていた。
その男達があらいざらいに話してくれた。
鬼の島にやられ続ける桃太郎と時東 鎌田薫 只信は如何なものか? そう言って時東一族に反発する者達が攻勢をかけてきている、そんな負け続ける時東一族に山賊や海賊が跋扈する実田を任せて良いものか、いずれは京の都に山賊や海賊共が押し寄せて来るのではないか? 京の帝にまでそのような話を耳打ちして時東一族の失脚を狙っているのだとか。
現在、京の都で時東一族と対する能力を持つ一族は藤堂一族。その藤堂一族が先手を打ってこの大蔵村を襲うと言いきった。
何故この男達がそう言い切れるのか? その中の一人が藤堂一族が時東一族に送った者がいる、付いた先が桃太郎付き。
つまり桃太郎に直接くっついてスパイ活動をしていたのだ。
常に時東一族の正確な情報を藤堂一族に流している、それを元に藤堂一族は俺達に勝てる。そうふんだのだろう
全ての捕らえた奴等の尋問が終るとかなり疲れてしまった。
「将、こいつらをどう扱う?」
「忠勝のおっちゃん、コイツラに飯は要らねえ。
当分は俺の妖術の影響でまともに歩く事すら出来ない、こいつらがまともになったら実田の時東の奴等に渡すよ」
「えっ? 良いのか」
忠勝のおっちゃんがぽかんとする。
「俺達も農作業をしっかり行わないと食う物が無くなるだろ、こんな奴等に時間をかけるのが勿体ない。
おまけに半分以上の奴等が名前を偽って実田にいる、桃太郎にも土産を持っていかないとな」
「将、何を考えてる?」
「俺はどうも農作業が下手くそらしくてな、ハルナと夢に畑に入るなって怒られる。
だが、黙っているのも気が引ける。だから俺は俺に出来る事をするだけだ」
この出来事が起きてから3日程経つと、俺のスキル尋問洗脳催眠の影響が解け捕らえられた者達がしっかりとし始める。
それと同時に3日も何も食べていない事もあり、だいぶ大人しくなって来た。
捕らえた者達15人を後ろ手に縛り、足も歩く幅しか動けないように縄で縛ると、首に縄を付けて連結する。
そして木の札に本当の名前を書いて首からぶら下げると、そいつらを引っ張って実田の役所が有る街に向かう。
ここは桃太郎達の屋敷もあるかなり大きな街だ。
こんな面倒な事をやっているにも関わらず幸太郎が何故か俺に付いて来た。
後から幸太郎が付いて来ることもあり誰一人として逆らう者が出なかった。そこだけは幸太郎に感謝だ。
実田の街に入ると人々がざわめき立つ。そして街の大通りに来るとあえて大声で叫ぶ。
「俺は鬼の島をまとめる鬼がしらと言う。桃太郎と言う男に用があって来た。
桃太郎を連れて来い!!」
そんな騒ぎを聞いた兵士達が俺達を取り囲むが、幸太郎の存在がでかいのだろう誰一人としてまともに近付いて来る者がいない。
あえて騒ぎ続けて時間を作る、遠目に桃太郎の家臣達が集まったのを確認してあえて大袈裟に騒ぎ立てる。
「小奴らはこの鬼がしらの寝所に来て俺と妻のわぐわいを見ていやがった。
どうだ、お前達。夫婦の営みを覗くもう者にはどんな罰が相当だ?」
その言葉に笑いが出る。
「裸にしてさらしてしまえ」
「かみさんと2人で放り出せ」
野次馬が楽しそうに騒ぎ始める。
そこに桃太郎がやって来た。桃太郎達が民衆を抑えようとするが騒ぎになった民衆がその程度で収まる訳が無い。
「桃太郎殿とお見受けする。
俺は鬼がしらの異名を持つ鬼頭 将と言う。
小奴らは俺の寝床を盗み見た罪でみんな連れて来た。
実田の裁きはどのような裁きか見てみたくてな」
「俺は実田の総大将の一子、時東 桃条 小太郎である。
鬼がしらと言ったか? 貴様何用で参った」
「こいつらは京の都の藤堂と言う一族の者らしい。
どうせ実田の者達がこの鬼がしらを処分する為に送って来たのだろう」
「藤堂!? 鬼がしら、藤堂と言ったか?」
「ふん、白々しい。
この男が証言したぞ、自らを藤堂の一族とな。
桃太郎、貴様がこの出来損ない達を送って来たのだろう!!」
そう言って一番手前の男の頭を掴み左右に振る。
「な!?」
その頃になると犬飼 小五郎 綱為、雉子藤 四郎 籠一、猿山 胸吉 六郎の3人も揃う。
そしてその後に時東 鎌田薫 只信がいた。俺達に捕まり連れて来られた者達がそれに気付いたのか、恐怖で固まってしまう。
「静まれ、静まれぇ。お館様のお越しだ。皆のもの静まれ。
これより騒いだものは捕まえた上で処刑とする」
籠に乗り時東 鎌田薫 只信が現れる。すると街の人々が皆土下座して静かになる、すると時東 鎌田薫 只信が籠から降りて俺達の所に来る。




