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鬼ケ島伝説 鬼がしらと呼ばれた男  作者: 武田 健太郎


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50.

異世界Side


赤龍の所で子供達を預かったタクテとダリアは子供達を連れて赤龍の住処を抜ける、そこまでは赤龍が案内して来た。

「さて、タクテ、ダリア。わが弟子にこれを渡せ、そうすれば全てが伝わるようになる」

「あ、あの? 赤龍様のお弟子さんってもちろん龍なんですよね?」


ダリアが恐る恐る聞くと赤龍が首を振る。

「龍ではない、ドラゴンだ。

エンシェントドラゴンのリユーメと言う。今は魔人族と獣人族を率いて村を作って暮らしている」


「え、エンシェントドラゴン。

我々が倒したドラゴンなんかよりももっと強いんじゃないの?」

ダリアが震えながらそう言う。


「そうだな、将が一度メガタンの村で世話になった人の中にリユーメと言う男がいた。もしかしたらその人かも知れないな」


そんな事を聞いたダリアが一人で騒ぎ始めるが、赤龍が有無を言わせずにタクテとダリアを追い出す。

「ダリア、ごちゃごちゃと言っても始まらん行くぞ」

「わ、分かったわよ」


だが、子供の足だどんなに急いでもここからニヶ月はかかると思って間違い無いだろう。そう思うとダリアが項垂れてしまう。


「ダリア、何をしている。町に戻って馬車を借りれるか確かめるぞ」

「馬車? ああ、領主の屋敷に行くのか、ならメルがいた方が良く無いか?」


「大丈夫だ、メルから親書を書いてもらった。こんな小さい子供達を何時までも歩かせる訳にも行かないだろ」

「タクテ、行動が早いな」


タクテが子供達の手を引いてゆっくりと歩く。子供達は人族の町に入ると足が止まってしまい動かなくなる。


「心配要らない。赤龍様から君達の安全を任されている」

「そうだよ、私達がいるもの。貴方達に何も危害がある事は無いわ」


ダリアがそう言うとフードを子供達に被せる、すると一人の子供が他の子供達を見て頷いて他の子の手を引く。


その子が子供達のリーダーなのかも知れない、タクテがそう思いその子を中心に話をし始めた。


「良いかな、これからこの町の領主と会う、そこで君達が乗る荷車を借りる予定だ。


そこで君達も一緒に領主の家に行く。でも心配はいらない赤龍様からもお話がいっている」

「俺達は何もされないか?」


「大丈夫だ、俺とダリアに何かして来る奴は基本的にいない。もしいるとしたら俺達の敵になる奴等だ、そんな奴らに俺達は負けない」

「じゃあ、その領主の屋敷に行っても怖い思いはしないか?」


「無い、それは約束出来る」

「分かった」


そう言うと、その男の子が他の子達に説明をする。


すると男の子が他の子供達を連れてタクテの所に来る。

「俺達、赤龍様と約束した。だから泣かない、俺達も一緒に行く」


タクテがパッと明るく笑う。

「よし、じゃあ行こうか」


ダリアが一人取り残された感をかもし出しながらついて行く。


領主の屋敷に来るとメイドに領主に会いに来た事を伝え、メルダリアからもらった親書を渡す。


すると直ぐ様領主と面会となる。

「確認させて頂きました。

赤龍様の指示で獣人族の国に向かわれるとか? 私共で何か出来る事を手伝うようにと書かれておりますが何をお手伝いしましょう」


「荷車と少しの食糧を分けてもらえますか」

ダリアがそう話をする。


領主との面会の最中、タクテは子供達の手を握り様子を見ている。


「かしこまりました。赤龍様との約束を我が家のメイドも受けております。出来るだけの協力をしたいと思います、ですが食糧が余り無いと言うのが現状です」

「皆さんはどうやって食糧を?」


「ハイ、食べられる果物や食用の山野草を採って食糧の足しにしているのが現状です」

「分かりました、なら食糧は私達で何とかしましょう。

馬は我々が乗っていた馬が2頭います、幌付きの荷車を貸してもらえると助かります」


領主がその言葉を聞いてホッとしたような顔になる。復興の為に努力はしているが中々資材やら、必要な人材等が集まらない中での協力はかなり厳しいと言うのが現状だ。


「荷車に付いては私達が昔使っていた物があります。幌も丈夫で雨風に負けない物です、荷室も大きく作られています。馬2頭で引くなら何も問題無いと思います」

「では、寝ぶくろか布団をいくつか分けてもらえますか? 同行するのはまだまだ子供達です、できるだけ旅の負担をかけたくありません」


「そんな事で良ければ大丈夫です」

領主のはからいで幌付きの荷車を得たタクテとダリアは子供達を荷車に乗せて獣人族の村、メガタンに向かう事になった。


一方で赤龍の所に残ったメルダリアとミューモは鳳凰の所に向かう段取りをしていた。

この赤龍が住む場所は火山の熱気溢れる場所だが、鳳凰が住む場所は春の陽射しを受けた草花が咲き乱れる場所。


一見すると非常に綺麗で過ごしやすいように見えるが、実は猛毒の草花しか無い死の草原の中にある。


それもその鳳凰の趣味と言うか、毒のある草花程美しく咲き乱れる、と言っては何処からともなく集めて来ているのだ。


何時しか鳳凰の住む草原は死の草原と呼ばれ、毒を持つモンスターや毒耐性があるモンスターですら近付かなくなってしまった場所なのだ。


毒耐性スキルを取得する時に度々利用する者が出るが、実際に生きて帰って来た者はいないと言われる程の場所だ。


実際にキトーこと、鬼頭 将もこの場所で何度となく終わりを告げるが、鳳凰に気に入られいたのが功を奏したのか、その都度助けてもらった経緯が有る。


ミューモの解毒魔法では解毒出来ずに鳳凰の持つ聖なる炎によって解毒する、それを何度も繰り返しキトーは世界最強の毒耐性を得たのだ。


因みに通常の毒耐性では耐えきれない魔物の毒と言うものあって、それによっては死に至る事が有る。まぁ、それが普通だと言えば普通なのだ。

だがキトーの毒耐性は死毒猛毒耐性。この異世界で最強毒と呼ばれるヒュドラの毒ですら蚊に刺された程度にしか反応しない。


それ程の耐性を身に着けしまった。

まぁ、そもそも期待すら持てないキトーにメルダリアとミューモが毒の強さ等をてきとうに扱い与え続けたのがきっかけと言えばきっかけなんだが。


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