46.
異世界Side
キトーこと鬼頭 将の帰還の儀式を行なうをべく、赤龍の元を訪れた4人は砂嵐の結界の中を進みながら赤龍の元を目指していた。
「うう、前回も思ったけどやっぱりこの結界ってしんどいね」
「なぁ、メルダリア。そんなにしんどいならお願いしたらどうだ?」
タクテをみんなが見る。
「なにを?」
「結界を解いてもらえないかって?」
「「「なに言い出すのよ」」」
「わかった、解いてやろう」
「「「ヒィッ!!」」」
タクテの声を聞き入れた赤龍の声が突然聞こえメルダリア、ダリア、ミューモの3人が飛び上がる。
タクテがその様子を見つつも、平伏した上で挨拶を始めた。
「赤龍様、お久しぶりでごさいます。またお会い出来て嬉しく思います」
「ふむ、タクテ久しいな。
結婚が決まったと言うのに最愛の者を置いて来ないと行けないのは、何やらさみしいものだな」
「はい、ですがキトーの為ならばそうも言っておれません。キトーには帰す事の出来ない大きな借りがあります」
「借り? 魔人王の事か?」
「ハイ」
「フフ、相変わらずお前は真っ直ぐな男だな。
まぁ良い、付いて参れ」
「ハイ」
「おい、そこの3人。付いて来なければ置いてくぞ」
赤龍がメルダリア、ダリア、ミューモの3人に冷たく声をかける。
赤龍が女性3人置いてタクテと歩き始めるとまた、砂嵐のような結界がまた動き始める。
それを見てメルダリア、ダリア、ミューモの3人がタクテの背中を掴んで付いて移動する。
赤龍が歩くその場所だけ、何故か砂嵐が避けて通る。そして人ひとりが歩ける位の道を示している。
「赤龍様、相変わらずの魔法操作です。どのようにしたらこれ程の魔法操作ができるのでしょうか?」
「タクテ、お前はそればかりだな。キトーもお前の真面目さには呆れていたぞ」
「はは、私にはそれしか取り柄が無いですから。キトーのように色んな事が出来たら良かったのですが」
「タクテ、そんなに気にする事は無いぞ。キトーは確かに何でもこなした。代わりにタクテ達のように秀でた所が無いのもキトーの特徴だ」
そんな話をしながら歩き続けて行くと赤龍の寝床に入る。火山の中腹にあり、マグマの熱がムアっと伝わる灼熱の場所だ。
「やっぱり、何度来ても赤龍様の寝床は暑いわ」
ミューモがそう言うと上着を脱ぐ。
赤龍が自分の為の椅子に座ると保護した子供達を呼ぶ。
「みんなおいで」
物陰に隠れていたのは魔人族と獣人族の子供達4人だ。
人族、精霊族、エルフ族が魔人王の討伐に乗り出した時、唯一獣人族だけが中立を貫いた。
元々魔人族と獣人族とは交流があり魔人族に敵対することが無かった、所が勇者キトーにより魔人族の王が討たれると魔人族と獣人族に対する風当たりが強くなってしまい、他の国で暮らしていた魔人族と獣人族が虐げられてしまうと言う現象が起きてしまった。
人族、精霊族、エルフ族の其々の国は魔人族と獣人族の保護政策を取り、魔人族と獣人族の国の支援を始めている、だが長きにわたって続いた戦争の影響か上手く行かない事が多くある。
赤龍が保護した子供達もそんな影響を受けた犠牲者なのだ。
赤龍が立ち上がる。
「さて、お前達4人にはこの子供達を獣人族の村。メガタンまで連れて行ってもらおう。
メガタンには私の弟子がいる、そいつに預けて来れば良い」
「め、メガタンですか? あそこは私達と最も敵対した場所じゃないですか」
「私も苦手です。闇魔法を扱う者が多く、私に取っては最も行きたく無い場所です」
メルダリアとミューモが反対する中、タクテとダリアは行く事を了承する。
「私は行っても良いよ、赤龍様の寝床にいる方が私に取っては苦しいわ」
「俺もダリアの意見に賛成だ。
赤龍様が我々を呼んだのだ、それなりの理由があっての事だろう。
それにこのように任せて頂けるのは、我々を信頼しての事だろう」
メルダリア、ミューモとダリア、タクテの4人が話し合い、子供達をダリアとタクテが届ける事になる。
次のふたつの満月が揃う日までに赤龍と鳳凰の宝玉を揃え無いと召還と返還の儀式が行えない。
なら二手に別れた方が良いのでは無いか、そんな意見がメルダリアから出た。
「この子供達を無事に届けたら、キトーの儀式に私が直接行ってやろう。わざわざ宝玉を使う必要もなかろう」
「赤龍様、本当ですか?」
召還と返還の儀式を行うダリアが驚いて赤龍に聞く。
「ああ、嘘を言うつもりは無いぞ、キトーは私の友だ。友の為に私も一肌脱ごうじゃないか」
それからメルダリア、ミューモ、ダリア、タクテの4人で話し合いが行われダリア、タクテが子供達を連れていきメルダリアとミューモが先に鳳凰の元に行く事になった。




