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鬼ケ島伝説 鬼がしらと呼ばれた男  作者: 武田 健太郎


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41/55

41.

隠れて見ていると2人の男が弓矢を持ち、何時でも放てるように構えながらウロウロとして俺を探し続ける。

しかし良く似た顔立ちだ、恐らく双子なのだろう。


この俺を狙って来た奴2人は大蔵村の人達と違い俺に近い気がする、要は日本人だ。黒髪に肌色の肌、黒い瞳で少し日焼けした感じの男2人だ。背は160cm位だろうか? 俺よりも背が低い。


この2人の話しを聞くと実田の国は俺に懸賞金のような物をかけているだろうか? もしくは褒美として士官をうたっているのかも知れない。

そんな2人が俺を捉えきれなかった事にかなり苛立ちを覚えたようだ、まだ俺を探してウロウロとしている。


余っ程、俺を餌に士官でもしたいのだろう2人は、苛つきを覚えつつ油断無く俺の姿を探す。


大蔵村の歓迎とは違い、殺意を持って向い入れられる、そう思うと心が冷えて冷静になってくる。


しかし大蔵村を出ると直に敵しかいない場所となる、そんな場所をどうやって抜け出してハルナや夢達を逃して行けば良いのか?


そうなると敵となると者を少しでも減らした方が良いのだろうか?


この2人を捕らえその上で住む村を潰した方が良いのか。思案した結果この2人を捕らえて大蔵村に連れて行く事にした、そう考えてインベントリから拘束具を取り出してある事に気が付く。


インベントリって結構魔力使うんじゃないのか?


不意に全く関係無い事のように思えるが、実は一番大事な事だ。

異世界にいた時は何も考えずに使っていたけど、今は魔力の回復がかなり遅い。

つまり、インベントリを使う事によって常に魔力を消費し続けているとしたらどうだろう。

いずれインベントリだけで魔力が枯渇してしまう、そうなる前にインベントリの中を始末して何時使えなくなっても良いようにした方が良いのだろうか。


そんな事を思っていると大蔵村の方角から人が来た事に気が付く、獣の皮を着込み腰にナタをぶら下げ弓矢を手に持っている。


「あっ! タガル。ヤガル。お前らまたサボってやがるのか?」


「え? 棟梁。いやサボってないですよ」

「そうっすよ、ヤガルと一緒に月読みの祝福を受けた男を捕らえようとしているだけです」


「月読み様の祝福を受けた男を捕まえる!?」

棟梁と呼ばれた男が戦慄き始める。


「てめぇら(怒) まさかと思うがその男に矢を放って無いだろうな?」


「え? ハイ。確かに矢が当たったと思ってここまで登って来たんですが見当たらないんすよぉ」

「そうなんです、だからタガルと一緒に奴の血の痕跡何かを探しているんですが、何処にも見当たらないんすよ」


「ば、ば、馬鹿者ぅ!!!! 月読み様の祝福を受けた男に矢を放っただと?」


「へへ、そうなんすよ。下からこの辺りにいた男を狙って。

たった一発ですよ、たった一発で確実に当てるなんて俺って凄いと思いません?」


「き、貴様ら、出て行け! 村から出て行け!!


二度と村に近付くなよ。山賊の王、オガルの棟梁の頼みだと聞いてワザワザ飯食わして育ててやってんのに。


そもそもオガルの棟梁も月読み様の祝福を受けたお一人だぞ、ましてオガルの棟梁こそが月読みの神職様を実田の連中から保護なさった張本人だ。


そのオルガの棟梁の思いを忘れて何やってやがる、今すぐ出て行けー」


「「ヒッ。ヒィ− す、すんませんでした。親父が月読みの神職を保護してたなんて知らなかったです」」


「知るか! もう二度とお前達の面倒は見ない。二度と帰ってくるな」


棟梁と呼ばれた男が怒りに任せ2人を置いて帰ってしまう、するとタガルとヤガルと呼ばれた男達が呆然として立ち尽くす。

「オガル、今日からまた野宿だな」

「ああ、ヤガル今日からどうすっかぁ」


そんな会話をして立ち尽くす2人を見て一気に距離を縮めて殴り倒す。

「げぴゃ」「もぴゃ」


不意を付いて後頭部を思っきり殴られて悶絶する2人に拘束具を使い拘束する。口に猿轡を噛ませると身体強化を掛け、2人を背負って村に帰って来る。


丁度昼頃になっていたのか昼飯の準備を終えたハルナが俺を探しに来ていた。


「ま、将!?」

ハルナが俺を発見した時、2人の見知らぬ男を担いでいた事もあり、直ぐ様忠勝のおっちゃんに呼ぶ。


すると夢が刀を携え飛び出して来た。

「将、何があった? そいつらは何者だ?」


夢の怒気と共に射抜くような殺気にタガルとヤガルが震えてしまう。


夢の少し手前にタガルとヤガルを降ろす、すると騒ぎを聞きつけた伝次郎、又佐、幸太郎がやって来る。

それに合わせて夢が刀の柄に手を置き、構えを取る。


「将、何があった? まさかと思うがコイツラに何かやられたのか?」


夢の圧力に恐怖で震えてしまい縮こまっていた2人が伝次郎、又佐、幸太郎を見て卒倒するかの如く天を仰ぐ。


死を覚悟した、みたいな顔をしているタガルとヤガルが顔を真っ青にして天を仰ぐ。


「悪い、ちょっとな向こうの山を越えて散策してたらコイツラに矢を放たれてな。倒そうか迷ったんだけどな、面倒で拾って帰って来た」


「「「「な、なにぃ(怒)」」」」


「まぁ、そんなに怒るな。

俺も良く分からずに山を越えたのが悪かった。それとコイツらもコイツラの棟梁に怒られてな、捨てられたんだよ」


「ほう、わしが話しを聞こうか。なぁタガル、ヤガル」


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