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鬼ケ島伝説 鬼がしらと呼ばれた男  作者: 武田 健太郎


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19/54

19.

この日も愛に呼ばれており、忠勝のおっちゃんの家にハルナと一緒に行く予定だ、要は幸太郎、又佐、伝次郎の3人に加え夢と愛との決闘だ、良く分からないけど彼等は俺と決闘して確かめ無いと納得行かないらしい。


だが昨日の酒で二日酔い状態にハルナをこの階段を降りさせるのは不安がある。なんせ崖に階段を取り付けたような所を降りないと行けない、高さは2階建ての家と変わらない位の高さだ。


ふらふらとして降りたら足を滑らせて大怪我する高さだ。

「ハルナ、来い。おんぶしてやる」


「へ? な、何で?」

顔を赤くしてハルナが驚いている。


「そんな二日酔いの状態でこの階段降りのは危ないだろ、だから下に降りるまでおんぶしてやる」

「は い」

ハルナがが恥ずかしそうに俺の背中におぶさる。


「重く無い?」

「ハルナは軽いよ」


「そぉ、有難う」


階段をハルナをおぶって降りる。その少しの時間だったが寝てしまったようで、忠勝のおっちゃんの家までハルナをそのままおぶって行く。


その途中でハルナが目を覚ました。

「うわ、ね、寝てた」


背中の上で少し暴れるハルナをなだめる。

「起きたか?」

「え、ああ。ごめんね」


「良いよ、未だ調子悪いならこのまま行くか?」

「うん」


なんかハルナが甘えて来るのがわかる。しかし不思議なもんだ。

初めて会った時は‘’出て行け‘’と言って殺気を向けて来たのに、今じゃ子犬みたいに懐いている。


おまけに背中が人の温もりを感じてなんか心地良いし、それにハルナって凄い良い香りがするし。


「あ、将。そろそろ降りる」

「そうか」

ハルナが降りると言って降りてしまった、それが何故だか少し残念だった。


ハルナが降りたのは忠勝のおっちゃんの畑の前だ。ハルナが慣れた手付きで雑草を抜いたりと畑仕事を始める、それを見て俺も手伝う事にした。


この間の桃太郎達の対戦で石の使い方にある種の可能性を感じていた、それもあり畑の中に埋まっている石を取っては麻袋にしまってためる事にしたのだ。


そうこうしていると忠勝のおっちゃんの家から火をたいた煙が上がる。


どうやら忠勝のおっちゃんも二日酔いなのかも知れない、普段よりもかなり遅い朝飯の準備だ。


一通り畑仕事を終えると忠勝のおっちゃんの家に入る。

「おじいちゃんただいま。これから朝ご飯?」

「ああ、ハルナか。

なんか今までハルナがやってくれてたからな、勝手がわからなくてな」


ハルナが忠勝のおっちゃんに代わり朝ご飯の準備を始めると、おっちゃんが俺に気が付く。

「将、早いな。

しかしお前さんやたらと酒に強いな、あんなに酔わない奴は初めてだ」

「そうか?」


軽く返事をしたが毒耐性があるから酔わないのは確かだ。

実際に精神異常耐性、猛毒死毒耐性、状態異常耐性等、様々な耐性がある。

それは異世界で酷い思いをしながら必死に身に付けたものだ。俺がどれだけ異世界で酷い目にあった事か、思いだすだけで身震いして来る。


その筆頭はダリアとミューモだ。この2人は兎に角酷い、本当に本当に鬼だった。猛毒を持つモンスターから猛毒の果実までありとあらゆる毒を体に入れられ、死ぬ直前にミューモが解毒魔法をかけて蘇生させる、とか。


精神異常耐性も兎に角酷かったな。

ダリアが俺を縛り付けアンデット系モンスターの巣の中に押し込める、奴らは共食いをするモンスターだ。仲間同士で襲い合う姿は初めて見た時のトラウマが残っている、そして精神的に限界を迎えるとミューモが俺を回復するとかな。


すると少しづつだが毒耐性や精神耐性が付き始める、駄目だ。思い出しただけで意識が遠のく。

異世界での出来事の半分は本当に暗黒の記憶しか無い。幾ら勇者としての資質を持っているからって、たった半年であらゆる耐性をつけるなんて余りに横暴だと思う。


忠勝のおっちゃんが俺の変化に気が付く。

「何だ将も二日酔いか? 今日は無理するなよ」


俺が震えているのを見て二日酔いと勘違いしたみたいだ。まぁ、異世界の話しをしても仕方ないからそのままにしておくけど。


忠勝のおっちゃんが朝ご飯を食べ終わる頃に幸太郎、又佐、伝次郎と伝次郎の妹の美雪(ミユキ)、幸太郎の弟の(タカ)の5人がおっちゃんの家に来る。


それと合わせるように夢と愛がおっちゃんの家に来た。


「何だ、呼びに行かなくても全員揃ったか。でも何で美雪と鷹が来てるんだい?」

愛が美雪と鷹に声をかける。


「うん、ハルナ姉ちゃんを奪った奴を見てみたかった」

鷹が真っ直ぐに言う。


「美雪は?」

「私? 妖術が見てみたい。

あんな石を軽く投げるなんてどんな妖術なのか知りたい」


「あははは。美雪は珍しいのが好きなんだね」

愛がそう言うと美雪の頭を軽く撫でる。


そして俺と幸太郎、又佐、伝次郎の対戦が始まる事になる。どうにもこの3人は俺と対戦しないと納得が行かないらしい、そう言う事で3人とは相撲の勝負となった。


だけど見た目的には俺が潰されて終わりだと思うぞ。この3人は身長が190cm以上は有る上に筋骨隆々、そして恐ろしい程のバネがある。

普通に言ったらコイツラに勝てる奴なんていないと思う。


本当に異世界に言ったら角の無いオーガだって皆騒ぐぞ。それくらい凄い、見た目も能力も本当に凄いんだもん。


立ち会いを務めるは忠勝のおっちゃんだ。

「良いか、例え負けても恨みっこは無しだ。これが終わったらまた一緒に戦う仲間になる、この約束は必ず守ってもらう」

「「「ハイ!!」」」


幸太郎、又佐、伝次郎が揃って返事をする。


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