16.
桃太郎Side
時東 鎌田薫 只信はかなりのショックを受けた様で少しの間話す事が無かった。そして、まだ信じられないと言った顔をしつつ桃太郎に話しをするように言う。
「すまぬ、桃太郎。報告を続けてくれ」
「ハイ」
桃太郎はこのまま報告を続けるか少し悩んだが、覚悟を持って報告を始める。
そして鬼頭 将が行った戦闘方法を聞いた時東 鎌田薫 只信と、その配下の幹部達が桃太郎の話しを疑った。
桃太郎の話がもし本当なら、人の出来る事では無い。それが話しを聞いた者達の答えだ。
すると桃太郎が後ろを振り向く。
「誰かいるか? 司令船内に昨日、鬼頭 将が投げた石が何個か入ってあった、それを屋敷入口に持って来て置いてある為、その石を持ってこい。
ああ、1人で持つなよ体を壊す重さだぞ」
「「「「ハッ!」」」」
部屋を守る兵士4人が走って出ていく、するとだいぶ時間が立ってやっと一つの石を4人で持ち上げながらヨタヨタと歩いて部屋に入って来る。
「お館様、申し訳ございません。我ら4人でこの石一つが精一杯でございます」
時東 鎌田薫 只信を筆頭に石の所に集まる、その石持ってみたり、揺らしてみたりと重さと大きさを確認する。
「して桃太郎よ、これは投げ入れらた中で一番大きな石か?」
「いえ父上、司令隻の中にあった石の中ではこれが一番小さく軽い物でございました」
「「「「「「なっ?」」」」」」
集まった時東 鎌田薫 只信を始め幹部の連中が動かなくなる、そして余りに理解が出来ないと言った顔でお互いを見合う。
「も、桃太郎。奴はこのでかい漬物石のような物をどのように使った」
時東 鎌田薫 只信が軽く震えながら桃太郎に問い掛ける、その時東 鎌田薫 只信の問い掛けに集まった幹部達も一斉に桃太郎を見る。
「ハイ、奴はその大きな漬物石を軽い小石の如く、我らの船にぶつけて来たり、直接兵士に当て海から落としたり、敢えて舟の脇に落とし波を起こして舟を転覆させたりしております。
今思い出してもあれは人の所業ではありません。
流石に生き残った兵士達も恐怖の余りに、海を見る事すら出来なくなっております」
そこに集まった者達が大人しくなる、物見の報告で何かを投げ舟を複数転覆させたと報告があった。その投げた物がこのような巨大な漬物石のようなものだとは誰も思わなかった。
集まった者達の誰もが大人しくなり、時東 鎌田薫 只信も直接対戦する前に負けを認めたかのように、沈んでしまっていた。
音の無い部屋に兵士が慌ただしく飛び込んで来る。
「ご報告。ご報告いたします」
入口の兵士が飛び込む兵士を止める。
配下の者がハッとした顔で兵士に声をかける
「何事だ?」
「は、大蔵村の鬼頭と名乗る者が、我が国兵士を連れて街に到着。
先だって海に落ちた兵士を引き渡すと言って来ております。
鬼頭と言う者の話しでは、これだけの捕虜を食わせる能力は大蔵村には無い。また、俺の顔を見ると気を失う等中々芸達者な者達、殺すのは惜しいと思い連れてきた、と」
「「「「「なっ、なにぃ(怒)」」」」」
「お、おのれ鬼頭!! 貴様と言う者はこの時東 鎌田薫 只信を何処までも馬鹿にして来るのか? 何処までもこのわしを下に見て来るのか? まして兵士を返しこのわしにこれで許してやる、とそう言っているのか(怒)」
「お館様、ここは我らの手の中。その鬼頭と言う者を捕らえてしまいましょう」
配下の進言を桃太郎が止める。
「やめろ、わざわざこんな所にやって来たんだ。逃げ出す算段も付いた上で来ている、ましてや私ですら一対一では勝てる見込みが無い奴だ。
もし私達が怒りに任せて鬼の島に攻め入って見ろ、それこそ奴らの思う壺だ。
それこそ我らが全滅する可能性すらあり得る話だ」
桃太郎の話を聞いた時東 鎌田薫 只信が笑い出す。
「ふふ、そうかそうか。随分と図太い神経の持ち主のようだな鬼頭 将。貴様がそう言うつもりなら目にもの見せてやろう。
このわしの本気を見せてやろうぞ」
部屋に来た兵士が恐る恐る時東 鎌田薫 只信に今後の事を聞く。
「お館様、返された者達をいかがなさいますか?」
「引き取れろ! そして怪我が無いか確認した上で家族の元に帰してやれ」
「はい」
「それと兵士一人一人に手間賃をやれ、鬼に倒されてここまで連れて来られたんだ。畑仕事もままならない可能性が有る、それだと畑仕事ができすに飢え死にする者も出て来るだろう。これ以上、兵力を下げる訳には行かない」
「はい。ではそのように」
兵士が急いで部屋をでる。




