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鬼ケ島伝説 鬼がしらと呼ばれた男  作者: 武田 健太郎


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122/133

122.

「これは不味いな、カメルン達を移動させないと全滅するぞ」

それが俺の判断だった。


またまた、本当にたまたまじいさまの着物に似た物を着た人かも知れない、子供達が居ないはその為かも知れない。


そう反対意見が出る可能性があるがビビリな俺はこの臆病さで生き抜いて来た、と思っている所も正直に有る。だから俺はこの臆病さを信じる事にしてこの場所を離れる。


カメルン達がいる集落に付いたのがすでに日が暮れていた時だった。

「カメルン、アン、コハル、美雪、鷹。集まってくれ」


集落に付いて直ぐに声をかける。

すでに小さい子供達達を中心に飯を食べて寝る準備に入っている時だった。


「棟梁? どうした」

「将兄、何かあったの?」

俺の声がけにカメルンと美雪が反応して出てくる。


「カメルン、他は?」

「コハルは小さい子を寝かし付けている。アンと鷹は飯の準備をして他の子達に食わせている最中だ」


「分かった。良いか、今この場でこの場所は捨てる」

「「えっ?」」


それから2人に有無を言わさずに飯を食わせると窯の火を消すこと無く皆んなで移動を開始する。


小さい子供達は年長の子供達がおんぶして行き、食い物や食器、寝床や着物等の生活用品をカメルン達が手分けして全てを持つ。


そして夜の闇に紛れて皆んなで移動を開始する。


アンとコハル、鷹が弓持ち武装して、数人の年長の子供達が集落から抜けて出るまでの間にランダムに獣を取る為の罠を仕掛けて行く。


これは万が一人攫い達が押し寄せて来た時の足枷にして時間を稼ぐ為だ。


その後、元のルルイに合った廃村まで来ると明け方まで歩き1日目を終える。


流石に小さい子供達を連れての移動はかなり大変だ、時間がかかり過ぎる。

年長の子供達に昼寝をさせて体力の回復を待って夕方からさらに移動を始め、3日後に要塞化を目指して改造中の村に到着する。


村は狼に荒らされたとは言え、家等が壊されているわけでは無く寝起きするには丁度良い家が沢山ある。

それも合ってここを要塞にしようと考えたのだ。


「なんだぁ、結局ここに戻って来ちゃったね」

「うん、でも俺はここ好きだな」

美雪と鷹がそんな話で盛り上がっている。


この場所を初めて見たカメルン、アン、コハルは不思議そうにしている。

「ねぇ、将。ここって又次の親方達が住んでた村だよね。ここに来てどうするの?」


コハルはこの村の事を知っていたようだ。

「ここな、狼達に3回も襲われて誰も寄り付かなくなったんだ。

だから俺がもらう事にした、本当はみんなを戦いに巻き込まないようにしたかったんだけどごめんな」


「いい、棟梁が簡単に頭を下げるな」

「そ、そうだよ。私もカメルンも何か手伝える事が合ったら手伝うよ」


カメルンとアンのこの言葉を聞いて少し考えてしまった。

「先ず、この家を中心に生活を行う。寝床とか作ったら集まってもらえるか」


「良いよ、じいさま達の事でしょ」

「それもある」


俺の含みのある返答にみんな不思議そうな顔をしつつも其れぞに片付け等を始める。


村の中で一人で立っていると俺の足元に狼の子供が来て体をスリスリとして甘えて来ていた。


子供達がこの子を助けたようで、晩飯に出た干し肉をこの狼の子に与えていたみたいでこの村まで付いて来たのだ。


そして俺の号令でみんなが動く事から俺を群れのボスだと思ったみたいだ。


白い毛並みに黒い線が背中に一本入ったその見たの狼の子で、何となく格好良さそうな名前と思いハクロウと名付けた。


「ハクロウ」

「ワン!」


「良し」

そう言ってちぎった干し肉を少しあげる。固形の物を食べれる位に大きくはなっているみたいでそこは助かった。


まだミルクしか飲めない子ならそのまま捨てるしか無い。ハクロウは干し肉が気に入ったのかガツガツと食べていた。


ハクロウと少しじゃれているカメルン達がみんな揃う。

「棟梁、その狼に名前付けたのか?」


俺がハクロウと呼んでじゃれていたを見ていたようでカメルンがそう聞いてくる。それを聞いたアンとコハルが少し呆れた顔で俺を見ていた。


「そろったな。ハクロウ、お前は遊んでいろ」

ハクロウが俺達の足元で走ったり、草を敵に見立てて噛み付く練習を始める。


「ほえ? 将兄、将兄って狼まで操れるの?」

美雪の驚いた顔にみんな思わず笑いが出る。


「この子はいずれ処分する。人に慣れた狼は危険だからな」

「「「「えっ!」」」」


処分するなら可愛がるな!! みんなの顔にそう書かれていた。


「それよりも鷹と美雪。悪いがカメルンと一緒に一度愛の所に行ってもらいたい。

カメルン、2人の安全を任せて良いか?」


「ああ、俺は問題無い。

でも、急にどうしたんだ? あの住処は結構過ごしやすかったのに」


「じいさまは人攫いの奴等に殺られた。子供達は見つからなかったよ、もう何処かに連れて行かれた後だろう。


それからじいさまの墓場にそいつらがいた形跡が有る、カメルン達が何度も往復したんだ今頃あの住処に人攫い達が群がっていてもおかしくは無い」


「げっ」「人攫い」

カメルンとアンの顔色が悪くなる。


「2人共何か知ってる事でも有るのか?」


俺の問いかけに2人が顔を見合わせて下を向く。


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