121.
村の入口を作り終え鷹と美雪の二人を連れてカメルン達の集落に向う。村を出る時は裏の抜け道のような所から出ていく、丁度大蔵村と集落の間位の場所に有るこの村は拠点としては使い勝手がいい場所でも有る。
以前の集落後に来ると美雪と鷹が不思議そうにしている。
「ねぇ将兄。ここじゃなかったっけ、集落の場所?」
「俺もそう記憶してた」
「狼に襲われる可能性があってな少し場所を移動したんだ、でも良くここが元々集落があった場所だって分かったね」
「わかるよ」「そうだよ、生活してた痕跡が残るもの」
鷹と美雪にそう言われて改めて見ると、確かに風化してきているが生活の痕跡が残って入る。後で何かしらの細工が必要だな。
そんな事を考えながら先に進むと獣用の罠を発見する。
「美雪、鷹止まれ」
俺の緊張した声に2人が反応する。
慎重に罠を回避しながら進み始めて15分位進んだ辺りに、年長の子供達が固まっているのを発見する。
「おお―い。何してる?」
「「「「棟梁」」」」
子供達が俺を見つけると近寄って来て鷹と美雪を見て少し警戒しだす。
「この2人は鷹と美雪だ。以前じいさま達と来た時にいた子たちだ」
「ああ、よろしくな」
「うん」「よろしく」
リーダーぽい子が集まっていた理由を教えてくれる、それは捕らえた動物の子供を俺に見せてくれる、その子は狼の子供だった。
「この狼の子供は何処で見つけた?」
「あっちの下の沢に行く途中。熊の巣穴だと思ったら狼の巣穴だった」
「親の狼は?」
「いなかった。残ったのがこのちっこい狼だけだ、多分見捨てられたんだよ」
「分かった、カメルンかアンはいるか?」
「うん、今コハル姉ちゃんと3人でなんか話し合ってる」
子供達に付いて移動してカメルン達と合流する、合流すると3人共に凄く深刻な顔をしていた。
「何か合ったのか?」
「「「棟梁!?」」」
「コハル、アン、鷹と美雪を連れてきた2人を休ませてやってもらえるか?」
コハルとアンが顔を見合わせて頷くと鷹と美雪を住居に案内してくれる。
「カメルン、何が合った?」
「うん、じいさまと子供達が3日前から帰って来ないんだ」
じいさまと子供達5人で、墓場に行くと行って集落を出た。
出たのは朝飯を食べた後だ。腹ごなしに少し歩いて来る、そんな簡単な感じでじいさまがまだ幼い子供達を連れて墓場まで遊びに行った。
墓場までは歩いても1時間もかからない場所で幼い子供達も歩いて行ける位のの所だ。
子供の体力作りにはもってこいな散歩コースとかしている、ましてや幼いと言ってもみんな5才から7才位の子達だ。じいさまの足に遅れるとは考え難い。
この子供達よりも小さい子は今2人しかいない、その子は主にコハルが面倒を見ている。
「俺とアンとコハルで交代で墓場近くを散策して見たけど何処に行ったか分からないんだ。
だから、じいさまの言いつけどうりに集落の回りを罠で囲って警戒を続けていた所だ」
「わかった、カメルンも鷹と美雪の面倒を見てもらえるか?」
「わかった、棟梁は?」
「一度墓場に行ってみる」
「うん、なんかあったら教えてくれ」
集落を抜けて墓場に向う。途中、カメルン達が何度か来たのだろう足跡が残っている。
じいさま達の墓場の場所に来ると夜営した跡があり、刀で傷付けたかのような切り傷が洞窟の中にいくつか確認出来た。
墓場を出て上に移動して索敵を開始。
少しづつ範囲を広げていく。
この辺りは狼達によって多くの村や街が壊滅的な被害にあい廃村となっている。そこに新たに住みついた者達がいてもおかしくは無い、そう思い人の痕跡を探すように索敵をしていく。
集落と反対側に人が住んでいる場所を確認、念の為にその場所を見に行く。
山を降りるように進み人が住んで辺りまで来た時、獣を捕らえる為の罠を発見。
この罠はじいさま達が教えた罠とは違い確実に獲物を仕留める作りになっている。足を捕らえる輪っかが有りその少し前に落とし穴が設置され、その穴には竹槍が何本も仕込まれていた。
罠を回避してある程度の距離まで来る。すると人の亡骸を発見、その着物から居なくなったじいさまの物だと直ぐに分かった。
一緒に移動していた子供達の姿が無い事から、人攫いの集団がこの辺りを縄張りにしたのだろうと考えた。
どれ程の集団かは分からないがネグラのような建物が10戸近くもある。
「これは不味いな、カメルン達を移動させないと全滅するぞ」




