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鬼ケ島伝説 鬼がしらと呼ばれた男  作者: 武田 健太郎


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116.

異世界Side


「私はエルフの国、王宮騎士のタテク バルト アンデルセンだ。対戦の礼儀は守らさせてもらう、一切の手加減はしない」


「我らは白狐族の守護隊だ。

私はリーダーのストール、我らは全員で行かせて頂く」


タクテが剣を抜いて構える中、白狐族の戦士達が囲むように立つ。


戦士として訓練を受けた者達が一斉に攻める、それをタクテが交わし対峙する。


何の訓練を受けた事が無い者達が一斉に攻めると互いの行動を邪魔するが、守護隊として訓練を受けたストール達は動きが連携しており、洗練された動きにタクテが対応に苦しんでいた。


すると国王のアパレル ナトリュウがタクテをイジる。

「タクテェ゙!! 貴様、そんな程度の実力であのキトーと旅をしたのか? 本当かどうかが疑わしいものだなぁ~。


みんな、そう思わんか?」


「それがキトーを初めとする勇者のパーティーの実力かぁ?」


「エルフ国の宮廷騎士はレベルが高いと聞くが大した事が無いな!!」

タクテに文句言い続け観客して集まった者達を国王アパレル ナトリュウが煽れるだけ煽る。


すると普段は冷静なタクテがスラッシュを国王アパレル ナトリュウに飛ばす。


ザン!!

「すみません、手元が滑ってしまいました」


「貴様ぁ、ユウメルに当たったどうするつもりだ!?」

「えっ? そんなの貴方が防ぐでしょ」


そんなやり取りをしつつ、タクテは白狐族の戦士達との戦いを続けている。

それに腹を立てたアパレルがタクテに向いスラッシュを飛ばす、それを弾き返しながら白狐族の戦士達の攻撃をかわす。


それを見ていた観衆達がものが凄く盛り上がりを見せる、すると国王アパレル ナトリュウが立ち上がり両手を広げ場を収める。


「クソ、俺達は見せの小屋の珍獣じゃねぇーぞ!!」

タクテと国王アパレルの自分達を適当に扱う姿を見て白狐族のストールが怒り狂う。


闘技場内にいる全ての白狐族の戦士がまとまってタクテに飛び掛かる。


「あぁ、それが一番ダメなヤツゥ」

白狐族の戦士が一斉に飛び出したのを見たダリアがボソッと呟く。


隣で見ていた魔人王の子供達だけがその呟きを聞き取った。

「え?」「どう言う事?」「お姉ちゃん?」


勇者のパーティーではタクテはタンクが役割だ。確かに剣術の腕も凄く、剣士として確かな実力者でも有る。


そんなタクテが何故タンクと言う役割なのか? タクテには有る能力が有る。


タクテは攻撃魔法等が使えない。身体強化魔法はある程度扱えるが、それでもその身体強化魔法だけでは勇者のパーティーの中で一緒に旅をする事が出来た理由にはなら無い。


では何がタクテを勇者のパーティ―のタンクたらしめたのか?


「魔法壁!!」

タクテの特殊能力、それは防御魔法の能力の高さだ。魔法壁はあらゆる物理攻撃を止める能力が有り、壁からは沢山の棘が出ている。


また、魔法盾と言う物もあり魔法攻撃を完璧に抑える能力を持つ。この魔法盾はダリアの攻撃魔法すら負かす程の強さがある。


そしてエルフの国においては、このタクテの特殊能力は卑怯者の能力と言われ、タクテ自身も滅多に使う事が無かった。


タクテは己の剣術を磨き上げ、エルフの国で成績を残し宮廷騎士にまで成り上がった、いわゆる努力の人なのだ。


キトー達と共に旅をしていた時に、タクテのこの防御能力の高さに、物凄く感動したのがキトーだ。


「タクテ、めちゃかっけー!」

そう言って常にタクテを褒め続けた。それも合ってか、勇者のパーティーの一員となってから、自らタンクの役割をこなす事が増えたのも確かだ。


そしてタクテが発生させた魔法壁に突き刺さるように、白狐族の戦士達が空中で止まってしまう。


「この防御魔法は、私が生まれ持った能力だ。私の力で自由自在に動かす事や出す事が出来る」

そう言うと、白狐族の戦士達の外側から同じ魔法壁を出現させると白狐族を挟むように魔法壁をくっつける。


サンドするように魔法壁が出来ると、小隊長が割って入る。

「この勝負、タクテ殿の勝利とする」


「す、すげえ」

「あれが勇者のパーティーのタンクか?」

「格好良いぞ!」

「あんなのに誰も勝てないぞ」

等々と見ていた人達がため息混じりにそう言う。


そこにユウメル王女が来てタクテに話しかける。

「タクテ、貴方は優秀な剣士とエルフの国から聞いていましたが、違うのですね。これが本来のタクテの能力。凄まじいですわ」


「とうだユウメル? お前が惚れたキトーを唯一たしなめる事が出来る男の実力は?」

「お父様。驚きました、キトーはたった一人で数百に及ぶ戦士達と戦い私を守ってくれました。

ですが、戦い方として違いますがこのような戦い方が有るとは、正直に感心しました」


「タクテ大丈夫?」「タクテすげー」

そこにダリアと一緒に魔人王の子供達が駆け寄ると、駆け寄って来た子供達をタクテが抱き締める。


子供達を見て笑顔を見せる。

「大丈夫だよ、約束しただろう。みんなをちゃんと守るって」

「「「「うん!!」」」」


「なんだ、ユウメル。子供達と仲良くなったと聞いていたが大した事が無いな」

「お父様、そんな事ありません。でも、今は子供達にとっての勇者はタクテなのです、私が出るのは違います」


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