114.
異世界Side
小隊長に詰め寄られた国王も最期は折れたようで、王女を降ろして威厳を保つ。すると少しして駆けて来る足音が聞こえる。
国王の前に南方騎士団の小隊が揃う、
すると小隊長が前に出る。
「皆、整列。
アパレル ナトリュウ陛下に敬礼!!」
ザッ!!
30名近くいる小隊が一斉に国王に敬礼する、それは国王からの言葉を待っているようだ。
「皆、ご苦労。
俺と娘はちょっとしたお忍びだ、通達はしていなかったから混乱させたと思う。皆配置に戻って良い」
「はっ、有難うございます」
手前いた騎士が代表して挨拶をすると後ろを向いて騎士達を見る。
「皆、解散」
「「「「「「オオー」」」」」」
しかしと言うか、流石と言うか騎士達の前では物凄く威厳の有る姿になるのが不思議な位だ。
娘のユウメルと2人の時はデレデレと鼻の下を伸ばしただたの親父にしか見えない、それが騎士団を前にすると一気に風格が有る国王の姿になる。
小隊長が国王の前に来る。
「陛下、実は…」
「うん?」
白狐族がユウメルを探していた事、そのユウメルをタクテとダリアが守り通した事が報告される。
すると国王が呆れたようにため息を付く。
「あの馬鹿共がまたやらかしたか?」
「ハイ、申し訳ございません。我らが駆け付けるのが少し遅かった為でございます」
「結果、タクテとダリアと会えて盟友の子供達共会えたのだ。そこは良い。
だが、その馬鹿共は直接私が話しをしよう」
「は」
その後国王とユウメル王女と共に騎士団の詰所に移動して朝食を取る事になった。
「所でタクテ、キトーの奴は元気にしているか?」
「ハイ、相変わらず。一人で苦労しているようです」
「はは、キトーの奴は変わらないなな」
するとユウメルが話に加わる。
「キトーは元の世界に戻ったの? まだいるならお会いしたいです」
ユウメル王女のこの申し出にタクテとダリアが少し引いてしまう、このユウメル王女もキトーとの結婚を希望している一人なのだ。
「そう言えば、レベッカもそのような事を言っておったな。
我が盟友を倒した程の男だ、結婚するなら獣人族も総出でお祝いしないと行けないな」
「へ、陛下!?」
国王のアパレル ナトリュウがノリノリでユウメルとレベッカとの結婚を容認した姿にタクテとダリアが驚いて言葉を無くしていた。
「そう言えばメルダリアとミューモの2人がレベッカと合流したらしいな。沢山の奴隷を解放したと聞いた」
「本当ですか? 我らは二手に別れて活動しております、メルダリアとミューモの話しを少し教えて頂けますか?」
「構わんよ」
そう言うと国王がレベッカから受けた報告をタクテとダリアに言う。
赤龍の所から商会の護衛のキャバンの一員として移動、その後レベッカの活動を聞いた2人がレベッカの所に来る。
その時、ミューモの聖神魔法により奴隷達を大量に解放、レベッカがメルダリアとミューモに隠してこの大勢の元奴隷達を獣人族の国に送ったのだ。
そう、レベッカの協力者で常にレベッカ達を守っていたのは獣人族の国王、アパレル ナトリュウその人なのだ。
このアパレル ナトリュウにとってキトー達の活動は何も文句も無い、互いの信じる正義の違いだ。だがグランバルト王国の一部の貴族が行っている奴隷を作るシステムは許すせるものでなく、多くの同胞達が奴隷として搾取されきたのだ。
ただグランバルト王国にとって唯一救いとなったのが召喚したキトーだ。キトーは奴隷売買を嫌い、グランバルト王国内にいる奴隷を扱う貴族達を倒して回っただけでなく、奴隷制度そのものを無くす事に全力を尽くした事だ。
それはキトー 1人の力では全てが出来たわけでは無い。それでも、キトーがレベッカの活動を支援したり、キトーの影響でグランバルト王国の王女であるメルダリアが国内の奴隷売買の事を知り、奴隷解放に動いた事を獣人族の国王はより高く評価したのだ。
だからグランバルト王国に攻め入る事をしなかった。もし、魔人族の国と獣人族の国が揃ってグランバルト王国に攻め入ったら、グランバルト王国は完全に負けていたはずである。
そこにアパレル ナトリュウのキトーに対する評価の高さが伺える。
それはキトーと共に旅をしたタクテやダリアも同じようで、これにより新たな問題に巻き込まれる事になる。
「所で、タクテ、ダリア。その方達も移動するまでの間は暇であろう、ちょっと私に付き合え」
「は、はあ」「わかりました」
何事かと少し警戒しつつ、返事を返す2人を伴い騎士団の詰所内に有る牢屋に来る。そこに継がれていたのはユウメル王女の存在を知り、誘拐しようとした白狐族の戦士達が入れられた場所だった。
タクテとダリアが不思議そうにアパレル ナトリュウの後を付いて行く。
「また、面倒事を起こしてくれおって。お前達も懲りない奴らだな」
牢屋につくとアパレル ナトリュウがそう話す、国王が来た事で牢屋内部で白狐族の戦士達が皆平伏する。




