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✦ エピローグ これからも、お母さん ✦
夜。
静かな部屋。
窓の外では、春の風がゆっくりと揺れている
紬が、ふと思い出したように口を開いた
「ねえ。父兄参観のときさ、先生、お母様って言ったよね」
陽向は少し笑う
「うん。言ってた」
紬は肩をすくめる
「ほんとに、そう見えたのかなって思って」
少しの間
陽向は迷わず言った
「見えるよ」
紬がわずかに目を丸くする
「だって」
声が、ほんの少しだけやわらぐ
「……あのとき、本当にお母さんだったもん」
静かな沈黙が落ちる
紬は小さく息を吐いた
「……そっか」
手が伸びる
自然に、陽向の頭を撫でる
少しだけ、ゆっくり
「じゃあさ」
紬はわずかに笑った
「これからも、お母さんでいい?」
陽向は迷わず頷く
「うん」
それ以上の言葉はない
やがて、手はそっと離れる
それでも――
その距離は、もう変わらない




