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# ■第3話 **「眠れない男が、夢を壊しに来る」**



# ■第3話


**「眠れない男が、夢を壊しに来る」**


---


夜守 恒一は、眠れなかった。


正確には――眠るのが怖かった。


昨日の教室で起きた“増殖”。


白い花びらは、二枚になっていた。


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「眠るたびに、何かが増えていく」


そう理解してしまったからだ。


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その夜。


部屋の電気を消せないまま、椅子に座っていた。


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時計の針だけが動いている。


外の音が遠い。


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そして、来た。


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## ■異物の出現


部屋の“暗さ”が、一段階深くなる。


そこに“人間の形”が立っていた。


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黒いコート。


濡れていないのに、濡れたような存在感。


目だけが異様に澄んでいる。


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男は言った。


「お前が“眠りを開いた人間”か」


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夜守は息を呑む。


「……誰だ」


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男は一歩近づく。


その瞬間、部屋の時計が止まる。


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「俺はノクティス・ゼロ」


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## ■世界観の崩壊


夜守の頭が一瞬空白になる。


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「……ゼロ?」


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男は静かに言う。


「眠りは危険だ」


「夢は現実を侵食する」


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夜守は立ち上がる。


「じゃあお前は何なんだよ」


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男は少しだけ笑う。


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「眠れない存在だ」


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## ■ヒロインの“裏”


その瞬間。


部屋の中に“白い気配”が生まれる。


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少女が立っていた。


しかし――いつもと違う。


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表情がない。


目が揺れていない。


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夜守は気づく。


「お前……昨日の」


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少女は答えない。


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ゼロが言う。


「そいつは“未来”だ」


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夜守の呼吸が止まる。


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「未来……?」


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ゼロは続ける。


「正確には、“確定してしまった未来”の残骸だ」


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## ■最初の衝撃(売れるポイント)


ゼロは言う。


「お前の眠りは、未来を分岐させる」


「だがその代償に、“一つの未来が現実化する”」


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夜守は震える。


「それが……あいつ?」


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ゼロは頷く。


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「お前が救おうとしている少女は」


「“お前が最悪の選択をした未来”だ」


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## ■ヒロインの初めての“崩壊”


少女の手がわずかに震える。


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「違う……私は……」


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声が途中で途切れる。


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体がノイズのように乱れる。


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夜守は一歩近づく。


「おい、どうした……!」


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ゼロが冷たく言う。


「見ろ。これが“未来の不安定性”だ」


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## ■選択の提示


ゼロは夜守を見て言う。


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「お前の能力は“救い”じゃない」


「“分岐の発生装置”だ」


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「眠るたびに、世界は増える」


「そして増えた未来は、いずれ衝突する」


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## ■初の“核心”


夜守はようやく理解する。


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自分はヒーローじゃない。


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世界を救っているのではなく――


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世界を増やしているだけだ**


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## ■ラストシーン


少女が消えかける。


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「……お願い」


「眠らないで」


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夜守は答えられない。


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ゼロは背を向ける。


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「次に眠れば」


「お前はもう戻れない」


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男は消えるように去る。


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部屋に残ったのは静寂だけ。


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そして。


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枕元に落ちていた白い花びらは。


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**三枚になって

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