■第4話 「眠れば世界が壊れると知った日」
■第4話
「眠れば世界が壊れると知った日」
朝。
目覚まし時計の音で、夜守 恒一は目を開けた。
……眠ってしまった。
その瞬間、全身から血の気が引く。
枕元を見る。
白い花びら。
四枚。
「……っ」
夜守は息を呑む。
昨日、ゼロは言った。
「次に眠れば、お前はもう戻れない」
その言葉が頭から離れない。
■違和感
学校へ向かう途中。
夜守は“ズレ”に気づく。
コンビニの位置が違う。
信号の音が違う。
知らない店が増えている。
「なんだよ……これ」
通学路にいたはずの犬がいない。
代わりに、見たこともない銅像が立っている。
世界が微妙に変わっている。
夜守の呼吸が浅くなる。
■学校
教室の扉を開けた瞬間。
クラス全体が静まり返る。
みんなが、夜守を見ている。
担任が困った顔で言った。
「……夜守、お前……昨日は大丈夫だったのか?」
「昨日?」
クラスメイトの一人が口を開く。
「いや、お前……倒れただろ?」
夜守の背筋が凍る。
そんな記憶はない。
「保健室に運ばれて、そのまま帰ったじゃん」
知らない。
そんな出来事。
■記憶の分岐
頭痛が走る。
その瞬間。
夜守の脳内に“別の記憶”が流れ込む。
保健室。
白い天井。
誰かの泣き声。
そして。
“白い髪の少女”。
夜守は机を掴む。
「……なんだよ、これ」
彼は理解する。
“別の未来の記憶”が混ざってきている。
■ヒロインの変化
放課後。
屋上。
風の中で、少女は立っていた。
でも、以前と違う。
制服を着ている。
夜守は目を見開く。
「……なんで」
少女は少し困ったように笑う。
「あなたが眠ったから」
「世界が、私を“現実側”に寄せ始めてる」
夜守は後ずさる。
「……待てよ」
「それって」
少女は静かに答える。
「私はもう、“夢だけの存在”じゃなくなってる」
■恋愛の種(重要)
風が吹く。
少女の髪が揺れる。
彼女は少しだけ寂しそうに言う。
「ねえ」
「もし私が本当に現実に来られたら……どうする?」
夜守は答えに詰まる。
少女は笑う。
「困ってる顔」
初めてだった。
彼女がこんな風に笑ったのは。
その瞬間。
夜守の胸が少しだけ高鳴る。
■世界崩壊の兆候
しかし。
空が割れる。
本当に、“空”にヒビが入った。
屋上の景色が一瞬ノイズ化する。
生徒たちの姿がブレる。
少女の表情が変わる。
「もう始まってる……!」
■真実
少女は夜守の手を掴む。
「聞いて」
「あなたが眠るたびに、“未来同士”が近づいてる」
「このままだと、世界は一つに潰れる」
夜守は震える。
「……どうすれば止まる」
少女は沈黙する。
そして。
「もう、眠らないで」
■最大の矛盾
夜守は叫ぶ。
「でも眠らなきゃ、お前は消えるんだろ!」
少女は答えない。
代わりに、小さく笑う。
「優しいね」
その言葉が痛い。
■ゼロ再来
突然。
空間が凍る。
黒いノイズ。
止まる風。
ゼロが現れる。
「時間切れだ」
少女が怯えた顔をする。
夜守は初めて見る。
彼女が“恐怖”を見せた瞬間を。
ゼロは空を見上げる。
「未来融合が始まった」
「この世界は、あと七回の眠りで崩壊する」
■衝撃ラスト
夜守は固まる。
「……七回?」
ゼロは静かに頷く。
「あと七回眠れば」
「お前は、“俺”になる」
沈黙。
夜守の瞳が揺れる。
少女の顔が青ざめる。
そして読者だけが気づく。
ゼロの声。
仕草。
目。
全部。
“成長した夜守”に似ている。




