戴冠式~歌の祭典準備
「大変お待たせいたしました。彩音国新女王、虹玉彩音様のご登場です。」
ハコクのよく通る声の後、盛大な拍手とともに彩音は壇上に立った。その後ろから彩香もついていく。
「彩音様、何か一言お願いいたします」
「はい。本日は戴冠式のお集まりいただき誠にありがとうございます。この後には祭典も控えておりますゆえ、ぜひよろしくお願いします」
「ありがとうございました。それではこれより戴冠式を始めます」
そして戴冠式が始まった。まず初めに、司祭様からありがたいお言葉をいただき、彩音には代々王家に伝わる王冠が授けられる。まぁ、その時に事件が起きることもしばしば見受けられたようだが、これはハコクとタイリで早急に解決された。
王冠が渡された後は、各国の王家の方々から祝辞を賜る。しきたり通り定められた言葉を送る国もあれば、面白おかしく祝辞を言う国もある。こういう式をないがしろにしていると見受けられてしまうこともあるので控えた方がいいのだが…。
はてさて予定通り堅苦しい祭典が終わったところで問題は次である。この後は予定通り、会場を移動し歌の祭典が始まるのだがもう既に問題が発生しているようだった。
「ちょっと、また!?あんたいい加減にしなよ。せっかく女王様にお呼ばれしてるんだからさー」
「うるっせぇなぁ仕方ねぇだろ。緊張してんだから…。」
「はぁ?あんたそれでも私の妹なの?こういうときくらい度胸を見せなさいよ!」
このディープピンク色の髪をショートヘアにした女の人は赤鯨国の女王で、エルフのトウカ・アルダーソンである。
対してこっちのトマト色の髪をボブカットにした彼女は赤鯨国の王女でトウカの妹のトマト・アルダーソンである。
「いい?緊張しているからって言い訳にしないで!ちゃんとみんなに合わせてよね」
「…わかったよ」
「じゃあもう一回だけ通そう!」
「ラジャー」
ただの喧嘩だったようで無事に和解しみたいだけど。
彼女達の他にもいくつか言い合いをしている団体はいるみたいで…と、いうよりもほとんどが王家の皆様なので顔見知りではあるのだが。やはり今回の祭典は多くの人が集まっているようでみんながみんな緊張しているようだった。
「彩音様、どういたしましょうか」
「う、うーーーん」
「十分くらい休憩してから発表っていう風にしたら?そうしたら多少はみんなも落ち着くんじゃない??」
「彩香ちゃんのいうことも一理あるかも。ハコクさん、お願いできますか?」
「御意」
そしてハコクさんの会場へのアナウンスが入り、十分間の休憩ののちに歌の祭典が行われることになった。




