第二十一章
Hgと伊武が出会って、しばらく経った時のこと。
Hgが少しずつ、伊武に心を開き始めていた時のこと。
ある日、Hgは自分の部屋の床で、うっかり眠ってしまった。反天使同盟に依頼されていた武器作りのために、徹夜をしたせいだろう。
何だか体が重くて目を覚ますと、希衣が自分の胸に乗って眠っていた。
夢でも見ているのか。むにゃむにゃと何かを呟きながら、Hgにしがみついている。
この瞬間、突然わき出した感情なのだろうか。
それとも、これまでに蓄積されてきた関係が、ついに溢れてしまったのだろうか。
その時初めて、Hgは希衣のことを可愛いと思った。
Hgがそっと希衣を起こすと、嬉しそうに笑って言った。
「おはよう、Hg」
その日から、Hgは希衣を可愛がるようになった。希衣も、Hgが自分に笑いかけてくれるようになり、とても嬉しかった。
二人は姉妹のようであり、母と娘のようでもあった。
そんな時間が続くうちに、Hgは少しずつ、色々なものを受け入れられるようになった。
自分が年を取るのも、少し太りやすいのも、しょうがないと思った。食べられるものも、少しずつだが増えていった。他の子供も可愛く見えるようになってきた。もう少し上の年齢の子も。やがて、大人も許せる気がしてきた。
天使のような希衣だって、年を取る。今、こうしている間も成長している。昨日の希衣も、今日の希衣も愛している。なら、明日は? 愛しているだろう。それが積み重なって、彼女は大人になっていくのだ――大丈夫、希衣なら、愛することができる。
希衣を通じて、Hgは世界に心を開き始めていた。
二人にとって、幸せな時間が続いた。




