まだ話せない
「美丈夫ってなんだ?」
「そこから!?」
ユウトの声が部屋に響いた。
アルは思わず目を瞬く。
カイは本当に分かっていないらしい。
「美丈夫というのは、その……容姿の美しい男性のことです」
「へえ」
「へえ、じゃないだろ」
レンが呆れたように言った。
「王都で俺たちがそう呼ばれてるって話だぞ」
「別にどうでもよくねえか?」
「カイらしいね」
レイが小さく笑う。
ソラに至っては最初から興味がないらしい。窓辺に寄りかかったまま、こちらを見ようともしない。
けれどアルは、妙に納得していた。
北方を守る五人の騎士。
王都の令嬢たちの間では、ずいぶん前から有名だった。
恐ろしく強い。
滅多に王都へ来ない。
そして――五人揃って、目を引くほど美しい。
「噂は、本当だったのですね」
アルが何気なく言うと、レンが微笑んで言った。
「俺たちの容姿が良いって?」
「はい。皆様、とても美しいと思います。」
なぜか、部屋が静かになった。
アルは首を傾げる。
「どうかなさいました?」
「いや……本人たちを目の前にして、普通に言うんだなと思って」
ユウトが口元を押さえている。
「事実ですから」
「……この人、強いな」
ーーそうかしら?
アルには分からない。
レイは苦笑しているし、レンは何とも言えない顔をしている。
そのとき。
「カイも?」
窓辺からソラがぼそりと言った。
「美しいんだろ。あんたから見て」
「ソラ」
カイが低い声で止める。
けれどアルは、改めてカイを見た。
長い黒髪。その前髪に混じる、一筋の金。
真っ直ぐな瞳。しなやかに鍛えられた大きな身体。
長い手足。王都でそれなりの数の人たちと会う機会があったが、これほどまでに整った人を見たのは初めてだった。
整った顔立ちでありながら、不思議と近寄りがたい感じはしない。
むしろ――
「はい」
アルは素直に頷いた。
「カイ様も、とてもお美しいと思います」
カイが固まった。
「ほら」
ニヤッと笑ってソラが言う。
「うるせえ」
「何も言ってねえけど」
「顔が言ってる」
レンがとうとう吹き出した。
「カイ、顔赤いぞ」
「赤くねえ」
「赤いですね」
レイまで加わる。
「うるせえって」
なぜカイが怒っているのか分からない。
アルが困惑していると、カイは誤魔化すように水差しへ手を伸ばした。
「……水、飲むか?」
「あ、はい」
グラスに水が注がれる。
アルが受け取ろうと手を伸ばしたが、カイはなぜか渡そうとしなかった。
「いい」
「え?」
「俺が持つ」
「いえ、それくらいは自分でできます」
「いいから」
「ですが――」
カイは譲らない。
結局、ベッドの上で身体を起こしたアルが両手でグラスを受け取るまで、カイはすぐ傍から離れなかった。
水の入ったグラスくらい、自分で持てる。
なぜこんなにも心配されているのだろう。
四人は何とも言えない顔でそれを眺めていた。
――もう始まった。
そんなことを考えているとは、アルは知る由もない。
「ゆっくり飲めよ」
「……はい」
「気持ち悪くなったら言え」
「はい」
「眩暈は?」
「もう大丈――」
カイの眉が、ぴくりと動いた。
アルは途中で止まる。
「……もう、ありません」
「ならいい」
なぜか訂正させられた。
そのときだった。
「――アル!」
廊下の向こうから、聞き慣れた声が響いた。
「……お母様?」
次の瞬間。
扉が勢いよく開いた。
侍女が制止する暇さえなかったのだろう。
公爵夫人らしい優雅さなど、どこかへ置いてきたような勢いで、母が部屋へ飛び込んできた。
「アル!」
「お母様……!」
母は真っ直ぐベッドへ向かうと、アルを強く抱きしめた。
「……っ」
少し苦しい。
けれど、その腕が震えていることに気づいて、アルは何も言えなくなった。
「あなたという子は……」
「申し訳ありません」
「どうしてあなたが謝るの」
「ですが、ご心配を――」
「そういうところです」
「……はい」
叱られてしまった。
それでも母は、なかなか腕を離そうとしなかった。
ようやく身体を離すと、今度はアルの顔を両手で包み込む。
「顔色が悪いわ」
「もう平気です」
「アル」
母ではなく。
なぜかカイが反応した。
「……先ほどよりは、楽になりました」
「よし」
母が、ゆっくりとカイを見た。
「あなたが……カイ様ですね」
「はい」
カイが立ち上がる。
先ほどまでとは打って変わって、北方の将らしい姿勢で母に頭を下げた。
「カイ・ヴァルグレンです」
「…………え?」
アルは思わず声を漏らした。
「ヴァルグレン……?」
聞き間違えるはずがない。
その家名を。
「もしかして……あの、ヴァルグレン家の?」
カイがアルを見る。
「ああ。そうだけど」
あまりにも軽い返事だった。
「そうだけど、って……!」
ヴァルグレン家。
北方に広大な領地を持ち、代々その地を守ってきた武門の名家。
王国の北の守りを担い、歴代当主の多くが将として名を残している。
王太子妃教育を十二年も受けてきたアルが、その名を知らないはずがなかった。
「では、カイ様は……」
「あー……」
カイが少し困ったように頭を掻く。
「一応、ヴァルグレン家の人間だな」
「一応!?」
今度はアルが声を上げた。
ユウトが吹き出す。
「カイ、それ説明になってねえって」
「なんか苦手なんだよなー。家のこと出すの。」
「そういう問題ではありません!」
思わず言い返してから、アルははっとした。
こんなふうに男性へ声を上げたのは、いつ以来だろう。
けれどカイは気にした様子もない。
むしろ少し笑っている。
「元気出てきたな」
「カイ様!」
「はいはい」
「はいは一度です!」
「はい」
まただ。
この人と話していると、なぜか調子が狂う。
母はそんな二人を黙って見ていた。
そこへ。
「アル」
もう一つ、聞き慣れた声がした。
「お父様」
父が部屋へ入ってくる。
いつも穏やかな人だった。
アルが幼い頃から、滅多なことでは声を荒らげない。
けれど今日は、その顔に笑みはなかった。
父は真っ直ぐベッドへ向かい――途中で足を止めた。
視線の先にいるのは、カイだった。
「……カイ・ヴァルグレン殿」
「公爵」
カイも父を見る。
「お久しぶりです」
「…………え?」
アルが二人を交互に見た。
「お父様?」
「どうした?」
「お知り合いなのですか?」
「ああ」
父はあっさりと頷いた。
「以前、北方を訪れた際にな」
「北方……」
「少々、縁があった」
カイが苦笑した。
「魔獣の群れに囲まれてたところに、俺が居合わせただけです」
アルは父を見る。
「お父様?」
「なんだ」
「魔獣の……群れ?」
「ああ」
父はまるで天気の話でもするように頷いた。
「十数頭ほどだったか」
「十数頭!?」
思わず声が裏返った。
「お父様、それのどこが『少々』なのですか!?」
「騒ぐほどのことではない」
「あります!」
するとカイが笑った。
「大丈夫だ。俺が着いたときには、もう半分くらい公爵が斬ってたから」
「…………はい?」
今度は別の意味で言葉を失った。
アルは父を見た。
父は何でもないような顔をしている。
「……お父様?」
「なんだ」
「半分?」
「数えてはいなかった」
「そういう問題ではありません!」
また声が大きくなった。
父がわずかに眉を上げる。
その横で、カイがとうとう声を上げて笑った。
「ははっ!」
「カイ様、何がおかしいのです?」
「いや」
カイは笑いながら父とアルを見比べる。
「やっぱ似てんなと思って」
「どこがです?」
「そういうとこ」
「全然分かりません!」
父が小さく息を吐いた。
「私一人なら、どうとでもなった」
その声に、アルが振り返る。
「だが、あのときは護衛が負傷していてな」
アルの表情が変わった。
「……護衛の方が?」
「ああ。置いていくわけにもいかんだろう」
父はそれだけ言った。
カイが後を継ぐ。
「公爵は怪我した護衛を庇いながら戦ってた。さすがに十数頭相手じゃ、きつい」
そこで初めて。
アルにも状況が見えた。
父は魔獣に追い詰められていたのではない。
逃げようと思えば、逃げられたのかもしれない。
それでも負傷した者を置いていかなかった。
「俺が何頭か引き受けて」
カイは肩を竦めた。
「二人で片づけた。それだけだ」
「それだけ……」
アルは呆然と呟く。
十数頭の魔獣を二人で倒して。
この二人にとっては、それだけらしい。
「だから別に、俺が公爵を助けたってほどじゃねえよ」
「カイ殿」
父が静かに口を挟んだ。
「あなたが来なければ、護衛を守りきれなかった可能性はある」
カイが口を閉じる。
「私一人であれば問題はなかった。だが、あの状況で全員を無事に帰すことができたのは、あなたが加勢してくれたからだ」
父はカイを真っ直ぐ見た。
「その恩は忘れていない」
「はい」
短いやり取りだった。
けれどアルには、二人の間に以前からある信頼のようなものが、ほんの少しだけ見えた気がした。
父の命の恩人。
というのとは、少し違う。
父が認めた男。
その方が、ずっと近いのかもしれない。
そしてその男は――。つい先ほど、
自分に求婚した。
「お父様……」
「なんだ?」
「どうして今まで教えてくださらなかったのですか?」
「話す必要がなかったからな」
「十数頭の魔獣と戦ったお話ですよ?」
「ああ」
「十分あります!」
父がわずかに困った顔をした。
その顔まで、どこかカイと似ているように思えてしまう。
アルは頭が痛くなってきた。
父はカイへ向き直った。
「それよりも」
表情が変わる。
「今回も、娘を助けてくれたそうだな」
カイの表情から笑みが消えた。
「いえ…助けたと言われるようなことはしてません」
「どういう意味だ?」
「俺がもっと早く気づいてれば、倒れる前に止められました」
アルが目を瞬く。
「カイ様?」
「あんなことがあった後なのに、ずっと立たせてた」
カイは悔しそうに眉を寄せる。
「足も怪我してたのに。俺、気づくのが遅かったんです」
父はしばらく何も言わなかった。
「……そうか」
「はい」
父はカイを真っ直ぐ見る。
「だが、娘のそばにいてくれたことには礼を言う」
カイは少し驚いたように父を見た。
「ありがとう、カイ殿」
カイは黙って頭を下げた。
母は、そのやり取りを横から静かに見ている。
アルは気づかなかった。
母の視線が、カイを少しずつ観察するものへ変わっていたことに。
父はベッドの傍らまで来ると、改めてアルを見た。
「アル」
「はい」
「帰ろう」
たった一言だった。
それだけで。
アルの胸の奥が、きゅっと締めつけられた。
「……はい」
「もういい」
父は静かに言った。
「十分だ」
何が、とは言わなかったけれど。
アルには分かった。
十二年間。
王太子の婚約者として生きてきた、そのすべてを。
父も。
母も。
ずっと見ていたのだ。
◇ ◇ ◇
しかし。
ロゼリア公爵家の三人が、そのまま王宮を出ることはできなかった。
「陛下がお見えです」
侍従の言葉に、部屋の空気が変わった。
母の表情から、すっと柔らかさが消える。
父も扉へ視線を向けた。
五騎士の空気も、一瞬で変わる。
先ほどまで笑っていた男たちとは思えない。
カイはアルのベッドの傍らから動かなかった。
ほどなくして扉が開く。
国王が入ってきた。
その後ろには――。
王太子の姿もある。
「……っ」
アルの身体が、ほんのわずかに強張った。
それに最初に気づいたのは。
母でも。
父でもなかった。
カイは何も言わず、半歩だけ前へ出た。
王太子とアルの間に、自分の身体を滑り込ませるように。
何かあれば、すぐに前へ出られる位置。
その背中を見て。
アルは、なぜか少しだけ息がしやすくなった。
「アルヴェイン嬢」
国王が口を開いた。
「このたびのこと……まずは、王家として詫びねばならぬ」
アルは反射的に身体を起こそうとする。
「陛下、そのような――」
「寝てろ」
カイに止められた。
「ですが」
「今は休んでろ」
「カイ」
父が低く名を呼ぶ。
アルは、はっとした。
「も、申し訳ございません。カイ様は私をお気遣いくださって――」
「構わぬ、そのままでいなさい」
国王はそう告げると、改めてアルへ視線を向けた。
「今回の婚約破棄については、王家の責任だ」
王太子が僅かに顔を歪めた。
「父上、しかし――」
「黙っていなさい」
低い声だった。
王太子が口を閉ざす。
父が静かに問いかけた。
「陛下」
「……なんだ」
「我が娘は長い間、王太子殿下の婚約者として生きてまいりました」
国王は険しい顔で聞いている。
「幼い頃より礼儀を学び、歴史を学び、政治を学び。王太子妃となるため、娘なりに努めてきた」
アルは俯いた。
「その十二年を」
父の声は穏やかなままだった。
だからこそ、怖かった。
「殿下は、いったい何だとお考えなのでしょうな」
王太子の顔から血の気が引く。
「あなた」
母が口を開いた。
父を見る。
「そのお話は、アルのいないところで」
父はしばらく黙ったあと。
「……そうだな」
とだけ答えた。
母はアルの手を握った。
「この子は休ませます」
誰に許可を求めるでもない。
決定だった。
「本日中に、公爵邸へ連れて帰ります」
「分かった」
国王が答えた。
「馬車はこちらで――」
「必要ありません」
母が即答する。
「我が家の馬車を呼んでおりますので」
「……そうか」
国王が黙った。
これで終わる。
アルはそう思った。
王家から正式な謝罪があり。
婚約は終わり。
自分は家へ帰る。
それで。
十二年間続いた王太子妃への道は、完全に終わる。
そう思ったのに。
「――待ってくれ」
国王が言った。
その声が、先ほどまでとは明らかに違った。
アルは顔を上げた。
「陛下?」
国王は父を見ていた。
「公爵。少しだけ……時間をもらえないか」
「婚約についてでしたら、後日正式に」
「違う」
父の目が細くなる。
「……では、何のお話でしょう」
国王はすぐには答えなかった。
何かを迷っている。
いや。
恐れている。
そんなふうに、アルには見えた。
やがて国王は、小さく息を吐いた。
「公爵」
呼ばれた父が、静かに国王を見る。
「何でしょう」
「……アルヴェインには、まだ何も話していないのだな」
その瞬間。
父の表情が変わった。
ほんのわずかだった。
けれど、アルには分かった。
「陛下」
低い声だった。
それだけで、これ以上話すなと言っているように聞こえた。
アルは父と国王を交互に見る。
「……何のお話ですか?」
「アル」
母が、そっとアルの手を握った。
「あなたは気にしなくていいの」
「ですが……」
おかしい。
父も母も、何かを知っている。
そして国王も。
自分だけが知らない。
「お父様?」
父は答えなかった。
その沈黙が、かえって答えのように思えた。
「公爵」
国王が再び口を開く。
「いずれは話さねばならん」
「承知しております」
「ならば――」
「今ではありません」
父はきっぱりと言った。
部屋が静まり返る。
カイが眉を寄せた。
レイも。
レンも。
ソラも。
ユウトも。
誰一人、話の意味を理解していないようだった。
もちろん。
アル自身も。
「私は……何を知らないのですか?」
「…………」
父はしばらくアルを見つめていた。
やがて、ゆっくりと息を吐く。
「今ここで話すことではない」
「でも――」
「アル」
今度は母だった。
そっとアルの髪を撫でる。
幼い頃。
眠れない夜に、何度もそうしてくれたように。
「話すべき時が来たら、きちんと話すわ」
「……話すべき時?」
「ええ」
母は微笑んだ。
けれど。
いつもの穏やかな笑顔とは、少し違って見えた。
アルは見てしまった。
父と母が、一瞬だけ交わした視線を。
二人は知っている。
国王も知っている。
そして。
自分だけが知らない。
国王が、ぽつりと呟いた。
「……もし、本当に受け継がれているのなら」
「陛下」
父が鋭く遮った。
それ以上は、一言も許さなかった。
国王も、今度は口を閉ざした。
けれど。
もう遅かった。
――受け継がれている。
その言葉だけが、アルの耳に残った。
◇ ◇ ◇
その日の夕刻。
ロゼリア公爵家の馬車が、王宮を出た。
アルは窓の外へ流れていく景色を見つめていた。
王太子との十二年。
突然の婚約破棄。
カイからの求婚。
そして、自分が倒れてしまったこと。
あまりにも多くのことが、一日のうちに起きた。
そして。
カイ・ヴァルグレン。
まさか、あのヴァルグレン家の人間だったなんて。
しかも父とは、かつて北方で魔獣の群れを相手に共闘したことがあるという。
「…………」
思い返してみれば、不思議な人だった。
それほどの家柄を持ちながら、それを誇る様子がまるでない。
自分が誰なのかすら告げず。
ただ、困っているアルを助けた。
そして。
レイも。
レンも。
ソラも。
ユウトも。
そんなカイに対して、驚くほど遠慮がなかった。
『そこから!?』
『カイ、顔赤いぞ』
『うるせえ』
思い出して、アルは少しだけ首を傾げる。
「……どういうご関係なのかしら」
主従。
それだけには、見えなかった。
身分の差を感じさせない。
もっと長く。
もっと深い何かで結ばれているような。
そんな気がした。
そして。
もう一つ。
頭から離れない言葉がある。
――もし、本当に受け継がれているのなら。
「……お母様」
「なあに?」
「先ほどのお話は……」
母はすぐには答えなかった。
やがて、アルの肩に掛けられた毛布を直しながら言う。
「今日は休みなさい」
「ですが」
「アル」
優しい声だった。
「あなたは今日、一度にたくさんのことを経験したのよ」
「…………」
「十二年続いた婚約が突然終わって、その直後に求婚までされて、倒れてしまって」
母は少し困ったように笑う。
「そのうえ、家の昔話まで聞かされたら、頭が追いつかないでしょう?」
「昔話なのですか?」
アルが尋ねると、母は一瞬だけ黙った。
「今は、そう思っていて」
「お母様」
「そのうち、ちゃんと話すわ」
それ以上は、答えてくれなかった。
アルはしばらく母を見つめていたが。
やがて、小さく息を吐いた。
「……分かりました」
窓の外へ視線を戻す。
王宮が、少しずつ遠ざかっていく。
アルは自分の掌を見つめた。
何もない。
何も見えない。
いつもと変わらない手。
なのに。
――アルヴェインには、まだ何も話していないのだな。
国王の声が蘇る。
――もし、本当に受け継がれているのなら。
「……私が、受け継いだもの……」
小さく呟く。
母は視線をアルに向けたが、何も言わなかった。
ただ、その手をそっと握った。
一体何が受け継がれているのか。
今のアルには、まだ知る由もなかった。




